転生先がクリス皇女、彼女が冒険者として使っていた名前がスーです
スーは白金の鎧に抱えられ帝都の近くにまで来ていた
「助けてくれてありがとう。それにここまで連れてきてくれて」
「いや、アインズから守るというのがきみと交わした約束だからね。
そういえば追ってはこないようだ」
スーはガントレットを外して認識阻害の指輪を見せる
「わたしには認識阻害のアイテムがあるから」
「そうか、それは便利だな」
そしてクリスはふと認識阻害の指輪をもらったモモンガについて考えた
モモンガさん・・あきらかに以前王都で会ったときよりも様子がおかしかった
そもそもなぜわたしにそんなに執着するんだ?
そこではっとした
もしかして・・モモンガさんこちらの世界では一人でとんできたのか!
だから寂しさで・・
しかしわたしになにかしてあげられることはないな
あえていえば精神安定の薬を渡すくらいだが
モモンガさんアンデットの鎮静化あるからいらないだろうしな
スーが考えこんでいると白金の鎧から声をかけられた
「そういえば、約束だったあのワールドアイテムについて説明してくれるかい」
「・・分かった」
スーはうなずいて説明をはじめた
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーー
ーーーー
白金の鎧は考え込むようなしぐさをし、スーに問いかける
「そのアイテムは他の者には話してないな」
スーは白金の鎧を見て答えた
「リクアガネイア以外には話していない」
白金の鎧はうさぎを見て言った
「リクでいい」
スーは呆気に取られて言った
「え・・でも・・わたしたち会ってそんなに経ってないし」
白金の鎧はスーを見つめて言った
「これから強力するんだ、名前で呼んでほしい」
スーはおずおずと照れたように話した
「そ・・そうか、リクよろしく頼む」
白金の鎧は続けて真剣に話す
「それよりも、きみを帝国に戻すのは危険かもしれない」
「あのプレイヤーはきみに相当執着しているようだ」
「わたしのところへ来ないか、そこならきみを保護することができる」
うさぎはそれに真剣な顔で答えた
「・・わるいがそれはできない」
「わたしはうさぎであるとともに帝国の皇女だ」
「帝国を、兄を守ることが私の仕事だ」
白金の鎧はしばらく沈黙していたがスーに手をまわしていた腕の力を
込めて言った
「すまないが、きみをあのプレイヤーのもとに行かせるわけにはいかない」
そして方向をかえて飛びだした
うさぎは驚いて、暴れる
「な・・なにをしているんだ、リク、どこへ行く」
白金の鎧は飛びながら言った
「うさぎ、分かってくれ」
「きみがつかまればこの世界が崩壊する可能性がある」
「きみを安全なところに保護するしかないのだ」
うさぎは暴れに暴れた。
「いやだ・・リク、やめてくれ!‥お兄様を置いて自分だけ安全な場所に逃げろというのか」
「やめ・・やめろ!!」
しかし白金の鎧の力は強く逃れられない
スーは咄嗟に流れ星の指輪に願った
「お兄さまのところに」
「帝国に戻して!!!!」
巨大な魔方陣が発生し光が包み込む
スーは白金の鎧の手から消えた
白金の竜王は驚いた
「なに・・・!?彼女は超位魔法も使えたのか」
「まずい彼女を追わなければ」
そして魔法の痕跡を追い、空から帝国の方へ急いで向かうのだった
クリスは光に包まれ帝国の自室に降り立った
「なんとか着けた・・」
「報告‥お兄さまのもとに行かないと」
クリスはよろよろと自室の扉を開けようとする
そこに窓から白金の鎧が入ってきて言った
「うさぎ・・待ちなさい」
クリスは振り返り顔を歪ませながら言った
「リク言ったはずだ。私はどこにも行かない」
「お兄さまを置いていくことはできない」
白金の鎧とうさぎが向かい合い、いまにも何か始まりそうになったその時
扉があいた
「クリス帰ってきているのか」
ジルクニフはクリスを見て、そして次に白金の鎧を見た
報告に聞いていたリクアガネイアか・・
そして白金の鎧に挨拶した
「クリスから聞いている、十三英雄のリクアガネイア殿だな」
「妹がお世話になったようだ、感謝する」
「少しクリスと共に聞いてもらいたいことがある」
「わたしの執務室に来てくれないか」
そうしてクリスと白金の鎧はジルクニフの執務室に移動した
「さて、アインズというプレイヤーのことなのだがな」
ジルクニフは魔道国からの書状を2人に見せながら言った
アインズが国をつくったこと、情報収集のため同盟を結んだこと
先日会ってアインズが強大な力を秘めていたこと
複数の強そうな部下がいたことをクリスと白金の鎧に説明した
クリスはそれを聞き怒った表情で言った
「なぜ・・なぜわたしに黙って行かれたのですか!」
「お兄さまはこの国の皇帝なのですよ」
「たとえ、お兄さまが死なないとしても危険です」
「なぜわたしを待ってくださらなかったのですか!」
クリスは怒ったような悲しそうな表情でジルクニフを見た
ジルクニフはそれを見て顔をしかめて言う
「おまえのことをあのプレイヤーに知られたら危険だからだ」
「たとえおまえが戻ってきたとしても、おまえの存在だけは隠さなけらばなかった」
ジルクニフは目線を2人に合わせた
「しかし・・・あのプレイヤーはおまえが・・いやちがうな」
「皇女クリスティーヌがプレイヤーのうさぎだと知っているようだった」
クリスは息をのんだ
ジルクニフは2人を見てスレイン法国からの書状を渡し話を続けた
「そこでこの書状だ、クリス法国に行け」
「あの国ならおまえを守る盾となるだろう」
クリスは荒げた声で言う
「お兄さまはどうするのですか!」
「わたしがこの国を離れたら帝国はどうするのです!」
ジルクニフは決意を秘めた目でクリスを見て静かに言った
「それは帝国の皇帝であるわたしが考えることだ」
「おまえも、おまえが作る薬も、あのプレイヤーに渡れば世界の崩壊につながる」
「帝国は私が何とかする。クリスティーヌ。今すぐ法国に向かえ」
沈黙を貫き一部始終を見ていた白金の鎧が話し出す
「すまない‥話を聞いていたのだが、彼女は不死の薬を生成できるのか?」
ジルクニフは白金の鎧を見て言った
「ああ、そうだ。だから余計にクリスを危険にはさらせない」
「英雄リクアガネイア殿、無理を承知で頼む。クリスと共に法国に向かってくれないか」
白金の鎧は、震えて顔をゆがめているクリスを見てから
ジルクニフに答えた
「分かった、彼女はわたしが守ろう」
ジルクニフは笑みを浮かべて言った
「感謝する」