その転生レッドは如何にしてアローラに伝説を作ったか 作:勇(気無い)者
こいつ失踪しやがった……と思っていた方々、お待たせしました。
ある程度書き溜めしよう……と思っていたので投稿が遅れました。
本年もよろしくお願い申し上げます。
翌日、レッドたちはせせらぎの丘前のポケモンセンターにある、カフェスペースで寛いでいたところ。
「レッドさん、初めまして」
背後からの声に振り返ると、そこには青い髪の少女が立っていた。
ショートカットで、襟足が外向きに跳ねているのが特徴的だ。
白を基調としたノースリーブのシャツに、七分丈のゆったりとした波模様のズボン。漁師用のゴムサンダルを素足で履いている。
少女は続けて名乗った。
「わたしスイレンでございます。せせらぎの丘のキャプテンを務めています」
「あ、コウミです! よろしくお願いします!」
「リーリエと申します。コウミさんとレッドさんに付き添わせていただいてます」
丁寧に返すコウミとリーリエだが、レッドは自己紹介の必要はなさそうだな、とだけ返した。
「ええ、レッドさんの名声は遠く離れたアローラにも届いていますよ。昨日はケンタロス競走で素晴らしい走りを見せてくださいましたね」
どうやら彼女も昨日、牧場でレースを見学していたらしい。
照れくさそうに頬を掻くレッド。
「さて、それでは今から試練を行いますが、準備はよろしいですか?」
「はい! いつでも大丈夫です!」
スイレンの問いに元気よく答えるコウミ。
「わかりました。では、わたしについて来てください」
そうして三人はスイレンの後に続いてポケモンセンターを出ると、右手の街道へと歩いてゆく。
しばらくすると、湖のある場所へと案内された。
真ん中を割るように木造の橋が掛けられている。
「ここがせせらぎの丘です」
「わぁー、キレイ……!」
「わたくし初めて来ましたが、美しい場所ですね」
コウミとリーリエが景色に見惚れる中、レッドは水中を眺めながらヒンバス居ないかな、と余計なことを考えていた。
ミロカロスが欲しくてホウエン地方でしばらく釣りをしていたレッドだったが、結局釣れずに金色のコイキングを二匹釣っただけである。
約四万匹のコイキングを釣り上げた伝説の漁師は、金のコイキングを釣るために藁にもすがる思いでヒンバス捜索に乗り出したが、三匹目で釣れてしまったらしい。
レッドとは正反対である。しかもレッドは、目当てのヒンバスを釣れていない
「あそこをご覧ください」
ふと、スイレンがそう言いながら指差した先には、湖の真ん中で激しく水しぶきが上がっていた。
「ダイナミックな水しぶき! もしかしたら、とんでもないポケモンが待ち構えているのかも……わたし気になります。コウミさんも気になりますよね?」
「えっ、はい……でも、どうすれば? 私、泳ぎはちょっと自信ないです……水着も持ってきてないですし」
「もちろん、泳いでとは言いません。その辺りは抜かりなく用意してますよ」
そう言って、スイレンは指を口に持っていくと指笛を吹いた。まるでヤギの大将のごとき見事な音である。
それから数秒後、湖の奥からラプラスが泳いでやって来た。
背中の甲羅には、ライドギアが装着されている。
「ライドポケモンのラプラスです! この子に乗せてもらえば、水上を移動する事ができますよ。ここにいる間はお貸ししますので、可愛がってあげてくださいね」
「いいんですか!? ありがとうございます!」
コウミは近寄って来たラプラスを早速撫で回した。
レッドのラプラスも見せてもらった事があり、彼女はその時から撫でたいと思っていたのだ。
……レッドのラプラスは自分の主人以外には全く懐かず、レッドに甘えてばかりで触らせてすらもらえなかったのである。
それからコウミはラプラスに乗せてもらい、水しぶきの元へ近づいて。
「きゃっ!?」
水面からヨワシが飛び出してきた。
ヨワシは大きく跳ねた後、再び湖へ着水。
その際、尻尾を水面に強く叩きつけて、コウミに水を引っ掛けた。
「あうー……びしょ濡れだよー……」
「あらまあ、水しぶきをあげていたのはヨワシだったんですね。小さなヨワシがあんな水しぶきをあげるんですねー」
戻ってきたコウミに、他人事のようなことを言うスイレン。どこか棒読みっぽいのは気のせいだろうか。
「こんな事なら、水着を用意しておけば良かった……リーリエちゃーん」
「ちょっ、コウミさん……!? どうして腕を広げながら、こちらに近づいてくるのですか!?」
「慰めてもらおうと思って、友情のハグを……」
「わたくしまで濡れてしまいます!」
「友達であるリーリエちゃんなら、辛い事も分かち合ってくれると信じてる!」
