今日も今日とてクリスは冒険者スーとしてリ・エスティーゼ王国にきていた。
今のスーはしがないシルバーの冒険者である。
クリスは、エ・ランテルの街道を歩きながら、この国に来る前に帝国で行われた話し合いのことを思い返していた。
~回想~
ある日クリスはジルクニフの執務室に呼ばれた。そこでジルクニフと帝国4騎士、フールーダに囲まれながら話を聞くことになった。
ジルクニフから、最近リ・エスティーゼ王国のトブの大森林の近くで墳墓のようなものが現れたとの情報と
同時期にリ・エスティーゼ王国のカルネ村付近でとても強い魔法使いが現れ、その名を「アインズ・ウール・ゴウン」という情報を聞いた。
クリスはその話を聞いたとき、驚愕しその事実に青ざめた。自分以外のプレイヤーがおり、よりにもよってあの「アインズ・ウール・ゴウン」を名乗っている。
確実にあのギルドのいずれかの異形種プレイヤーがこの地に来てしまっているのではないかと思った。
ジルクニフはクリスのその表情を見て嫌な予感がした。
そしてクリスからの話を聞いて頭を抱えた。
それとは反対にそばにいたフールーダ、帝国一の魔法使いであり魔法狂いは、
プレイヤーの魔法使いが存在するかもしれないということを知り、目を輝かせてどこかに行こうとした。
嫌な予感がしたクリスが即座に眠らせて阻止したが。
ジルクニフのできるかぎりの頭脳がフル回転し動き出す。
現在この地にいたプレイヤーは六大神、八欲王、十三英雄である。
現在人間が大多数を占めるなかでプレイヤーであったクリスと同等かそれよりも強い力を持つ存在はかなり少ない。
もしそのギルドのプレイヤーが幸い温厚な性格であるならば早々と友好関係を築くことで帝国は安寧に暮らすことができるかもしれない。
ジルクニフは少し笑顔を浮かべた。
クリスはそれを見て、顔をしかめジルクニフにある提案をした。万が一のことを考え、法国や王国などに情報を共有し協力を仰ぐようにと。
確かにこの世界に出現したプレイヤーは皆人間の味方であった。しかし、クリスはユグドラシル時代のプレイヤーを知っている。必ずしも人間に味方してくれるような温厚な者たちばかりでない可能性もある。
ジルクニフはクリスの提案に少し驚いたが、考慮することにした。
それに加えてクリスに情報収集させるため、リ・エスティーゼ王国に駆り出した。
ジルクニフはクリスに墳墓の情報や「アインズ・ウール・ゴウン」という魔法使いの存在を調べてくるように命じた。
その間ジルクニフはクリスの提案に乗り、法国や王国などに情報を共有し協力を仰ぐように奔走したのだった。