転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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フレン・フォン・マングローブ 下

「おぉおお!?」

 

 翌日、ナーリッツ様達の家臣になったうちらは宿を引き払ってケッセルリンク家の屋敷に住むことになった。

 

 まぁ広い。

 

 田舎にある実家も地方領主だったから砦のような屋敷に住んでいたけれども、ケッセルリンク家の屋敷はそれ以上にデカいし、外観だけでも住みやすそうである。

 

 正門を通り過ぎて、屋敷と塔がそびえ立っている。

 

 案内してくれるアキーニャ曰く、塔は彼女のアトリエらしい。

 

 何を作っているのか聞くと、彼女は錬金術師でもあるらしく、教会から認められている証拠に薬師としてのバッジを見せてくれた。

 

 ただ薬師ギルドに所属しているわけでは無いから自分達で使う分しか製造していないらしいがな。

 

 うちらクラスメイト達が屋敷に入ると、外観だけでなく中も広いことがよくわかった。

 

 家の中に風呂場が2カ所あるってどんな豪邸や。

 

 本来は家臣と家主家族に分かれた風呂場らしいんやが、男女別に入るようにするらしい。

 

 まぁうちらの立場もあるし、庶民みたいに混浴するといらぬ疑いをかけられる場合があるから仕方ないわな。

 

 部屋は2階で、2人1部屋になるらしい。

 

 うちの相部屋相手はナーリッツパーティーに所属していなかったクラスメイト8人の女子2人。

 

 うちともう1人っちゅうことになるな。

 

 その子の名前はホワイト・アブロッサムっちゅう辺境伯様から見たら陪臣の娘やな。

 

 家臣の家臣のことを陪臣っちゅうけど、ホワイトはマンシュタインみたいな辺境伯重臣の子供やスターやマリーみたいに家臣筋の子と比べでも更に低い身分になる。

 

 あんまり家では養えないから冒険者になるため予備校に通っていたらしいけど、本人は凄く大人しくて正直冒険者には向いてないようにうちは思えるんよな。

 

「よろしくなホワイト」

 

「よろしくお願いしますフレンさん」

 

「さん付けせんでええで、同じケッセルリンク家の家臣になったんやし、クラスメイトやろ。呼び捨てで構わへん」

 

「口癖みたいなものでして……なるべく頑張って呼び捨てするようにしますけど、無意識でさん付けしたらすみません」

 

「まぁええけど」

 

 荷物を置いて、部屋の中を確認するけど、ナーリッツ様達が結構揃えてくれはったっぽいな。

 

 元々備え付けられていたかも知れんが、ベッドにはふかふかのマットレスの上に上質な布で作られた布団が乗っかっていて、そこにシーツで全体を包んではるな。

 

 その上に毛布が厚手と薄手のが2枚ベッドの上に畳まれて置かれている。

 

 これもゴワゴワしたうちの実家や安宿で使っていた様な物じゃなくて、柔らかくてふかふかしとる。

 

 さわり心地も良い。

 

 こりゃぐっすり眠り過ぎて寝坊せんようにしなきゃあかんな。

 

 クローゼットもちゃんとうちとホワイトの領域が分かれていて、ごっちゃにならんようになっているし、勉強できるようにか、机とテーブルが両壁際に2組み置かれとる。

 

 持ち込んだ私物の自分の収納スペースにしまって、寛いでいると、隣の部屋に住むことになった男子がドアをノックしてから入ってきて、夕食を食べるから降りてこいとのこと。

 

 うちとホワイトも食堂に向かうと、テーブルの上にご馳走が置かれていた。

 

 嗅いだことの無いいい匂いをしたステーキに柔らかそうな白パン、琥珀色のスープ、人参を千切りにしたサラダ。

 

 他にジャムやはちみつが入った小さな壺がテーブルに置かれていた。

 

 各々席に座ると家長であるナーリッツ様が食事の挨拶をしてくれる。

 

 客人が居ない時はなるべく家臣の皆と食べたいと言った後に神に感謝をと食べる前の挨拶をしてから食事を開始する。

 

 食べてみるが、どの料理も滅茶苦茶美味しい。

 

 黒いソース(醤油ベースの和風ソース)のかかったみじん切りにし、炒められた玉ねぎがまぶされたステーキ(シャリアピンステーキ)は恐らく牛肉……いや? 牛の魔物か? 