「そ、それはちょっと……ごめんなさい」
少しずつ遠ざかるリーリエ、距離を詰めようとするコウミ。
「リーリエちゃんも私と一緒に、水も滴るいい女になろうよ。リーリエちゃんが濡れたら、美女がビジョビジョでいい感じになると思う!」
「い、いやです……」
その横からレッドが、それを言うなら美少女がビショビショだな、とピントのズレたツッコミを入れる。
コウミは半眼でレッドを見つめ、リーリエは照れくさそうに頬を赤く染めてうつむき、スイレンは何やらニヤニヤしていた。
場の状態が「微妙な空気」になった。ゲームにそんな場の状態は無いが。
ふと、向こうのほうからバシャバシャと、さらに激しい水しぶきの音が聞こえてきた。
「あら、なんでしょう? あちらのほうから更に激しい水しぶきの音が。確かめに行ってみましょう!」
スイレンの言葉に従い、レッド達は歩いて彼女について行く。
奥へと進み、緩やかな傾斜を下って草むらを掻き分けると、そこには先ほどと同じくらいの湖が。
その真ん中では、またしても水しぶきがあがっている。先ほどよりも少しばかり激しいが。
「あんなに見事な水しぶきをあげるなんて……すごいポケモンか、イキの良い海パン野郎でしょうか」
「イキの良い海パン野郎って何……!?」
「うふふ、何でしょうね? 確かめてみれば分かると思います。という訳でコウミさん、あの水しぶきも調べてきてください」
「えぇ〜……またですかぁ……?」
コウミが露骨にイヤそうな顔をする。ビショビショにされたのだから、無理からぬ事だ。
「まぁまぁ、これも試練ですから。さ、お願いします」
「うぅ……分かりました」
渋々ながら、コウミはもう一度ラプラスに乗ると、水しぶきの近くまで泳ぐように指示した。
今度はゆっくりと、慎重にである。
水しぶきまでもうすぐというところで、あれほど激しかった水しぶきはパタリと止まってしまった。
「ん? あれ……?」
コウミが不審がって水面を覗き込むと、背後から水が跳ねる音。
振り返ってみれば、空中で見事にはねるヨワシの姿がそこにはあった。
ヨワシは重力のまま着水すると、またしても尻尾で水面を叩いてコウミに水を引っ掛ける。
「…………」
美少女がビショビショになった。
コウミは黙ったまま三人のもとへ戻ってゆく。
「あらあら、水しぶきをあげていたのは、またしてもヨワシだったんですね。イキの良い海パン野郎とのわたしの予想はハズレです」
「……もおおぉぉっ!! イキの良いヨワシしか居ないじゃないですか! 何なんですかこの湖! 何で私に水を掛けるんですか! 意味が分からないんですけど!」
ラプラスから降りながら、顔を真っ赤にして怒るコウミ。
「うふふ、まるで好きな女の子にイタズラする男子みたいなヨワシですね」
「全っ然嬉しくないっ! っていうかそれ、女の子は男の子嫌いになるヤツ!」
「……レッドさん、コウミさんに何か言ってあげてくださいませんか……? 冷静さを保てないと、試練に失敗してしまうかもしれません……」
リーリエがそんなことをレッドに耳打ちする。
確かに、側から見るとまるでヨワシがコウミを怒らせて、コウミの冷静さを保てなくするためにやったかのようだ。
怒らせてこれを乱せ━━孫子の格言である。
ヨワシではなく、ソンシだったというのか。間違いなくレッドの考えすぎだが。
何を言おうか考えて、迷った挙句の一言は、確かにコウミは可愛いからイタズラしたくなるのかもな、であった。
「えっ……? 可愛いだなんて、そんな……レッドさんってば……♡」
レッドに対してだけは相変わらずの態度、相変わらずのチョロさである。大丈夫なのだろうか。
リーリエとレッドは、コウミの事が少しだけ心配になった。
「私も同じ事を言ったんですがねー……」
不服そうなスイレン。
そんなやり取りをしていると、奥の方から更に一段と激しい水しぶきの音が聞こえてきた。
「あらあら、今度はさらにさらに激しい水しぶきの音が聞こえてきます。またポケモンかもしれませんが、もしかしてもしかするとイキの良い海パン野郎が溺れている可能性もあります。コウミさん、様子を見に行きましょう!」
「そんなこと言って、どうせまたヨワシじゃないですかぁ?」
「まぁまぁコウミさん、ヨワシにしては音がとても激しいですし、今度こそ違うのかも。それに、これも試練ですから」
「それ言われたら何も言い返せないんですよねー……」
「それは良いことを聞きました。ちなみに、試練をパスできるかはわたしの気分次第です」
「不穏な事を言うのやめてください」
「うふふ、冗談です」
