その転生レッドは如何にしてアローラに伝説を作ったか 作:勇(気無い)者
「レッド、準備はできてるか? パスポートはしっかり持ったよな?」
グリーンの言葉に、レッドは頷いた。
あれから一週間が経ち、レッドとグリーンはいよいよアローラへ向かう。
さすがに海を隔てた遠い場所のアローラ地方へ、ポケモンに乗って飛んでいく訳にはいかないので飛行機で向かうのだ。
いくらレッドのポケモンが非常識なほど強いと言っても、飛行機で八時間ほど掛かる場所まで飛んでいくのは不可能である。
……ただし、空港までは乗ってゆく。
二人はレッドのリザードンの背に乗り、あっという間に空港へ到着。
さっそく飛行機に乗る━━といきたい所ではあるが、オーキドに頼まれごとをしており、それを済ませてからホテルで一泊し、翌日に出発という流れである。
オーキドの使いを済ませると、二人はホテルで一泊。
そして翌日、問題が発生する。
なんと、突発的な台風が発生し、カントー地方に近づいているとのこと。
現に空は曇り、明け方から小雨が降り続けていた。
「おいおい、マジかよ……勘弁してくれよ」
ぼやくグリーン。このままいけば、数日は足止めをくらうであろう。
それに対して、レッドは無言で外に出た。
「お、おい! レッド、どこ行くんだよ!?」
グリーンの問いかけにも答えず、レッドはリザードンをボールから出して背に乗り、空を飛んだ。
向かうは海上方面━━台風の発生している方向である。
進むにつれて雨勢が強まるものの、レッドもリザードンも全く意に介さない。
雨勢だけでなく、風の勢いも常人では目も開けられないほどに強くなってゆくが、リザードンは風に煽られる事なく平然と飛行していた。
しばらく進むと、豪雨が嘘のように止んだ。台風の目の中に入ったのである。
台風の外側より、気温が十度以上は高く感じる。
そんな中、レッドはリザードンに高度を落とすよう指示すると、ラプラスを海上に出した。
空中では風の影響がほとんど無いものの、海上は強い風のせいで荒れ狂っている。
……だが、ラプラスは全く意に介さず荒波に揺られていた。
レッドがラプラスに指示を出すと、リザードンはその場を飛び去り、荒れ狂う暴風の中へと消えていく。
それを確認したラプラスは、全力全開の「ふぶき」を放った。
あたり一面に雪と氷の
その光景は、シロガネ山の吹雪の天候よりも遥かに凶悪。
地上で放てば、ものの数分で辺り一面が雪景色と化すだろう。
ラプラスの「ふぶき」は暴風によって広がり、遥か上空から海面までを埋め尽くして、更にその範囲を広げてゆく。
半径数百メートルを完全に埋め尽くしたところで、ようやくラプラスは技を止めた。
すると、荒れ狂っていた暴風は嘘のように静まり返り、曇り空の隙間から太陽の光が降り注ぐ。
風は止んだものの、波は荒いままであり、ラプラスは真顔で周囲の氷海と共に波に揺られていた。
しかも、体の芯が全くブレないまま揺られているので、
そんなラプラスの元へレッドがリザードンの背に乗ったまま戻ると、ラプラスは嬉しそうな声を上げながらレッドの方を見ていた。
まるで「褒めて褒めて」と甘える子供のようだ。
レッドはラプラスをボールに戻すと、リザードンに指示して再び空港へと戻る。
「レッド、どこに行ってた━━って、ビショビショじゃねーかっ!」
グリーンがレッドを見るや否や、驚きの声で叫んだ。
あれほどの大嵐の中を無理やり飛行したので、全身びしょ濡れなのは当然である。
「外に行ってたのか? いや、それより台風が急に消えたらしくてな。フライトは再開する見込みだが、安全か調べてからになるから、本当にフライト再開するかは分からないってよ。とりあえず銭湯に行って温まってこいよ、ここは珍しく銭湯やってる空港だし、どうせ夜までフライトは無いからな」
グリーンの言葉にレッドは頷き、彼はそのまま銭湯の施設方面へと向かっていった。
ふと、グリーンはなぜレッドがびしょ濡れだったのかと引っ掛かり。
「台風……まさか、レッドが……?」
そう呟いたが、頭を横に振ってその考えを否定した。
「まさか、な……いくら何でも違うよな……」
★
「くぁ〜……」
グリーンが大きな欠伸をしながら、空港ターミナルから出てきた。
レッドも隣を歩いており、少しぐったりしている。
二人はアローラの地に足を踏み入れたのだ。
空港からアローラまでのフライト時間は、およそ八時間。
当然ながら時差もあり、その差は十九時間も離れている。
カントーから夜に飛行機が出発すると、アローラに着く頃には朝になっているのだ。
そして、レッドとグリーンは眠気も無かったので、眠くなるまで機内映画を鑑賞し始めたのだが、シリーズ映画を観てしまったのである。
