転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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辺境伯様とご対面

 首謀者を討ち取った俺達は、デーニッツさんに連れられて辺境伯軍の詰所に案内された。

 

「おお、デーニッツ殿、ご無事で」

 

「俺が死ぬわけないだろホフマン。今回の首謀者とアンデッドドラゴンを倒し、さっきの火災旋風を巻き起こした英雄を連れてきたぞ」

 

 デーニッツさんと会話している小太りのおじさんの注目がこちらに向く。

 

「ほう、君たちがか?」

 

「お前ら自己紹介しろ」

 

 デーニッツさんに言われて、俺達はそれぞれ挨拶をしていく。

 

「うむ、ナーリッツ君にアキーニャ君、メアリー君、シュネー君だね。覚えたよ。私はホフマン・サザダール……気楽にホフマン将軍と呼びたまえ」

 

「ホフマンはこんな体型をしているが、軍才で成り上がり、お館様から認められて妹君と賜婚し、辺境伯家と繋がりを持つまでに至った人物だ。帝都に居る皇帝からも辺境伯家の軍の司令官に将軍の役職名を使うことが許されているから、名実共に辺境伯軍のトップだ」

 

「まぁ、私は元々軍属系の家柄だったし、身分も高かったから、実力さえあれば上に上がれる立場ではあったがな!」

 

 ホフマン将軍にデーニッツさんが俺達を会わせた理由は、軍功の際に揉めないようにするためらしく、俺がアンデッドドラゴンの魔石や骨の一部を取り出して見せると、確かに討伐した証になるなと言われた。

 

「話を聞くに、こんな幼い子供達がデーニッツでも倒すのに苦戦すると言っていたアンデッドドラゴンを簡単に倒せるものなのか?」

 

 勿論ホフマン将軍も俺達の実力に疑問を持つが、土壁を出現させて巨大な火柱を起こして、アンデッドの大半を燃やし尽くしたのはホフマン将軍も自陣から見ていたので、あれをやったのが俺達で、デーニッツさんは一切手助けしていないと言われると、ホフマン将軍は俺達の手を握り

 

「それは確かに勲章ものの大戦果だ! いやぁ、あれほどの魔法は見たことが無かった。私もお館様に報告する際には援護しよう」

 

「ありがとうなホフマン」

 

「いやいや、こちらも軍の被害が少なくて済んだからな」

 

 ホフマン将軍に聞いた限り、アンデッド達との戦闘での死者は、冒険者を含めて十数人で済んだと言われた。

 

 想定していた被害の数十分の一に抑えられたので軍としても助かったとお礼を言われた。

 

 あとは残党処理をするだけであり、俺達の出る幕は無いからこの陣でゆっくり休んでいてくれとホフマン将軍に言われ、俺達は陣の端でデーニッツさんとゆっくりすることになったのだった。

 

 

 

 

 

 

「この後軍と一緒に凱旋したら、お館様に報告しなければならないから、お前らを連れてお目通しだ。特に緊張することはねーから安心しろ」

 

「「「「いやいやいや」」」」

 

 俺達は総ツッコミ。

 

 いきなり大領主……地球で言うと東京都知事と挨拶するとなれば緊張してしまう。

 

 ただこういう事も貴族になるためには経験しておかないとダメだよな。

 

「褒美は何が良いとかあるか?」

 

「……将来的に貴族になりたいと思っているのですが、今回の功績だけじゃ足りないですよね?」

 

「うーん、1代限りの騎士の爵位だったら用意できると思うが……もう少し功績が欲しいところだな。何かあるか?」

 

「そうですね……じゃあワイバーンの亡骸を買い取ってもらうのはどうでしょうか」

 

「お前ら……あ! 市場に突如出てきたワイバーンの素材はお前達経由だな!」

 

「クム商会にお世話になりまして……」

 

「……商会と口裏合わせて売却した感じか……まぁ問題はないだろう。商会に売らなかった残りか?」

 

「いや、訓練がてら山で俺達ワイバーン狩りをしていまして……今異空間の中に200頭ほどワイバーンの亡骸を収納していますが……死蔵しておくのもあれなので、骨と鱗、それに魔石を買い取ってくれませんか?」

 

「流石にそれは俺の一存じゃ無理だ。というかお前らそんな無茶をしていたのか?」

 