コウミとスイレンを見ながら、随分と仲良くなったな、と思うレッド。
これは親友の立ち位置が危ぶまれるのでは、と余計な事を考えながらリーリエに視線を移すと、彼女はハラハラしながら二人の様子を見守っていた。
まるで喧嘩になりそうな友達を見守るかのように。
どう見てもコウミとスイレンは険悪な訳ではないが、人付き合いの少なかったらしいリーリエは、こういうプロレス染みた場面を見たことは無いのだろう。
スイレンがコウミの背中を押して歩き始めた。
「ほらほら、行きましょう」
「分かりましたから、押さないでください」
「……レッドさん」
リーリエが不安そうに話しかける。
「コウミさんとスイレンさん、何だか険悪な感じです……大丈夫でしょうか?」
友達同士ならあんなものだ、とレッドは簡潔に返した。
「そういうものなのでしょうか……」
「レッドさん、リーリエちゃーん! 置いてっちゃいますよー!」
「あっ……今いきます!」
レッドとリーリエは小走りでコウミとスイレンに追いつき、一行はせせらぎの丘をさらに奥へと進んでゆく。
水しぶきの音は近づくにつれて、段々と大きくなってきた。
コウミが警戒するように口を開く。
「……すごい音ですね。これは本当にヨワシじゃないのかも」
「そうですね、せせらぎの丘の奥地には、伝説ポケモンで海の化身と伝えられるカイオーガが居るらしいですよ」
「カイオーガ!? あの伝説のポケモンが!?」
「わたくし、本で読んだ事があります……! 海の化身と呼ばれ、大雨を降らせて海を広げたという神話がホウエン地方に伝わっていると……!」
「まあ、冗談ですよ」
スイレンのあっさりとした自白に、コウミとリーリエがガクリと肩を落とす。
「うふふ、コウミさんもリーリエさんも素直ですね」
「だって、カイオーガなんて言うから……」
「わたくしも信じてしまいました……」
そんな事を言い合う三人だが、隣の男がグラードンやレックウザと共にシバき倒したと知ったら、どんな表情をするのだろうか。
レッドは黙して語らなかった。
せせらぎの丘前のポケモンセンターでヒンバス捕まえてきてとか言われたけど、ヒンバス全然出てこなくて面倒くさくなってやめた作者です。
まぁ、一番のやめた理由は通信しないと進化しないって分かったからなんですけどね。サンかムーンもう一個買おうかな……いやだめだ、3DSが無いから意味ないわ。チクショウメー‼︎
てかラルトス捕獲できないって分かった時の絶望が一番デカいです。昔から一度も使った事ないから使ってみたい……。
サンムーンとUSUMって通信できるんですかね?
中古の3DSとか買ってこようかな……。DS liteとDSiはあるのになー。
冗談めかして「うっそでーす」ってスイレンに言わせたかったけど、ゲームのセリフ見ながら書いてたらできなかった。悲しい。
やっぱアニポケサンムーンの女の子やおとなのおねえさん皆可愛いわ。
ヒロイン力はセレナが最強だけど。
でも私はククイ博士が一番好き。
試練の話は一話に纏めようとしたけど、失敗しま。野生動物運動会!
プロット作ったのに、プロットに無い行動をキャラ達が取り始めて困ってます。どうしたらいいですかね?
Q.ラプラスの背中の甲羅
A.厳密には甲羅じゃなくて殻という説
という記述をどっかで見たけど、もう甲羅でいいでしょう……。
むしろ甲羅って言わないと通じないんじゃないかな……。
Q.今回のタイトルについて
A.ドラクエ6が由来
ホルストック南にあるダンジョン、洗礼の祠のボスです。
この後続く試練の話のタイトルもコレにします(ネタバレ)。
しれんその1のメダパニダンスと、しれんその3のルカナンしてからの攻撃が厄介すぎた。
初見の時、おどりことか舐めた職業にしてたら全滅しましたよ。
Q.なんでイマサラタウンな投稿を?
A.大変申し訳ありませんでした
取り繕っても仕方ないのでゲロします。
最初は本当に書き溜めしてから投稿しようと思ってたんですよ。
ですが、11月にSV買ってしまって、遊び倒してました……。
スカーレットやってたけど、もう一度最初からやりたくてバイオレットも買う始末。
いやもうコレ普通にポケモンの最高傑作でしょう。
まぁ、モブにおじさんおばさんが多すぎとか、奇抜な髪型しかないとか不満点は多いですがね。
という自分語りは置いといて。
とりあえずやばいのは、これだけ期間置いた割に、今現在20話目を書いてるってところですね。
つまりあれから5話しか書いてません……クソ作者でごめんなさい……。
SV面白すぎるのが悪いんや……。
次話はまた明日の朝方に投稿します。よければお付き合いくださいませ。