転生の間にも三年【異世界で成り上がる予定なので美少女達と事前準備(意味深)しまくります】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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地竜討伐 中

 偵察と言ってもやることは普段の狩りと大きくは変わらない。

 

 まぁ周囲の地形を把握して、地竜が居ると思われる位置を割り出すことがな? 

 

「じゃあアキちょっと手伝ってくれ」

 

「はーい!」

 

 アキが巨大化して大熊へと変化する。

 

「ほぉ、変身の魔法か! ずいぶんと珍しい魔法を使えるな」

 

 デーニッツさんが感心していたので、他にも変身の魔法を使える人がいるのか聞くと、ごく少数いるらしい。

 

 ただそういう魔法は顔や体型を少し変えて、別人に見せる程度で、印象を変えることで諜報活動をしたりするのに使われるらしく、アキみたいに変身することで戦闘能力が上がるタイプは更に珍しいらしい。

 

「過去にはドラゴンに変身することができた竜人の英雄も居たらしいが、それに近いな。しっかし3メートル超えの大熊か。まだ大きくなれそうか?」

 

「絶賛成長期なんで、変身前の身長は全然伸びないけど、変身後の身長はガンガン伸びてます。そのうち5メートルくらいにはなるんじゃないかな?」

 

「そこまでいったら魔物と変わらねぇじゃないか。あんまり人前では変身すんじゃねぇぞ。怖がられたり、魔物と間違われて攻撃されっぞ」

 

「気をつけまーす」

 

 俺はアキに乗って空間魔法と探知魔法を駆使して地竜の生息地の外周を巡って、どれくらいの魔物が居るかや周辺の地形把握をしてくると言って飛び出して行った。

 

 本来は飛行しながらやるのであるが、上空で魔物と戦闘しながらだと精度が落ちるので、地上を素早く移動できるアキに乗りながらやることにした。

 

「じゃあアキ頼むわ」

 

「了解」

 

 アキは四足歩行になると、ドスドスと音を立てて移動を開始した。

 

 身体強化もしているためか、時速100キロくらいは出てるんじゃねぇかな? 

 

 俺は探知魔法と空間魔法を組み合わせた索敵で半径20キロの地形や魔物を確認していく。

 

「ここの周囲には地竜は居ねぇな……アキ、もっと飛ばしてくれ」

 

「はーい!」

 

 魔物の反応はビンビン感じるが、デーニッツさんが言っていた様に大物の反応はほぼ無い。

 

 うちの地元の村近くが魔境だっただけかもしれない。

 

 ここだとブラッディベアクラスの反応も20キロ範囲で5頭居ればいい方なほどで、殆どはゴブリンとかオーク、オオカミを魔物化したような奴がぼちぼち。

 

 カラスやスズメを凶悪にした様な魔物が大量にいる感じ。

 

 空を飛んでいたらどうなるかと言うのも少し試してみたが、スズメの様な魔物が弾丸の様に飛んでくる。

 

 魔法障壁に当たると、自身で突っ込んできたのに、肉体が爆ぜて血や肉を周囲にまき散らす。

 

 そんなのが分間30羽近く飛んでくるので、魔法障壁を常時展開していないと危険である。

 

 そりゃ空を飛ぶなって言うわ。

 

 外周約180キロを2時間でぐるりと回ってみた結果、外周部に俺達の脅威になりそうな魔物や目的の地竜の姿は確認できなった。

 

 まぁ偵察だからな。

 

 そんなに深入りしなくていいだろう。

 

 ただ雑魚とはいえ魔物の数はぼちぼちと言っても数千体以上居る。

 

 地竜を討伐した後に狩るとなるとちょっと面倒くさいな。

 

 魔物の領域だけ焼き尽くして……てのはダメかな……。

 

「アキありがとうな」

 

「どういたしまして」

 

 アキと1周して戻ってくると、デーニッツさん、メアリー、シュネの3人の姿が拠点に無かった。

 

 探知魔法で気配を探した結果、彼らも魔物領域に少し入って探索しているっぽい。

 

 拠点から10キロ地点にいるのを空間魔法で見つけた。

 

 すると念話が俺に届き、魔物狩ったから運ぶの手伝ってほしいと言われたので、アキと一緒に俺達も魔物の領域に入ることに。

 

 デーニッツさん達が進んだ場所は木々が切り倒されていたり、段差が埋められていたりして、歩きやすくなっていたので助かる。

 

 20分ほどでデーニッツさん達と合流すると、山積みになっている魔物がそこに居た。

 

