オーバーロードからは逃げられない     作:うさぎ777

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白金の竜王の協力

 

クリスが振り向くと白金の鎧の男がいた

 

鎧の周りには武器が浮いており

 

凄まじいオーラを放っている

 

クリスはその異質な存在に冷や汗を流しながらも

 

その男の情報を探るために口を開いた

 

「これは・・伝承に伝わる英雄様じゃないですか。わたしになにか用ですか?」

 

その白金の鎧は慎重な口調で答えた

 

「わたしは十三英雄が一人リクアガネイア」

 

「今の君の行動を見ていた」

 

「新たな脅威が迫る中、君の力が必要だ」

 

「一緒に協力してほしい」

 

クリスは内心動揺しながらも言った

 

「なにを言い出すかと思えば、わたしはただのモンクですよ。

 

 英雄様の手伝いなんて務まりません」

 

すると白金の鎧は言った

 

「隠さなくてもいい、きみはプレイヤーだろう」

 

クリスは仮面の下で顔が歪みながらも答えた

 

「プレイヤー?わたしは御覧の通りモンクですけど」

 

白金の鎧は厳かな声で言った

 

「ごまかすのは止めにしようじゃないか、それに君は

 

 ワールドアイテムを持っているね」

 

クリスはその言葉に目を見開きその瞬間、影移動を作動し逃げた

 

なんで・・

 

なんであいつが知っているんだ

 

建物の影を伝い街はずれの木陰まで来てようやく影から出ようとしたとき

 

そこに白金の鎧がたたずんでいた

 

「待ちなさい」

 

「君に危害を加える気はない」

 

「わたしは話を聞きたいだけだ」

 

クリスは焦り叫ぶ

 

「話すことなんてない!」

 

クリスは影分身を使い白金の鎧に差し向けている間に

 

影移動を使おうとした

 

それを見た白金の鎧が

 

「致し方ないか」と呟き

 

世界隔離結界を使った

 

「それなら力づくで拘束させてもらおう」

 

白金の鎧から凄まじい勢いで槍や大剣が飛んでくる

 

影分身はそれに当たり消滅し、クリスはそれを必死に回避する

 

避けながら逃げようとするが

 

謎の透明ななにかが張られていて逃げられない

 

クリスは切り札の招喚を発動する

 

「月兎!」

 

白金の鎧に月兎の衝撃波が炸裂した

 

しかし白金の鎧は衝撃波を受けながら駆け出して

 

月兎を大剣で吹き飛ばした

 

「月兎!うそだろ、おまえ生き物じゃない・・中身が空っぽなのか」

 

白金の鎧が歩いて近づいてくる

 

「そうか・・操作されているんだな」

 

クリスの首に刀が突き付けられた

 

白金の鎧が言った

 

「すべて話してもらおうか」

 

クリスは観念しそっと頷いたのだった

 

 

 

 

「まず最初に名前は?」

 

クリスは不機嫌そうな声で言った

 

「スーだ、冒険者のスー」

 

白金の鎧は言う

 

「そうじゃない、プレイヤーの名前だ」

 

クリスは白金の鎧を睨み言った

 

「・・・うさぎだ」

 

それから白金の鎧にここへ来た経緯や出身ギルドや所属、

 

どのような力を持っているのかを聞かれた

 

うさぎは気が付いたらここの世界に来ていたこと

 

月のうさぎギルド長をしていたこと

 

錬金術士で薬を作っていたことを話した

 

白金の鎧はそこまで聞き言った

 

「なるほど、それ故先ほど黒いポーションを持っていたのか」

 

「そもそもなぜ君はあのとき黒いポーションを渡したんだ」

 

「あのポーションはこの世界にはないものだ。それでプレイヤーとばれる危険をおかして

 

 まで渡す必要があったのか?」

 

うさぎは答えた

 

「それは・・わたしの信条が助けられる命は助けるだからだ」

 

