ジルクニフは満足していた
クリスとの作戦通りラナー王女の亡命を終え
王国に旅立ったクリスに文も送った
帝国の力となる戦力は着々と集まってきている
法国との協力関係も繋げたしこの調子でいけばアインズという
プレイヤーとも良い交渉ができるのではないか
そのように考えていた
ジルクニフは笑顔で紅茶を飲みながら
ふと書類の山の横にある郵便物の一番上を見た
そしてその書状を見て紅茶を噎せそうになった
そこには送り先にその魔法使いの名前が書かれていた
ジルクニフはその封筒を急いで開き読んだ
アインズ・ウール・ゴウン魔道国の設立と同盟の誘いが入っていた
ジルクニフは真剣な顔でそれを見る
あのプレイヤー自分の国を作ったのか
ということはそのプレイヤーだけではなく多くの仲間も存在するということだ
やはりあの新たに現れた墳墓が拠点か
ジルクニフは思ったよりも相手が強大な力を持っている可能性に苦い顔をした
しかしいきなり同盟とはなにを考えている
普通まずは接触を試みて相手を確認するはずだ
ジルクニフは気づいた
違う、確認する必要がないんだ
魔道国の諜報か帝国内部の人間かは分からないが帝国の情報が魔道国に
流れているのではないか
これはまずい
もし最悪上層部しか知らないクリスの情報が洩れたら
ジルクニフは冷や汗をかき、急いで、情報を流している者の捜索と
どこまで情報が漏れたのかの確認を命じた
同盟はどう対応するか
ジルクニフはしばらく悩んだが、同盟を成立させることに決めた
それはアインズのプレイヤーとしての力が強いと聞いていても未知数であること
同盟を通してアインズの情報を収集しようと考えたのだ
そして手紙の返信には魔道国の設立の祝賀と同盟の承諾
皇族との面会については皇帝である自分が向かうことを書いたのだった
王国のラナー王女やクリスの情報を今知られるのはまずい
ジルクニフは胃が痛くなる感覚とともに魔道国に返事を送ったのだった
そしてもう一件、魔道国とは別の手紙をちらりと見る
それは最近クリスが協力関係を結んできたスレイン法国からの手紙であった
内容はもう一度クリスに法国に訪問してほしいとの催促
クリスに手伝ってほしい依頼があるということ
そしてここが問題なのだが皇女クリスとの婚約の打診である
相手は法国で漆黒聖典といわれる部隊の隊長を務めている人物だという
「次から次に……」
ジルクニフは無難に断りの返事をだそうとした。
しかし、ジルクニフの手が止まる
「いや、待てよ」
もし魔道国との交渉が上手くいかなかった場合を考えると返事をだすのは時期尚早か
ジルクニフは少し考え、手紙の返事を保留にした。
そして、山のような書類を見て溜息をつくのだった。