男に戻りたくって!   作:欠けたチーズ

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誰かの落とし物

女神の試練に乱入したシャドウとアウロラの戦いを見て改めてアレクシアは力の次元が違う現実にアレクシアは叩きつけられていた

 

そしてシャドウがアウロラを倒したことによって出現した光の扉に周りは混乱に包まれていた

 

観客の避難が済んだと思ったら突然シャドウガーデンが乱入しネルソンを拘束した

 

アルファと呼ばれた人物が飛びの中に消え、監視役としてイプシロンが残っていた

アレクシアはどうすることもできなかった、別に見捨ててもいい人質を取られてはいるがイプシロンは格上、挑んだところで負けるだけ

 

「ゆけ!処刑人ヴェノム!」

 

イプシロンの隙をつきネルソンが叫んだ言葉と同時に何かがイプシロンの体を切り刻もうとした

 

「けほごほ」

 

乾いた咳が聞こえたのと同時に、ヴェノムそう呼ばれていたであろう物の体が地面に倒れネルソンの足元に頭が転がっていた

 

「ひぃぃ」

 

「けほ」

 

咳のする方を向けば、壁によりかかりフードから出ていふ真っ白な髪、ガスマスクとフードの隙間から見える血のように赤い瞳は何処を見ているのか分からなく不気味な男?が立っていた

何処となく儚く不気味な雰囲気をただよわせている人物に釘付けになる

 

アレクシアとローズはひどく驚いていた、気配どころか足驚き聞こえずいつからいたのかもわからなかった

 

「メーデン様!?」

 

「あの時の!」

 

「さっきここに到着したばっかりだ、悪いが説明が欲しい。あれを誰が出したかだけで良い」

 

中性的声でそう言い放った

 

「シャドウ様が女神の試練を突破しました」

 

「…そうか」

 

何かを言っているが、ガスマスクでくぐもり聞こえない

 

「な、なんなんだ貴様ら!」

 

「あー…ちゃんと言わなきゃわかんねぇのか?」

 

首を傾げ、不思議そうに言い放った

 

「お前らの敵だよ」

 

「ひっ」

 

アレクシアとは違う赤い瞳がネルソンを捉えていた、冷たくその目を向けられていないと言うのに背筋なら冷たいものが走る

そしてネルソンの数少ない髪を掴み光の扉に向かって歩き始めた

 

「ああ、後お前ら面倒ごとに巻き込まれたくなきゃくるな、来たところで命の保障はしない」

 

それだけいい光の扉に消えていった

 

それを聞いてもアレクシアの考えは変わらず、消えかけていた扉に飛び込む

 

知らなきゃ強くならなきゃ大切なものも守れないでしょ!

頭に浮かぶのは幼少期から仲のいい少女の姿

 

ーー

 

焦ったぜ

普通に余裕ぶっこいて飯食べてたらシャドウの魔力感じて焦ってきたからめちゃ咽せた

 

聖域の中でも咳をしながらベータが部下に指示をしているのを眺める

 

「メーデン本当に大丈夫?」

 

「だいじょ、ごほ」

 

「貴方ね…」

 

「きゃ」

 

アルファから何か言われかけた時可愛らしい悲鳴が聞こえた

 

声のした方を見れば、ベータを下敷きにアレクシアとローズが聖域入り込んでいた

 

「えぇ」

 

「来てしまったのね…」

 

「俺止めたぞ?」

 

ため息混じりに言い放つ

 

「大人しくしているなら好きにしなさい。もしかしたら、あなた達は知るべきなのかもしれない。それにあなたが本気で止めなかったってことはこう言うことでしょ?」

 

「さぁな、俺は案外適当だぞ」

 

「どうかしら」

 

アルファの言葉に困惑した様子でイプシロンの顔を見るが目を逸らされる

俺適当だよな?お前らの前で真面目に何かやった記憶ないぞ!?

 

 

ーーー

 

 

「こんなことをして、何のつもりだ?」

 

拘束されたネルソンがアルファと隣にいたメーデンを睨みあげた

 

「かつて、この地で英雄オリヴィエが魔人ディアボロスの左腕を封印したと伝えられている」

 

「それがどうした。左腕でも探しに来たか?」

 

嘲笑うかのように言い放った

 

「それも楽しそうだけれど……我々が知りたいのはそんなことじゃないの。我々が知りたいのはディアボロス教団のことよ」

 

アルファが一生懸命話しているので咳をするのを堪える、やっぱり水分取るようなものばっか食べるんじゃなかった、てか水飲みたい…血糊!?血糊があるじゃないか!俺が使ってるのは水分が多いいタイプ!喉からカラッカラで咳を我慢するよりはマシじゃね?

 

「さあ、お伽話の世界に旅立ちましょうか」

 

アルファの言葉と同時にこの場が光に包まれた

 

ーー

 

なんか1人になった

皆んなは?

