うさぎがナザリックに到着してから一週間たつ
最初のころはモモンガの部屋に連れ去られ、常に一緒にいる生活を強いられた
そしてベッドで抱きしめられたときに貰った指輪を見られ流れ星の指輪を取られた
こんなもの必要ないですよね
その時のモモンガの怒ったような声を思い出し身震いする
モモンガと常に一緒にいるおかげかはわからないがナザリックでうさぎを知らないものはほとんどいない
ここは薬の研究も不自由なくできるし
モモンガは帝国に手を出さないという約束を守ると言っていた
自分がいる限りは安全が保障されているならと思い目を瞑り
うさぎは思ったよりもそこそこ充実した日々を送っていた
ある日、うさぎはモモンガに貴重な薬草が欲しいとお願いした。
モモンガはそれを聞き最初は薬草をある場所から取ってくると言ったが、
薬草に詳しくないモモンガには難しいと判断したうさぎは直接その場所に行くと伝えた。
モモンガは珍しく渋っていたが最終的に了承したのだった
うさぎはモモンガに案内されナザリックの宝物殿に向かっている
「いいですか?うさぎさんここからはその耳栓は取らないように」
「あ・・ああ」
うさぎはなぜ耳栓をつけさせれているか混乱していたが、恐らくモモンガに都合が悪い事情があるのだろうと了承した。
そしてうさぎはナザリックの宝物殿の管理を任せていたNPC、パンドラズ・アクターと
会うことになる。
「わっ、モモンガさん!?」
うさぎは宝物殿の扉が開いた途端にモモンガにさっと目隠しされた。
「も、モモンガ様! お久しぶりです! あなたの忠実なしもべパンドラズ・アクター、只今参上つ!」
宝物殿の扉が開くと、勢いよく敬礼しながら飛び出してきたのは、
ナチスドイツの軍服のような衣装を着た、顔のないマネキンのような男だった。
彼の話している言葉は、モモンガがかつて友人と遊んでいた時代の悪ノリで設定した、
わざとらしいドイツ語訛りの日本語だった。
「・・・パンドラズ・アクター」
モモンガは、内心盛大に顔を引きつらせた。
パンドラズ・アクターは、モモンガが唯一黒歴史と感じているNPCであったのだ。
「おや、そのお声はご不満げでいらっしゃいますか?
私の敬愛する創造主であるモモンガ様!
このパンドラズ・アクター、いつでも出撃可能です! 準備万端トゥットゥルー!」
「トゥットゥルー」ではない。モモンガは頭を抱えたくなった。
「あの・・・その話し方、もう少し普通にできないか?」
モモンガが恐る恐るたずねると、パンドラズ・アクターはきょとんとした様子
で首を傾げた。
「普通とはどのような? これはモモンガ様ご自身が最高のキャラクター設定だと絶賛していたものでは?」
「それは・・・その・・・若気の至りというか・・・」
モモンガはしどろもどろになった。
うさぎに知られたら、一生穴に入りたくなるほどの恥ずかしい設定だ。
「とにかく、そのトゥットゥルーは禁止だ。あと、ドイツ語訛りも抑えてくれ」
「了解いたしました、マイ・クリエイター!」
結局、パンドラズ・アクターはモモンガの指示に従いつつも、
時折飛び出す奇妙な英語で、モモンガに精神的苦痛を与え続けた。
こうして、パンドラズ・アクターとうさぎの出会いは、
モモンガの胃をキリキリと痛めることとなったのであった。