一作目を観終わったが、その続きがどうしても気になってしまい、二作目を観て、三作目を観て━━とやっている内に、アローラに着いてしまったのだ。
「ああ……日差しが眩しいな……」
グリーンが恨めしそうに漏らし、レッドも同意するように頷く。
なお、レッドのピカチュウはボールの中に居るのを好んでおらず、一日の活動時間の半分以上を外で過ごしていることが多い。
飛行機のフライト時間中、ずっとボールの中に居ることを良しとしなかったピカチュウは、レッドと共に機内で過ごしていた。
……が、機内で好き勝手に動き回られたら困る、という
そんな当のピカチュウは、機内でしっかり睡眠を取っていたので、初めて見る土地を興味深そうに見回している。
「ねみーけど、とりあえずジイさんの従兄弟の━━ナリヤジイさんの所に行くか」
グリーンの祖父にして、ポケモン研究の権威でもある博士、オーキド・ユキナリ。
その従兄弟である人物の名は、ナリヤ・オーキドという。
アローラの地でリージョンフォームの研究をしており、グリーンにとっては
基本的には、ウラウラ島のマリエシティにある図書館に居る事が多い。
……という情報を、二人はオーキド・ユキナリから聞いているのだが。
「アローラって、確か四つの島からなってるんだよな?」
グリーンの問いにレッドが頷く。
アローラはメレメレ島・アーカラ島・ウラウラ島・ポニ島の四つの島を総称して、アローラ地方と呼ばれている。
「で、俺たちが居るここはメレメレ島でいいんだよな?」
レッドは再び頷く。
今、二人が居るのはメレメレ島のハウオリシティにある空港だ。
「じゃあ、ウラウラ島ってどこなんだ……?」
その問いには答えず、レッドは顎に手をやって顔をしかめるばかりであった。
しかし、グリーンはある事に気付く。
「あっ、アレってアローラの全体地図じゃないか?」
グリーンが指差す先には、掲示板に張り出された地図が。
近くで見てみれば、四つの島が書かれており、それぞれに島の名前も付いていた。
「これ見りゃ方角も分かりそうだな。えっと、ここはハウオリシティだったな……」
グリーンがそう言うと、レッドが地図を指差す。そこにはハウオリシティが載っていた。
「ここか、じゃあ……方角的にはあっちの方か。でも、直接ウラウラ島に行くよりも、アーカラ島を経由してった方が良さそうだな」
レッドもグリーンの意見に賛成し、二人はハウオリシティを出てから、レッドのリザードンに乗って空を飛んだ。
わざわざハウオリシティを出たのは、飛行機が離着陸する空港がある関係で、町の中や近海での飛行を禁止されているからである。
そして、二人はあっという間にアーカラ島━━ではなく、ウラウラ島のマリエシティにたどり着いた。
思ったよりも大した距離ではなく、小一時間程でウラウラ島まで行けたからだ。
つまり、途中にあるアーカラ島は、その半分ほどの時間でたどり着く。
ゆえに、二人は時間的余裕を見て、一気にウラウラ島まで飛んでいったのだ。
無論、小一時間で到着したのはレッドのリザードンが速すぎるからであり、普通のライドポケモンであればもっと時間が掛かる。
「へぇー、ここがマリエシティかぁ」
グリーンが興味深げに辺りを見回しているが、隣のレッドも同様である。
マリエシティは東方の風情が漂う、まるで日本のような街並みが特徴的。
他にも図書館があったり、ジムオブカントーというカントー地方のとあるジムをイメージに作られた、なんちゃってポケモンジムなどが存在する。
とりあえずナリヤ博士に会うため、二人は図書館へとまっすぐ向かった。
「お、いたいた。ナリヤジイさん!」
「ん? おお、グリーン君ではないですか!」
目的の人物にはあっさりと出会えた。
髪が長く、色黒であるということ以外、カントーのオーキド博士とそっくりなので一目で分かったのだ。
喋り方も違うが、声もそっくりである。
「随分と早かったですね。昨日の昼頃の便だとは聞いていましたが、まさかもう来るとは思いませんでした」
「へへ、驚かせようと思ってさ」
と言いつつ、島同士があまりにも遠いのなら、アーカラ島で一泊する予定だったのは内緒にするつもりのようだ。
しかし、ナリヤ博士はすぐに困り顔を浮かべる。
「歓迎したいところなのですが、実はメレメレ島のポケモンスクールに呼ばれていまして……そうです! よければ、二人も一緒に来てもらえませんか?」
ナリヤ博士の言葉に、二人は顔を見合わせるのだった。
大自然の竜巻をも凌駕するレッドさんのポケモンパネェ……。
いや、書いたの私なんですけどね……書いてから思いました。
なみのりとかレッドのラプラスがやったら、一体どうなっちゃうんだ……こんなのもう災害だよ。