 

 ちょっとどの肉かの自信が無いが、少し噛んだだけでちぎれるほど柔らかく、ソースのすっきりとした味わいで、パンとの相性が抜群。

 

 口の中が脂っぽくなってきたらスープを一口飲む。

 

 すると濃厚な味わいで野菜や肉の姿は見えないのに、複数の食材が混ざり合ったような複雑なのに、高い調和をした味がする。(コンソメスープ)

 

 キャロットサラダは酢が効いていて、ステーキの脂っぽさを打ち消してくれる。

 

 あっという間にうちの皿から料理が消えて大満足。

 

 食後には山葡萄で作られたジュースも出てきて、これも美味しかった。

 

「さて、皆の食事も終わったようだし、この家でのルールを言っていこうか」

 

 ナーリッツ様は屋敷の4階はケッセルリンク家のプライベートスペースなので、掃除や用事がある時以外は入らないようにすること、家臣用のトイレは2階をなるべく使うこと、夕食後2時間以降からは大きな音は出さないようにすることなどの共同生活する上でのルールを言われていく。

 

 その後、うち達予備校に通っている組だけが広間に呼ばれてナーリッツ様達から魔力を急激に成長させるやり方があると言われて、やり方を説明された。

 

 それはアキーニャが作った特殊な魔力回復ポーションを飲んで、魔力を使用と回復を繰り返すやり方で、運が良ければ1年とかからず魔力が伸びにくくなる成長の鈍化地点まで魔力を高めることができるらしい。

 

 メアリー曰くそこまでいけば普通の魔法使いが20年かけて鍛錬することを短縮することができるので、その分魔力を効率的に使用したりする方向に訓練をシフトすることができると説明された。

 

「なるほど……それがアキーニャ様達の強さの秘訣か」

 

 そんな高性能なポーションが大量に用意できるとなれば、市場が崩壊するし、恨みも買うだろうから、家臣になった私らにしか説明しない感じか。

 

 よっしゃあやったるで! 

 

 見てろよ! ナーリッツ様よりも強くなってるからな! 

 

 

 

 

 

 

 

「うっぷ……凄い濃厚……」

 

 効率よく魔力を空にするトレーニング方法を教えてもらったんやけど、滅茶苦茶ポーションの味が濃い。

 

 不味いわけやないけど、胃もたれ確実やな。

 

 うちは治癒魔法が得意やないから、同室のホワイトに胃もたれを治してもらっているけど、1日できて20回やな。

 

 スターとマリーはこれを1日40回やってるって聞いてバケモンやと思ったけど、ナーリッツ様達からも10回程度でも普通の人の10倍のトレーニングにはなると言われたので、頑張ってその倍やる。

 

 というかこの効能のポーション……市販で買うとしたら白金貨数枚はするんやなかろうか。

 

 材料も怖くて聞けん。

 

 でも活躍できる様になれば、給金も上がるし、冒険者として魔物を効率的に狩れれば、給金以外での収入にもなる! 

 

 くうぅ! 

 

 頑張ればうちは薔薇色な未来が待ってるんや! 

 

 気合入れて頑張るでぇ! 

 

 なお、うちはアキーニャから家臣メンバーの中で錬金術師の才能があると言われて、アキーニャの助手的な立場になり、ポーションの材料や日常的に錬金術に使われる素材がワイバーンを使っていると知って、驚愕することになるのだが、それは少し先の話やね。

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