アルファ?イプシロン?ベータ?デルタ?もうアレクシアでもいいよ

うっそ、この歳で迷子?やだださい

 

終わりがないのかと錯覚してしまほどに長い廊下

 

取りあえず歩き回る

白を基調とした廊下、そしてこの世界にしては近未来だと感じさせるような牢

 

「っ、ぅ」

 

声を押し殺したような鳴き声が聞こえてくる

 

「…なにしてるんだよ」

 

「…っ」

 

若干薄暗い部屋の中、閉じ込められている黒髪の少女を見つけ声をかけた

10代になったばかりぐらいの幼い少女

 

「…」

 

警戒しているのか黙り込んでしまった

 

「ずっと、痛いの」

 

「痛い?何処が?」

 

無言で差し出してくれた左ては黒く悪魔付きと同じ症状だった

手を差し出し、魔力操作を行う

 

「…あれ」

 

「マシになったか?」

 

グロテスクな腕は元の白い肌に戻り、その姿を不思議そうに見つめていた

 

「なぁ出口どこにあるか知ってるか?」

 

「ごめんなさい、わからない…ねぇこれどうやって治したの?」

 

「普通にひゅーて」

 

首を傾げ、よくわからないと言いたげに見上げられる

 

「…?」

 

時空が歪んでいる場所を見つけた

空中にゲームのバグのようなモザイクがかかっていた

 

「ねぇまた会える?」

 

「生きてたら会えるだ」

 

「そっか」

 

涙の跡をつけ微笑む少女に目線を合わせるためにしゃがむ

 

「ありがとう、お兄さん」

 

「ああ」

 

顔を見ずに立ち上がりバクに触れる

 

ーーー

 

なんか違う場所に来てた

あたりは星空が照らす戦場だった

と言っても当たりには死体しかなく、人の気配はしない

 

「何だこれ、てかアルファ…イプシロン、ベータ、デルター!!なんか…皆んなで来たのに!?何で俺だけぼっちなんだよ!?何で!俺なんか悪いことした!?」

 

地団駄を踏み情けなく叫ぶ

すぐに落ち着きを取り戻しため息をついてから情報整理をすることにした

 

魔力が練りずらい、知らん場所

空気感や匂いまで戦場だ

お腹減った、水が飲みたい、口の中パッサパッサ

 

後半は別に整理しなくってもよかったが、何となく頭に浮かんで離れないので一旦整理して切り離すことにした

 

「…早くしないとだな」

 

スライムで作った服の袖が地面に落ちた、学園の時と同様、細く魔力を加工すれば多少は使えるだが、どこかに魔力が持っていかれているような感覚から推理するに、ここに長くいれば魔力が全て奪われ、メーデンとしての私服姿をあらわにし、最悪アレクシアに正体がバレてしまうかもしれない

そもそもアレクシアが聖域に侵入すること自体予想外だった

あんなこと言われておとなしくする性格ではないと分かっていた、だが

 

「いつか本当に死にそうだなあの子」

 

好奇心なのかそれとも国を背負う王女としての立場のせいなのかはわからない

 

時間もないので取り敢えず何かありそうな場所に歩き出す

 

終わりが見えない地平線、果てしなく続くそれらは全て戦場であり、兵士たちの死体が転がっているのが見える

この世界の歴史にはあまり詳しくはない、だが

 

「ここまでの大きな戦争なら、流石の俺でも覚えていそうだけどな」

 

流石にこの世界の住人として生を受けている身だ、大きな出来事ぐらい覚えている…はず

アルファに聞こう!それが1番手っ取り早い!

 

考えても意味がないと悟り頭のいい子に聞くべきだと自己完結した

 

「…?」

 

何が落ちている

死体の中に転がる、一つの干からびた指の

沢山の屍があるのだから、気にするはずもないのに何故かそれが異様に気になり手に取る

 

「ーーーー」

 

少女の声が聞こえた気がした

だが当たりを見渡しても誰もいないあるのは死体だけ

 

「…俺、お化けとか無理」

 

心の中でアルファ達に助けを求めながら出口を探す

 

「…!」

 

バクのような何かを見つけ駆け寄り触る

 

ーー

 

「アルファそっちは終わったか?」

 

「今まで何処にいっていたの?」

 

気づけば聖域の入り口付近にいた

アルファ達も戻ってきていたらしく声をかければ驚いたような顔をされる

 

「そうだな?人助け?」

 

辺りを見渡せば、ネルソンとアルファに似た顔の少女がいた

人形のように感情の乗っていない顔のエルフの子

 

「貴様ら!聖域を荒らしておいて逃すと思うのか?」

 

「あら、追ってくれるの?」

 

「遊んでくれるのか?」

 

2人の言葉にネルソンは怯え少女の後ろに隠れた

アルファに怯えていたように見えたが

 

「せっかく聖域に来たのに人助けして変なところに飛ばされて終わりかよ」

 

「貴方本当にどこに行っていたの?」

 

アレクシア達がいる手前あまり下手な真似は出来ないが、本当に何もないまま終わるこの状況につまらなそうにポケットに手を入れる

 

「あ、そうだアルファこれなんだか分かるか?」

 

「これは?」

 

さっき拾った干からびた指のようなものをアルファに見せる、何か知っていたのであれば、きっと興味を引いた理由もある気がした

 