「初対面のおまえには分からないだろうがな。わたしには譲れないものがある」

 

 

 

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 回想 前世の現実世界

 

 うさぎが子供のころ、母親が薬を得るのにも苦労していたのを覚えている

 お金があるとかないとか関係ない。必要な人が必要な治療を受けられるようにしたい

 救える命を救いたい

 うさぎはその影響で薬学の道を目指すこととなった

 幸いなことにうさぎには薬の才能がありついにある薬の研究者として有名になった

 しかし、待っていたのはアーコロジー内の富裕層に囲いこまれ薬を作る日々だった

 効果がある薬を作っても貧しいものは十分に医者にもかかれない

 わたしは貧富なんて関係ない、苦しんでいる人を助けるためにこの薬を研究したのに、

 その薬は本当に必要とされる者には届かない

 その現実と理想の違いにわたしは苦しんだ

 そのとき出会ったのがDMMO-RPGユグドラシルだ

 ユグドラシルでわたしは現実との差を埋めるように薬の開発を続け

 必要なものにその薬を分け与えた

 それが少しだけ、わたしの心を癒してくれていた

 

 ある日、研究所から出て道を歩いていると道端で倒れている男が見えた

 サラリーマン風の男で、他の通行人は見ないようにその場を避けて歩いていた

 わたしはその男に近づいて、息をしているか確認した

 そして全身を見ていたところ、男が意識を取り戻した

 「あ・・お、俺行かなきゃ」

 男は仕事だからとふらふらしながら立ち上がろうとする

 わたしは眉を顰め、男を強引に自分の研究室まで連れていき自分専用の宿直用ベッドに

 寝かせた。

 そして薬を飲ませ看病した。

 数時間後、男は幸いなことに回復した

 その男は感謝しお礼をしたいと言ったが、わたしは必要ないと帰らせた

 結局男は鈴木という名前と電話番号の紙を私の手に押し付けお礼をすると言い

 営業の仕事に戻ると急いで出ていった

 わたしはその日から少しだけ心が軽くなった

 その男にはそれ以降会っていない

 しかし今もその男に少し感謝している、あの日出会えたことを

 

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 白金の鎧は言った

 

「もう一つ聞きたいことがある、君はアインズというプレイヤーと

 

 関わりはあるのか?」

 

うさぎはその言葉に動揺する

 

白金の鎧はその反応に言う

 

「あるんだな」

 

うさぎはおずおずと答える

 

「追われている」

 

白金の鎧はしばらく黙っていたが追及した

 

「なぜ追われている。ワールドアイテム関係か?」

 

うさぎはそれを聞いて言った

 

「いや、違う。アインズはそのことについて知らない。

 

 正直なぜかというと分からないんだ。昔少し関わりがあっただけなのに・・」

 

うさぎは震え出した

 

白金の鎧はそれを見て焦る

 

「だ・・大丈夫か」

 

うさぎはブチ切れた声で言った

 

「大丈夫じゃない!すごい形相で迫ってきたんだ!!」

 

「なんなんだあいつ!」

 

白金の鎧は少し引きながらその話を聞いていた

 

うさぎはすさまじい勢いで言った

 

「なあ!リクアガネイア!」

 

白金の鎧は引き気味に答えた

 

「な・・・なんだ」

 

うさぎは懐から黒いポーションと取り出し差し伸べ言った

 

「これをおまえにやる!おまえの世界を守るというのにも協力しよう!」

 

「そのかわり、王都にいる間アインズからわたしを守ってくれないか!」

 

白金の鎧はそれを見て、しばらく黙り静かに了承した

 

「わかった、わたしもそのアインズとやらの情報を集めたいからな

 

 しかしその代わりこの件が終わったらワールドアイテムの情報も教えてもらう」

 

うさぎは動揺したが、情報だけならと了承した

 

そしてうさぎは白金の鎧と別れ帰路につくのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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