ちなみに、当初はリザードンの破壊光線あたりで竜巻を強引にかき消すつもりだったんですが、その余波で起こる津波を事前に陸地に待機させたサーナイトが何とかする感じでした。
で、後から「台風 消す方法」で調べたらタイフーンショット計画なんてものがヒットしまして。
私の頭では半分も理解できなかったんですが、まあなんか冷ましてやれば消えるみたいな事が書いてあったので、ラプラス投下しました。
……なんか、あの方法で発生する二次被害とか発生しないのかな、とか思ったりしなくもないですが、とりあえず気にしない方向で進めます。私の理解力が低いのが悪い。ごめんなさい。
リザードンもなんか全く暴風の影響受けてないですが、本作のコンセプトは「レッド(と手持ちポケモン)SUGEEEEEE」なので、今後もこんな感じで進んでいくと思います……。
そして、モチベーションを保つために、私にしては一話一話がめっちゃ短いです。……申し訳ない。
そして、思い出したようにピカチュウを外に出させる私。
台風掻き消しに行った時は、さすがに一緒にはいませんでした。
ボールに入ってたか、グリーンと一緒に空港に居たか。
以下Q&A。
Q.雨の中突っ込んでリザードンの尻尾の炎大丈夫なの?
A.ポケモンtheオリジンでは水の中に叩き落とされてたから大丈夫だと思う。
基本的に尻尾の炎って特殊なもので、個人的には生命力を表してる(HP的な)ものだと解釈してます。
というか、水濡れした程度で炎消えてたら絶滅してると思う。
Q.ハウオリシティに空港なんてあった?
A.無いです。
無いなら作るしかない。
ハウオリシティのポートエリアの近くにある、という事にしておいて下さい。
昔、アローラに飛行機でやってきたレッド、グリーン、リーフの三人を描いた絵を見たことがありまして。
リーフが首を痛そうにしてて、グリーンが腰を痛そうにしてて、レッドは鼻提灯出しながら歩いてるって絵だったんですが、そのレッドが抱っこ紐つけててそこにピカチュウが真顔で入っててめっちゃ面白かったんですよね。
それやりたくて飛行機に乗せました。
ちなみに、フライト時間とかは日本↔︎ハワイのフライト時間を見て参考にしてます。
Q.オーキド博士の呼び方について。
A.カントーはオーキド博士、アローラはナリヤ博士でいきます。
そんな感じでお願いします。
Q.ナリヤ博士の喋り方違くない?
A.ゲームではあんな感じらしい。
ちょっと調べたんですが、割と敬語を交えて喋ってる感じでした。
アニポケのナリヤ校長と比べると大分違和感あるのは否めない。
こういうのすぐ調べられるYouTube便利。
Q.メレメレ島にあるのポケモンスクールじゃなくね?
A.これに気づけた人はマジですごいと思う。
メレメレ島の序盤にあるのはトレナーズスクールで、ポケモンの基礎を学ぶ施設らしいです。
本作ではアニポケのポケモンスクール……の延長線上にある施設で、大学みたいに専攻で色々学べる施設みたいなもの、という感じです。(作者は大学出てないからあんま知らんけど)
多分、ちょっと規模がデカくて教授や先生が多く居そうな気がする。
アニポケキャプテン三人衆とか出したくて……でも、キャプテンやってるのにポケモンスクールでアニポケみたいに勉強してるのはどうなの?
と思ってこんな設定に。そんなに重要じゃないので、正直言うとこんな設定いらんよなーという気がしなくもないです。
Q.レッドの手持ちポケモンについて。
A.五匹決まりました。
ピカチュウ、リザードン、バシャーモ、ラプラス、サーナイトです。
サーナイトは次回、出番あります。
レッドらしくないにも程がありますが、こいつ一応転生してるという事なので、転生前の人間が好きだったから手持ちに入れたって事にしておいて下さい……。
まぁ、転生前の人間というか、私の好みと話の流れで決めたんですけどね……。
あと一匹……どうしようか。ピカブイに倣ってイーブイとか……んー、微妙。
考えときます……。
Q.グリーンのエースポケモンは?
A.決まらん。
どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうし(ry
Yahoo!知恵袋とかで質問したりしてるけど全然決まらないヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい。
グリーンのエースポケモンだけは絶対に使う予定があるので決めないとまずい。
やっぱアニメとかでも出番の多いカメックスか。
ピジョットとか使ってるイメージあるけど、その時戦うのはピカチュウだからタイプ相性最悪。
いや、カメックスも同じか……。
うーーーーーーーん、まだ時間あるので考えておきます……。