「ゲンシュタイン騎士領に住んでいまして……周囲は森と山しか無かったので、そこでやることと言ったら魔物狩りくらいしか無く」

 

「はぁ……」

 

 デーニッツさんは深くため息をして、こう言い出した。

 

「アンデッドドラゴンを簡単に倒せていたから無理な話では無いな……というかそれだけ倒せるんだったらちゃんと爵位は渡せるだろう。準男爵……いや、今後の囲い込みを考えると男爵も狙えるか」

 

「それじゃあ貴族になることはできるのですね!」

 

「まぁまて、それだと爵位を買ったと言われかねないからな。もう少し順序を踏む必要がある」

 

「順序ですか?」

 

「そうだ。それに貴族になるのは誰がなるか決まっているのか? 流石に全員は無理だぞ」

 

「それはナツ……いやナーリッツがなるとパーティーで決めています」

 

 今までは俺とデーニッツさんが話していたが、メアリーが間に入って、そう発言する。

 

「僕達の目標は、ナツを貴族にして、メンバーで重婚することなので、ナツが貴族になってくれれば支える立場になろうと思ってます……ねーアキ、シュネ」

 

「はい、そうです。ただ家名はケッセルリンクにして欲しいのです」

 

「ん? なんか訳ありか?」

 

 デーニッツさんがシュネに尋ねる。

 

 シュネは自身の一族が没落貴族で、貴族に復帰できることを第一に願っているので、家名はケッセルリンクにすると前々から俺達の間では決めていたのである。

 

「ナーリッツも構わねぇのか?」

 

「はい、自分は身分の低い農民出身なので家名はこだわりません」

 

「そうか……貴族になりたいという思いは分かった。しかもそれが幼馴染と重婚するためにとはな。別に貴族でなくても冒険者として成功しても重婚くらい皆目をつむると思うけどな」

 

 まぁなるからには爵位くらい持っておきたいじゃん。

 

 その後デーニッツさんと俺達が使える魔法とかについての雑談を行い、そうこうしていると残党狩りも終わったらしく、周囲で勝鬨が上がっていた。

 

「さてと、町に凱旋するぞ。悪いが演出の手伝いをしてくれ」

 

「演出ですか」

 

「炎の魔法で火球を空で爆ぜさせる……まぁ花火だな。それを軍が町に戻るのに合わせて演出するから手伝ってくれ」

 

「……はい」

 

 どうしても数の多い軍を強く見せる必要があるらしく、軍に花を持たせるために、魔法使い達は凱旋の演出に駆り出されるのであった。

 

 

 

 

 

 そのまま俺、メアリー、シュネ、アキの4人はデーニッツさんに連れられて、冒険者としての格好のまま、辺境伯様の屋敷に上がり、デーニッツさんと一緒に辺境伯様が居る部屋へと入るのであった。

 

 謁見の間と思われる場所に入ると、大理石と思われる床に赤い絨毯が敷かれ、正面に1段高くなった場所に、着飾った優しそうなおじさんが立派な椅子に座っていた。

 

 横には息子さんと思われる青年が座っており、こちらを見ている。

 

「正面がお館様のフォーグライン辺境伯、横に座っているのが次男のフレデリック様だ」

 

 デーニッツさんから小声で辺境伯様を紹介され、俺達は片膝を立てて頭を下げる。

 

 日本の土下座と同じく、この世界での目上の者に対してする礼儀の姿勢である。

 

「デーニッツ。この者達が我が辺境伯領の危機を救った小さき英雄達であると」

 

「はい、彼らがアンデッドドラゴンを討伐し、その後アンデッドの群れの大部分を消滅させ、首謀者を討伐しました」

 

 デーニッツさんから合図を送られると、俺は異空間からアンデッドドラゴンの魔石と首謀者の首を前に置かれている台の上に置いた。

 

「実に巨大な魔石……確かに竜の魔石の大きさであるな。よくやったぞ」

 

「は!」

 

「褒美は後ほど与えるとする。今は特別にこの屋敷で英気を養うことを許そう。フレデリック。彼ら英雄達を案内しなさい」

 

「は!」

 

 俺達は辺境伯の次男であるフレデリック様に案内されて別室に移動することになるのだった。

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