どうやら魔力が突然使えるようになったのはシェリーという桃色の女子学生のおかげらしい
遠くでシェリーとシドが話しているのを眺める
どうやらシドから聞いた話だと、今回の首謀者がシェリーの保護者だったらしく、保護者亡き今シェリーは元々いた学校に戻るらしい
アイツがキレていた理由なんとなく分かったな
シドの説明を聞けばなんとなく点と点が繋がる、シェリーの保護者ことラスランがアーテファクトを使いラウンズにでもなろうとしたのだろう、そのためにシェリーを利用した、なんとも胸糞の悪い話だ
にしても、いいなアイツだけ恋愛フラグ建てまくってる…かわいそうだなアイツ相手に…でも羨ましいな…
俺も可愛い子とイチャイチャしたい
俺の周りにいる女の子ってめんどくさい奴かシドに好意抱いている奴しかいねぇからなぁ…
そんなことを考えながら2人の様子を眺める
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ソファに座る、そして両隣には何故かアレクシアとアイリスがいる
「ねぇいい加減にしてよ。姉妹仲良くお買い物できないの?」
聖地リンドブルムに調査のために向かうらしいがアイリスだと警戒されるためアレクシアが行くこととなった、そのための買い物のはずなのだが、何故かエルザも連れてこられていた
「エルザ、元々こう言う関係だったわよ」
アレクシアとアイリスの間に溝ができてからの話だろ、と言いたいのを堪える、言ったらアレクシアになにをされるのかわからない
「やだよ、他人を挟む姉妹関係なんて」
「私はエルザも妹だと思って察してますよ」
「アレクシアごめんね、お姉様とっちゃた」
揶揄うように言えばアレクシアは割と乗り気の顔をしていた
「エルザ、私の方が先に誕生日来るわよね」
「こない」
墓穴を掘った
そう悟った時にはアレクシアは悪い笑みを浮かべていた
「嘘言うんじゃないわよ、つまりエルザが1番下ってことになるわよね?」
「なに、アレクシアもお姉様呼びされたいの?して差し上げるよ」
「可愛くないわね」
可愛くなくって十分だよ、俺は
なんともくだらない会話の最中扉がノックされ開かれ見覚えのあるエルフが入ってくる
「失礼いたします。ご挨拶が遅れて申し訳ありません、私等商会をしております、ルーナと申し上げます」
黒いドレスを身に纏い、藍色の髪を靡かせ綺麗なお辞儀を見せたのはガンマだった
ーーー
ガンマの営業トークはすごかった
試食と言いチョコを進め、そしてアレクシアが買う
これを何度か繰り返した、正直言ってもうコーヒー飲みたい紅茶でもいいストレートがいい
口の中が甘さで一杯になり苦しい
それを察したのか従業員の子に紅茶を差し出される、礼を言ってから受け取り口をつける
にしてもここまでドジを見せないガンマは不思議で仕方ないな
思い出すのは気づいたら転ぶ、気づいたら何かに絡まっている…
などなど体が丈夫でなければ死んでてもおかしくないドジを繰り返すガンマの姿が思い起こされる
「服を何着か見せてほしいのだけれども…カジュアルな感じで」
少し照れたように言い放った言葉に、なんとなく察する
いいなー!俺もモテ期欲しい!
シドとの一件以降アレクシアがシドを意識していることは知っている
「お友達へのプレゼントですか?」
「プレゼントととは違うような…私のためというより…まぁ」
言葉を濁すアレクシアの思考を読み取ったかのようにガンマが微笑む
「でわ!」
その一声にとあるものが運ばれてくる
「…ちょっとお手洗いに」
ガンマが用意したものは女性用下着
部屋を出ようとしたが、腕をアレクシアに掴まれる
「エルザもせっかくなんだし」
「残念だけれども、機能性重視派なんだ」
「そんなこと言っているとそういう人が出来た時愛想つかされるわよ」
今は女であるが…あるが!きっぱりと過去を叩かれたわけではないそもそも将来的に戻るんだから!恥ずかしいし履きたくない!女性用下着ってのは!まじで見ているのは最高なんだよ!でもでもさ!?履くとなると話は変わるじゃん!見るのと履くのは違うの!だからやだ!
