転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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狩り勝負 上

 ゲルみたいなテントの中身を集めるのは放課後に少しずつ進めていくことにして、再び休みの日になり、狩場に行く事に。

 

 前回と同じちょっと遠くの狩場で、アキ、シュネ、メアリーの3人と俺、マンシュタイン、スター、マリーの4人で行動することになった。

 

 空間魔法が使える俺が居ないと獲物を大量に持ち運ぶ事が出来ないので、小物を中心に数を狩るのが俺のグループ。

 

 アキ達のグループはアキが大熊に変身できるので、アキが大きな獲物を確保しても持ち運べるので、アキ達は大物狩りをメインに2手に別れて狩りをすることになった。

 

「どっちが換金額が高いか勝負ね!」

 

「あんまり無茶するなよ」

 

 という訳で狩りが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

「なぁナツ」

 

 マンシュタインが俺に話しかけてきた。

 

「なんだ?」

 

「将来貴族になりたいってナツは言っていたよな?」

 

「ああ、言ったけど」

 

「法服貴族を目指すのか? それとも地方領主を目指すのか?」

 

「うーんまだそこは決めかねているけど、一応地方領主かな。何かあるのか?」

 

 マンシュタイン曰く、貴族になって以降の大変さが変わってくると説明された。

 

 法服貴族は皇帝の直臣という立場であり、役職が就いていない場合年金を貰って生活する貴族なのだという。

 

 立場は違うが、マンシュタインの実家はその皇帝部分を辺境伯に置き換えた立場であり、辺境伯の重臣として役職を拝命し、役職手当と年金を両方貰って家を運営していたらしい。

 

 なのである程度、法服貴族の考え方というのがわかるらしい。

 

 皇帝から認められれば法服貴族になれるので、ドラゴンスレイヤーと呼ばれるような魔法使いはどちらかと言うと法服貴族になることを目標とするらしい。

 

 帝都で戦略兵器として飼われるか、定期的にワイバーンを倒して帝国の国庫を潤わせるか……もしくは宮廷魔導師を目指して政治闘争を開始するか、弟子を募って自身の影響力を拡散させるか……色々やり始めるらしい。

 

 場合によっては冒険者ギルドの役員へと推薦される……なんてこともあるらしい。

 

 法服貴族の方が帝都においては活動がしやすい。

 

 逆に地方領主だと世襲させる際に他所の横槍が入れられづらく、貴族として認められやすいという点に優れていた。

 

「どちらにせよ、何かしらの功績を打ち立てて、貴族から注目されないといけないけれどね」

 

「そうなんだよなぁ……あ、そこに猪が3匹隠れているぞ」

 

「お、サンキュー」

 

 マンシュタインが放った風の刃で猪の首が飛ぶ。

 

 マリーが倒された猪を引きずってきて、俺とスターが血抜きをする。

 

「これでよし」

 

 異空間に猪を仕舞い、これで猪5匹に狐7匹、うさぎ4羽、鹿6頭である。

 

「順調順調」

 

「でもこれだとブラッディベアークラスを1頭でも倒されていたら逆転されちゃうよ」

 

「もう少し単価の高い動物……いや、魔物と戦わないと……」

 

 スターとマリーが魔物を狩るべきと言い出すが、魔物と対峙して大丈夫か少々不安である。

 

「前回ブラッディベアーと対峙した時に醜態を見せたからね……でもそういう経験を乗り越えていかないと僕達は強くなれないと思うんだけど、ナツはどう思う?」

 

「それもそうだな。よし、魔物を中心に狩る事に切り替えるぞ。もう少し深く潜るか」

 

「「おー」」

 

 こういう時に自分の意見をさりげなく誘導させるのがマンシュタインは上手だな。

 

 相手を不快にさせないで、自分の意見を押すのが上手い人はどんどん出世していくことだろう。

 

 正直マンシュタイン、魔法の腕もあるし、軍属になっても出世してある程度までは行けたんじゃないだろうか? 

 

 いや、文官の下っ端スタートでも十分に上まで行けた気がする。

 

 それだけ能力が高い。

 

 まぁ本人は仕えるべき英雄や主君を探したいって願望があったから冒険者を選んだらしいが……主君候補が俺でいいのだろうか? 

