ジルクニフはナザリックに向かう前自室で準備をしていた
結局帝国の情報を流したものはいまだ見つかっていない。
ふとクリスのことを思いながら、ひとつの薬と道具を懐から取り出した。
それは、クリスが王国出発前にジルクニフに渡してきた薬であった。
それはクリスに留守にする間に飲んでおけと言われた不死の薬であった。
ジルクニフはようやく決意を決めるとその薬を飲み干した。
そしてもう一つ腕につけられているブレスレットを見た。
一見黒の目立たないブレスレットである。
しかしこちらは誰かから危害をくわえられそうになったときに3回防ぐという代物であった
ジルクニフはそのブレスレットを見て、今後のことを思い溜息を吐くのだった。
ジルクニフはナザリックへ四騎士とフールーダとともに馬車で到着した。
ナザリックには歓迎を受けてからアインズのもとに案内された。
巨大な亀裂の裂け目を通り、立派な扉を抜けると豪華絢爛な部屋に通された。
しかしもはやジルクニフには部屋を気にしている余裕はなかった
奥へと向かう間にもジルクニフは緊張に身を固くし思考を回転させる
クリスから話には聞いていたアインズという強大な存在
それに加えアインズを取り囲む通常の人間とはかけ離れた異形の姿から
思ったよりもとてつもない力に頭が痛くなる。
情報収集目的とはいえとんでもない存在と同盟を結んでしまったと感じ
無事帰れるか分からない状態に内心冷や汗をかいた
奥には異形の部下たちに囲まれて王座にアインズが座っていた。
王座まで到着したところ黒髪の美女が、アインズに話した。
「アインズ様、バハルス帝国皇帝ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクスがお目通り願いたいとのことです」
アインズはジルクニフに話しかけてきた。
「よくこられた。ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクス殿。わたしはこのアインズ・ウール・ゴウン魔道国の王アインズ・ウール・ゴウン」
ジルクニフはアインズを見て慎重に言った。
「壮大な歓迎をしていただき感謝する。アインズ・ウール・ゴウン殿」
「わたしのことはジルクニフと呼んでほしい」
アインズはジルクニフをじっと見て言った。
「承知した。ジルクニフ殿」
「こちらこそ、同盟を引き受けてもらったことに感謝の意を送ろう」
「ところで、今回訪問していただいた目的について話しておこう」
「わたしたちは今同盟国として手を結ぶこととなった」
「そこで提案なのだが、貴国と技術交流を行いたい」
ジルクニフはそれを聞きふと思った。
この技術交流で情報を多く収集できるかもしれない
笑顔で答えた。
「それは、素晴らしいですね」
アインズに満足そうな表情で言われた
「それでは、貴国で才能が高いといわれている皇女クリスティーヌ殿下に来ていただきたいと思っている」
「まずは彼女との面会を願いたい」
「ところで今回は彼女は来られなかったようだが、いかがしたかな?」
ジルクニフはそれを聞き内心驚き、無意識に顔を歪ませた
この同盟はクリスが目的だったか
これはまずい
クリスだけはなんとしても守らなければ
そう思いアインズに笑顔を作り答えた
「彼女は少し病気でして、それに技術交流には向かないと思います」
それを聞いた途端アインズから黒いオーラが立っているように感じられ
ジルクニフは内心身を震わながらも冷静な顔を作る
その後ジルクニフは、アインズにゆっくりと圧をかけるように言われた
「ほう、それは大変だ。それでは見舞いも兼ねて貴国に訪問させてもらおう」
「謙遜などしなくても良い。彼女はとても才能に長けていると聞いているからな」
ジルクニフはそれを聞き、なんとか断ろうとしたが、周りの部下たちから殺気だった視線を向けられる。
さらにアインズに遮られるように言われた
「それでは、ジルクニフ殿せっかくの訪問だ。わたしからの歓迎に食事を用意している。受け取ってほしい」
そしてメイドにジルクニフたちは追い出されるように部屋を後にした
クリスを早急に逃がす方法を考えねば
クリスを思いジルクニフはすぐにでも帰ることにした
そして接待を断りすぐにジルクニフたちはナザリックを去るのであった。