ラナー王女はクリスの誘いでバハルス帝国に亡命できたことに満足していた
そこに、扉を開けてジルクニフが現れた
ラナー王女はカーテンシーをして出迎える
帝国についてから、ジルクニフには一度会っていた
ジルクニフはラナー王女に包みに包まれた薬を渡した
「クリスからだ」
ラナー王女はそれを見つめたあと頷き、クライムと共にそれを飲む
すると、身体から光があふれ暖かな感触に包まれる
ラナー王女はやっと自分の願いを叶えられたことに笑みを浮かべた
ジルクニフがそれを見て言った
「その薬の効力は1か月。1か月後にまた薬を渡すとのことだ」
ラナー王女は悟ったように目線を下げ笑みをゆがめた
まだ、クリスティーヌ様にわたしは信用されていないのね
そして顔をあげ自然な笑顔で笑った
「ご配慮感謝しますわ」
「ところでクリスティーヌ皇女殿下はどちらにいらっしゃるのでしょうか?」
ジルクニフは顔を固くしながら答えた
「なぜそんなことを聞く」
ラナー王女は笑顔で答えた
「クリスティーヌ皇女殿下に感謝をお伝えしたいからです」
ジルクニフは面倒そうに言った
「クリスはいま外にでている。可能であれば伝えておこう」
ラナー王女は驚いた表情を浮かべ言った
「クリスティーヌ様は……もしかしてリエスティーゼ王国に行かれたのですか」
ジルクニフは警戒したように言う
「なぜリエスティーゼ王国だと分かった」
ラナー王女は楽しそうに笑って言った
「今リエスティーゼ王国はアインズという者に侵略されているでしょうから」
「プレイヤーであるクリスティーヌ皇女殿下が偵察に行ったとしても不思議ではありません」
ジルクニフはフールーダの報告を思い出し苦い顔をする
赤いスーツを着た男だったか
それを見たラナー王女は言う
「クリスティーヌ皇女殿下を今すぐ呼び戻したほうがよろしいのではないですか?」
「あのアインズというものが狙っているのが皇女殿下だとしたら大変です」
「場合によってはどこかに避難を」
ジルクニフは渋い顔で話を遮った
「分かっている。わたしは止めたがクリスが約束があるからと言い
出ていってしまったのだ」
「伝令をだすから、おまえは余計なことを考えず大人しくしていろ」
そして急いで部屋をでていった
クライムが心配そうにラナーを覗き込む
「ラナー様……」
ラナーはそれに笑顔を向けて答える
「クライム、大丈夫よ」
そして考え込んだ顔で窓の外を見た
これでクリスティーヌ様に少しは恩を返せたかしら
鮮血帝は……やはりだめね。行動が遅いわ。
もし間に合わなかったら……
彼女がいなければわたしのクライムと永遠にいることもできなくなる
それに、恩人をわたしの光をこれ以上危険な目には合わせられない
ラナー王女は貰った包み紙を見ながら静かに考えを巡らせるのだった。