 

『止まれ』

 

 俺は念話で全員に停止を指示する。

 

 探知の魔法で強い魔力の反応を感知した。

 

 空間魔法で対象を確認すると、普通のオークに見えるが、魔力こ反応が普通のオークの数倍溢れていた。

 

 この反応……白いホーンタイガーを狩った時と似ている。

 

 変異種って奴か。

 

『オークの変異種が居る。魔法を使ってくる可能性があるから気をつけて対処するぞ。場所は念話越しに示す』

 

 俺は周囲の地形とオークの位置情報を念話で飛ばす。

 

 状況を理解した3人は俺の指示を待つ。

 

『俺が魔法障壁でオークの攻撃は全部防ぐから、3人で倒してみるか?』

 

『……やらせてほしい』

 

 マンシュタインがそう言うと、スターとマリーの2人も同意した。

 

 3人と念話を繋ぎながら作戦を立てるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 オークを目視できる位置まで移動すると、オークの皮膚の色が燃えるような真っ赤に染まっていた。

 

 レッドオーク……通常個体のオークが緑色をしているが、レッドオークは高い魔力によって身体強化が大幅に強化された個体である。

 

 その強さはブラッディベアーよりは劣るが、マンシュタイン達からすれば十分な強敵である。

 

『作戦開始!』

 

 身体強化をした3人は走り出し、まずはマリーが手斧で近接戦闘を持ちかける。

 

 動きに気がついたレッドオークはマリーを拳で迎撃してくる。

 

 拳は俺がマリーに張った魔法障壁で弾かれて、マリーの手斧がレッドオークの腕に刺さる。

 

 が、切断するまではいかず、少しの切り傷をつけた程度である。

 

「鉄製の手斧だと切れ味が足りない!」

 

 オークが追撃してこようとするが、マリーはオークに蹴りを入れて、その場から少し距離を取る。

 

 オークがマリーに注目している間にマンシュタインとスターは射撃位置を整え、魔法で攻撃を開始する。

 

 スターが得意な電撃でレッドオークの体の動きを麻痺らせて止め、そこをマンシュタインが得意な風の刃で切り裂く。

 

 レッドオークは腕をクロスさせて防御姿勢を取るが、体がどんどん切り傷だらけになっていく。

 

 しかし岩をも切断する風の刃を受けてなお、レッドオークは切り傷で耐え抜いてしまう。

 

「「な!?」」

 

 マンシュタインの最大火力である風の刃が致命傷にならないとなると、マリーの手斧で致命傷を入れるしかない。

 

 こうなった場合普通の冒険者であれば撤退が視野に入るが、俺が居るので戦闘は継続。

 

 マンシュタインのいる位置に気がついたレッドオークは石を投げつける。

 

 バチン

 

 マンシュタインに張っていた俺の魔法障壁が投げられた石から防御する。

 

 さてどうするか。

 

 動いたのはスターだった。

 

 土魔法でまだ痺れて動きが鈍いオークに対して、足元の地面を消して、落とし穴を作ると、オークを首元まで落とし、そのまま土で埋める。

 

「マリー!」

 

 首だけ地面から出ている状態になったレッドオークに対して高くジャンプしてからマリーは斧を振り下ろす。

 

 ザク

 

 レッドオークの頭がパッカリ割れて、脳みそが斧に付着。

 

 目ん玉や舌を伸ばし、鼻から出血したレッドオークを倒すことに成功する。

 

 身体強化は筋肉がある部分は守りやすいけど、頭とかは結構倍率を上げないと防御力不足になりやすいという点を付いたいい攻撃であった。

 

 俺はレッドオークの首を切断すると、地面から胴体を掘り起こして治癒魔法で傷を修復していく。

 

「ナイス連携。スター、マリー……マンシュタインは火力不足だったな」

 

「はぁ……ミスったなぁ。スターとマリー、助かったよ。ありがとうな」

 

 マンシュタインが2人にお礼を言うと2人も咄嗟にやった行為だったから作戦でもなんでもないと謙遜する。

 

 反省する点もあるが、レッドオークを倒せたという経験は今後糧になっていくことだろう。

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