「そういう人とはどう言うことですか!アレクシア!」
真っ赤な顔で迫るアイリスに丸投げすることに決めた
「ならアレクシア、お手洗いに行っている間に決めといてよ」
「逃げるんじゃないわよね」
「…」
無言で頷く、ため息をつかれ手を離される
「一つ言っておくけれども、逃げても寮に送るから」
「アレクシアもエルザもこ、このようなものはまだ!」
真っ赤な髪に引けを取らないほどに顔を赤くしたアイリスは必死にアレクシアを止めている、アレクシアとアイリスが言い合いをしている中1人抜け出す
「またのご来店お待ちしております」
帰ると分かったのかガンマにそう言われる
商売ごとはガンマみたいな頭のいい子に任せた方が上手く回るんだな、今度ねぎらおう
改めて思った感想を胸に寮の帰り道を歩く
後日布面積が少なく透けている下着が沢山送られ、全てクローゼットの奥の方にしまった
ーーー
アレクシアがリンドブルムに向かう日
「私がいない間寂しがらないでよね」
「うん!大丈夫!」
「もうちょっと寂しがったらどうなの?」
「アレクシアってば分かってないよね、寂しがる姿を見せたくないから明るく振る舞っているというのに…」
「え、そうなの…そう」
少し嬉しそうにしているが、嘘だ
アレクシアからのだる絡みそしてストレス発散のための夜の散歩を邪魔され続けてもう数年、久々にゆっくり過ごせるが、結局のところ俺もリンドブルムに行くんだけどな
先日散歩していた時にたまたまニューと会い、聖地リンドブルムに来ないかと言われた、暇だから行くけど
馬車に乗り込むアレクシアを見つめて手を振る
「アレクシアももう少し素直になればいいのですが…」
今のやりとりを見ていたであろうアイリスがため息混じりに呟いた
「アレクシアの良いところでも悪いところでもあるからいいんじゃない?」
「悪いところは治さなければいけないのでは?」
不思議そうに聞いてくるアイリスに言葉を選び再度答える
「アレクシアの可愛いところ!」
「…確かにそうですが」
もう少し素直な方が可愛いのでは…と困惑し始めるアイリスをおいて出かける準備をするために寮に帰る
ーー
灰色のオーバーサイズのパーカーに柄シャツ黒にズボン黒マスク、白い髪は下の方で一つに結び、リンドブルムを歩き回る
「お」
露店に置いてあった一つのお土産に目が止まる
左手が剣で貫かたストラップ
こういうのは無性に欲しくなる、後々いならいなんで買ったんだろ、となるのも理解しているが欲しくなる
ストラップを一つ手に取り会計をする
買ったばっかりのストラップを眺める
買った後になるとなんで買ったんだろって後悔してくるよな…あれ辞めて欲しい
それ含めて買ったのだからとズボンのポケットにしまう
遠くに行列が見えた、その中に見覚えのある二人組が見えた、1人は金髪のロール髪、学園の生徒会長をしているローズ、そして1人はパッとしない黒髪の男シドだ
いいなぁ
アイツなんで恋愛フラグ建てまくってんの?
ため息をつき、近くのカフェに入る
ローズとはメーデンとしての面識があるため多少の変装はしているがバレたら面倒なことになる、ためカフェで時間を潰し去るのを待つことにする
案内された席に座り最近普及し始めてきたコーヒーを頼み持ってきていた本を取り出す
この世界の本は割とつまらない、そもそも前世では作品が溢れるほどあるのだ、それと比べてしまう方が駄目なのだと分かっているが…
すぐ後ろの席に水色の髪を二つにまとめたエルフの少女、イプシロンが座った
自然に、知り合いだと思わせないそぶりになることにした
「計画は順調に進んでおります。」
「そう」
スパイ映画のような会話の仕方に内心興奮する
憧れちゃうよね!こう言うの!
「明日の女神の試練で本格的に動き出しますが…メーデン様どうかご無理はしないでください」
「無理をするなという割にはたまに誘ってくるのはなんでだ?」
病弱設定は作ったでも、時々無理はしないで欲しいと言いながら頼ってくれる時がある、別に不満があるわけじゃない、逆に嬉しいが、彼女たちはどう思って誘っているのかが気になった
「…私たちが力不足だから…メーデン様にご無理を…強要させなければ…ならないからです」
メーデンの言葉にイプシロンは自分達の弱さを責められているのだと言葉を詰まらせながら言葉を放った
「ごめん、イプシロン責めるつもりは無かった、こういった場に呼んでくれて嬉しいぞ、でもなんでいつも申し訳なさそうに言うのか分からなかったったんだ、ありがとうな頼ってくれて、俺は知らないところで無理されるよりはこうして近くに置いて頼ってくれて嬉しい…」
やっときたコーヒーに砂糖やミルクを入れ口に入れる
イプシロンからの返事はまだなく不思議に思いつつもコーヒーミルクの味に舌鼓をする
「メーデン様!」
小さく歓喜の声を上げるイプシロンにメーデンは少し困惑した
イプシロンからしてみれば、頼りっぱなしで自分の不甲斐なさを責めていた中、メーデンの頼ってくれて嬉しい、などと言う発言に自分の弱さではなく存在を見ていてくれている気がして、歓喜の声を上げていた
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あの後イプシロンにおすすめされた温泉に向かう、イプシロンが言うにはミツゴシが経営する場所らしく今日は貸切とのこと
「…お前ローズ先輩とはどう言う関係だよ」
なんかいたシドに話をふる。
お前なんでいるんだよ。ローズ先輩はどうした?
「いや、なんか誘われてさ…困っちゃったよ」
いいなー
モブとか言ってるけどお前主人公特性あるよ、お前主人公待ってるけどお前がなれよ、読者騙す系主人公になれよ
女の子と恋愛フラグを立てまくるシドを見つめる
「…お前は俺の欲しいもの全部持ってるな」
「僕の股間を凝視しないでくれない?」
手で隠し始めたのを見て流石に視線を外す
「俺のはいつになったら帰ってきてくれるんだよぉ」
「帰って来ないんじゃない?」
「帰ってくる、俺は信じてる」
きっと…きっと
男に戻れはあの時に少しは戻れる気がするから
「ふーん」
興味なさげな声が聞こえるが無視する
そもそもお前がこれに火をつけたと言うのに
「いつか戻れるといいね」
「すぐに戻ってやるさ」
シドが立ち上がり、お湯が揺れ波打つ
「じゃ僕行くね」
「おー」
このまま脱衣所の扉を開けるかと思った瞬間背後から乾いた音が聞こえる驚いて振り返る
シドが股間にタオルを当てていたのだ
「それ銭湯でおっさんがやってるところしか見たことない…前世何歳だよ」
「え?」
ちゃんと聞いたら同い年の18だった
おじいちゃん子?