ジルクニフはクリス達との話し合いが終わってすぐにスレイン法国に文を送った。
プレイヤーが出現した可能性であること。そのプレイヤーと友好関係を結べればよいが、人類の敵になるような存在だった場合は協力関係を築きたいことを文で送った。
そして、協力関係を築けるのなら自国の切り札を紹介するということも。
数日後スレイン法国からはすぐに了承の返事が届いた。
ジルクニフは日時をその者と調整し、スレイン法国に向かわせることを伝えた。
~法国サイド~
「帝国が接触してきたか」
現在6人の神官長が会議を行い、話し合っていた。
「先日のリ・エスティーゼ王国のカルネ村襲撃時に現れたアインズ・ウール・ゴウンという魔法使いの男。帝国の情報ではプレイヤーであるということだが、これは信じて良い情報なのか。」
「少なくとも帝国が嘘をついたとして利点はないとは思うが」
「しかし、どうするか。あのときの報告によれば最上位天使をも一撃で葬ったというではないか」
「あの魔法使いが強大な存在なのは間違いない」
「本当にあの魔法使いがプレイヤーだった場合敵対関係は避けたいが」
「帝国側も友好関係を結びたいとは書いてあるな」
「問題なのは人類の敵になった場合だ。帝国とは協力関係を築いておいたほうがよさそうだ」
「帝国の文に書いてある切り札とはなんなのだ」
「噂では帝国には超越者級の人物がいるとのこと」
「それはフールーダ・パラダイン殿ではないのか」
「かの御仁とは違うらしい」
「どちらにしても見極めなくてはならないな」
「それでは、帝国には了承の返事をだし、切り札となる人物を見極めるということで構わないな」
それぞれの神官長は頷き、スレイン法国はすぐに帝国に了承の手紙を送るのであった。
次に、ジルクニフはリ・エスティーゼ王国に文を送った。
しかし法国とは違い王国とは長年小競り合いをしてきた過去がある。
そのため、文にはプレイヤーが出現した可能性があること。そのプレイヤーと友好関係を結べればよいが、人類の敵になるような存在だった場合は今までの敵対関係を一時休戦したいことを文で送った。
2週間後、王国から返事が届いた。王国内で話し合ったが一時休戦はできないという内容が書かれていた。
ジルクニフはそれを見ていらっとし、溜息をついた。
こうなっては仕方がない。
ジルクニフはクリスと話した作戦を思い出した。
今人類のなかでプレイヤーと互角に渡り合える存在は数少ない。
そのなかでも、リ・エスティーゼ王国のラナー王女は容姿端麗頭脳明晰な人物であった。
しかし、ジルクニフにとってはラナーはとても気持ちが悪く関わりたくない女1位であったため、本来であれば引き入れたくない。
最初は拒否したが、クリスにそんなことを言っている場合ではないと諭され、最後の手段として仲間に引き入れるということになったのだった。
ジルクニフは一瞬愚鈍な王国に怒りを向けたが、あきらめてラナーにどうにか連絡をとることに決めた。
しかし、通常は敵国である帝国が王国の王女に連絡を取るすべはない。
ジルクニフは考えをめぐらす。
そして、クリスに王都にいる青の薔薇に接触するように連絡するのだった。
~リ・エスティーゼ王国サイド~
リ・エスティーゼ王国の執務室には多くの貴族と王族の子供たち、王の護衛の騎士団長、そして王座にはリ・エスティーゼ王国の国王ランポッサ3世が座していた。
帝国から手紙が届き、一時休戦の内容が書かれていたことにより、会議が開かれたのだった。
まず王が真剣な顔で話し始めた。
「帝国から魔法使いのプレイヤーがこの国に出現したこと、そのために一時休戦をしたいとの文が届いた。
これからどうするのか話していきたい」
それを聞いて第一王子のバルブロが声を挙げる。
「魔法使いなどとるに足らない存在ではないか!そんなもの、このわたしがすぐにでも切り捨ててやろう!」
すかさずボウロロープ侯が褒めちぎる。
「おお!さすがは我が娘の婿殿だ!」
ブルムラシュー侯が口をはさむ
「しかし、プレイヤーということは多大な力を持っている可能性がありますな。王よ、帝国からの一時休戦了承されてはいかがですか」
国王ランポッサ3世は答えた。
「しかしな、我が国と帝国は長きにわたり敵対関係にあった。今更そのように一時休戦といわれてもな」
ボウロロープ侯が頷き、はなす。
「そうですとも。あんな帝国の意志に従うことなどありません」
レエブン侯がそれを聞いて話し出す。
「それではどうでしょう。まずは王国内にいるプレイヤーを調べたあとに帝国に返答を書いては?」
国王ランポッサ3世は答えた。
「そうだな。例え魔法使いとはいってもプレイヤーを甘くは見れないか。それではレエブン侯、その魔法使いについて調べてくれないか」
レエブン侯がそれを聞いて頷いた。
その後、リ・エスティーゼ王国内で魔法使いについて調査がなされたがその魔法使いの痕跡は一つも見つからなかった。
結局、その魔法使いの実力について知ることができなかった王国は、バルブロや貴族派の意見に押されて一時休戦を断る返答をだしたのだった。