「殲滅能力が高いのは分かっていたが、獲物を綺麗に狩るっていうのもお前ら長けているんだな。メアリーとシュネの嬢ちゃん方を連れて来たけど、的確に急所を攻撃して、年の割には上手だったぜ」

 

 メアリーとシュネがデーニッツさんに褒められていたが、2人曰く、デーニッツさんは年の功というか、冒険者をやってきたり、魔法使いの年季が段違いで、最少の魔力で的確に魔物の頭や首にエアカッターという魔法で傷をつけて、即死させるを繰り返していたらしい。

 

「まぁこの程度の魔物はこれくらい低威力の魔法でも場所さえ良ければ倒せるからな」

 

 デーニッツさんから言わせれば、まだメアリーもシュネも大雑把らしい。

 

「良かったぜ、教えられそうな所があって。それも完璧だったら俺の立つ瀬がなくなっちまうからな」

 

 どうやらデーニッツさんは俺達を次期辺境伯のお抱え魔法使いの長にしたいらしい。

 

 その時に何も教えてないだと周りから舐められてしまうし、デーニッツさんに今習っているお弟子さん達の評価も下がってしまうので、少しでいいからデーニッツさんの下で指導を受けたという体裁が欲しいらしい。

 

「まぁお抱え魔法使いとして近くで囲うのか、それとも領地経営に積極的に携わらせるのか……坊主達の使い方はお館様が決められるがな」

 

 俺は積み上がっていた魔物の亡骸を空間魔法で回収し、そのまま拠点へと戻る。

 

 そして先程回収した魔物を取り出して、解体作業をしていく。

 

 ゴブリンとかの肉も不味く、食える場所がほぼないような魔物は指の第一関節程度の小さな魔石だけ回収し、残った残骸はアキが即席で作った土鍋に入れて錬成していく。

 

「おいおい、アキーニャの嬢ちゃん、本物の錬金術師だったのか……多才だな」

 

 デーニッツさんも感心していたが、本物の錬金術師は本当に珍しいらしい。

 

 デーニッツさんの50年近くの人生でも会った事は5人だけで、その殆どがひっそりと暮らしていたらしい。

 

「町で錬金術師を名乗るのはだいたい詐欺師だからな。でもどこで錬金術の技術を知ったんだ? 嬢ちゃん達の村に居たのか?」

 

「いや? 独学ですよ」

 

 アキの答えにデーニッツさんは本物以前にガチの天才じゃねぇかと驚いていた。

 

 まぁアキの場合神の間で基礎を覚えて、あとはインスピレーションでなんとかなるらしい。

 

 うん、それでも天才だな。

 

 アキの鍋に次々と食えない魔物の残骸を入れていき、煮込むと真っ赤に光るハート型の宝石の様な物ができた。

 

 大きさは拳大ほどである。

 

「じゃじゃーん、賢者の石!」

 

「マジか!」

 

 デーニッツさんが驚愕の表情を浮かべる。

 

 賢者の石といえば万物の代用品と成り得ると言われる物質である。

 

 それができたらデーニッツさんも驚くわな。

 

「生憎、この素材ではそこまで万物の代用品とはなり得ないんだけどね。まぁ素材を良くしていけば、あらゆる病に効く薬とかも作れるけど」

 

「それでバイパー様の病治せるんじゃないのか?」

 

「正直に言うと治せる自信はあるけど、錬金術師が作った薬を信用できる?」

 

「……難しいな」

 

「なので一応地竜倒したら一部素材で、私もバイパー様の治療薬を作ってみるけど、本職の薬剤師が作った方が周りも安心だと思うから……ね」

 

「悪いな」

 

「しゃーないですよ、デーニッツさん。錬金術師が色眼鏡で見られるのは仕方がないことですから」

 

 とはいえ、じゃあこの賢者の石は何に使えるかと言うと、アキが生み出すゴーレムの強化パーツである。

 

 ゴーレムのコアとしてワイバーンの魔石を改造した物をアキは幾つも作って、俺の異空間に保管しているが、この賢者の石もどきを使うとより人に近い形の強力なゴーレムを生み出すことができるらしい。

 

「地竜戦で使えるかもしれないので、用意しておきますね」

 

 アキはそれから魔物の残骸で100個ほど賢者の石もどきを作り出し、食える魔物は綺麗に肉や可食部位を分解して、一部はこの日の夕食として俺達の胃袋に入るのだった。

 

 

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