「貴様!それをどこで」

 

「拾った。その反応結構貴重なもんだったか?」

 

「返せれそれは!それは!」

 

異様な焦り方にガスマスクで隠れている口元が笑みを浮かべる

 

「奪ってみよよ、今まで通り力ずくでさ」

 

「オリヴィエ!」

 

人形ように顔色ひとつ変えずにアルファににた少女、オリヴィエは剣を抜きまっすぐにメーデンに切りかかった

 

「なぁやっぱり、本物じゃねぇからここまで弱いのか?それとも元々弱いのか?」

 

片手で真っ黒な剣を持ちオリヴィエの剣を受け止めた

 

「な」

 

「っ!」

 

剣を抜いた瞬間はアレクシアは見ていなかった、隣にいるローズの反応を見る限り同じなのだろう

 

片手で剣を受け止め、もう片方の手で銃を持ちオリヴィエの体を撃った

 

「お終い…で?どうする?」

 

口元が見えないが笑みを浮かべているのが分かるような楽しそうな声

 

「っ!」

 

「メーデン悪いのだけれども、そろそろ」

 

「そうだったな…あ?」

 

「どうかしたの?」

 

「いや、美味しいところ全部アイツに持ってかれるなと思ってな」

 

イプシロンが出入り口を作り出していた、バクのようなものではなく光の裂け目

 

「待ちなさい!メーデンとか呼ばれていたわよね貴方」

 

「アレクシア第二王女様が何用かな?」

 

呼び方が嫌だったのか、顔を顰められる

 

「貴方達は何が目的なの」

 

「忠告をしておく、一般人が好奇心でこっちに来るな。」

 

「私は」

 

メーデンの言葉にアレクシアは食ってかかろうとしたが、嘲笑いつつくぐもった声がアレクシアの言葉を邪魔した

 

「覚悟している?それとも誰かに殺されるくらい弱くない?それなら結構、だが周りが受ける被害ぐらい考えろ。…辛いぞ、気づいたら昨日話していた人が死んでいるのは。どうしようもないほどにな」

 

「…メーデン、やっぱり貴方は」

 

アルファの呟きはメーデンには届かなかった

 

アルファは時よりメーデンが過去に誰かを失っているのでは?そんな疑問があった。だがそれは今アルファの中で確信に変わっていた

 

「アルファ様!メーデン様!そろそろ!」

 

そういい大きな胸を揺らし手を振るイプシロンに目をやる

 

「てなわけで忠告はしたからな」

 

感情的になり睨みつけてくるアレクシアと冷静に状況を理解しているローズ、そしてナツメことベータを見てから光の裂け目に入る

 

ーーー

 

月明かりが照らす、リンドブルムの街並み

 

 

「アルファ、市民とかを聖域から離れさせた方がいいぞ」

 

「どうして?」

 

「アイツがいる」

 

「彼が?」

 

驚きつつすぐに行動に移すアルファは頭がいいと思う

そんな感想を浮かべてながら拾った指を見つめる

 

「何拾ったのですか?」

 

後ろから抱きつくように指の中にある干からびた指を見つめてくるのはデルタだった

…待って!なんでデルタコイツ服着てねぇの!?

 

「お前なんで全裸なんだよ!?」

 

「あそこで!魔力ぐーんって持ってかれたのです!それにデルタは気にしないのです!」

 

「気にしろ」

 

ため息をこぼすがデルタがこんなので言うことを聞くはずがないと言うかデルタは基本自由なので、こう言った軽いことは聞かない

オレが舐められて聞かない可能性もあるが…

 

デルタのことから手の中にある指に意識を切り替える

悪魔付きを治す感覚でその指に魔力を操作を行う

 

「…ありゃ」

 

手元にあった指は何故か、成人女性くらいの指になった、もしかしたら小柄な男の指かもしれないが個人的に女性の方がいいのでそう思い込むことにした

 

「生きている指みたいになったのです!」

 

みずみずしいく白くなめらかな肌

 

「すごいのです!メーデン様ミイラを戻したのです!」

 

キャキャはしゃぐのは構わないのだが背中に抱きつく形でしがみつき、疲れ、その動きを堪えるのすら面倒な為、デルタが動くたびに体が前後に揺れる

 

「…?」

 

デルタはただの指と思っているらしいが、触っているメーデンにはわかる、この指から感じる体温を

 

「まさかね」

 

「デルタ何してるの?」

 

「アルファ様!メーデン様すごいのです!」

 

目を細め何か言いたげのアルファが近寄ってくる、避難誘導は部下にでも任せたのだろう

 

「デルタ、メーデンから降りなさい」

 

「ヒャい!」

 

アルファに凄まれすぐに降りる

怯え、普段は可愛らしく立っている犬耳は下がっている

その様子を見てしーちゃんが飼っていた黒いチワワを思い出して頭を撫でる

 

「全く…」

 

何か言いたげに見つめてくるが、分からず首を傾げる

 

ーー

 

その後聖域あたりが蒸発した

アイツが1番テロリストやってるよ

 

 

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