その転生レッドは如何にしてアローラに伝説を作ったか   作:勇(気無い)者

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や、やっぱり適当なタイトルだ……!


3.デタラメポケモンバトル

「オレとポケモンバトルをして下さい!!!」

 

 カキの大きな声に、周囲の者は唖然とした。

 まさか、最強と名高いポケモントレーナーであるレッドに、バトルを挑もうとする者が居るとは思わなかったからだ。

 名声や実績だけでも格上なのは明白であり、間違いなく勝負にならないので誰も挑もうとはしない。

 カキもレッドに強い憧れを抱いているし、勝てるなどとは微塵も思っていない。

 しかし、勝負を挑むだけの理由が彼にはあった。

 レッドは急に勝負を挑んできたカキに、その理由を訊ねた。

 

「それは、オレがリザードンを使っていて、レッドさんもリザードンを使っているからです!!!」

 

 つまり、最強と名高いレッドのリザードンと自分のリザードンをバトルさせて、何か少しでも強くなるためのヒントを掴みたい、という事らしい。

 カキのリザードンは強くなるために努力をし続けているが、最近は行き詰まっていたようで、それを払拭したいとのこと。

 そういう事情ならとレッドは快諾し、ククイ博士にバトルの許可を取る。

 

「ああ、もちろん大丈夫だとも! 何なら、ぼくも君とバトルしてみたいくらいだぜ!」

 

 彼との勝負の後でも良ければ、とレッドはククイ博士とのバトルも快諾。

 そして、レッドがリザードンを繰り出そうとして━━全く違うポケモンが()()()出てきた。

 炎・格闘タイプのもうかポケモン、バシャーモである。

 

「バシャアアアァァァァァッッッ!!!!!」

 

 バシャーモは出てくるなり咆哮をあげ、自分のマスターであるレッドに対して()()()()()()

 凄まじい速度と膂力で繰り出される拳を、しかしレッドは両手で難なく受け止める。

 が、その衝撃音は凄まじく、その場の全員の鼓膜をビリビリと震わせた。

 

「レッド君!!」

 

 いきなりの展開にククイ博士も驚き、思わず普段は絶対に使わない切り札ポケモンであるガオガエンを投げるところだった。

 レッドが片手で大丈夫だと制したので、ギリギリ踏みとどまったのであるが。

 それほどにまで、バシャーモの迫力は凄まじいものがあったのだ。

 そして、再びレッドのポケモンが勝手に出てきた。

 今度はリザードンである。

 

「……グルゥ!」

 

 リザードンは間に割り込み、バシャーモの前に立ち塞がった。

 そもそもにして、バシャーモが勝手に出てきたのは、ここ数日間まるでバトルをさせてもらえず、フラストレーションが溜まっていたからである。

 彼は暴れん坊気質なところがあり、バトルこそが生き甲斐を地でいくような性格の持ち主。

 牧場に預けっぱなしだと一人で暴れ回り、地面をボコボコにしたり騒音が酷いので、定期的にレッドの手持ちに入るポケモンなのだ。

 

 ちなみに、いきなり殴りかかるような真似をしたものの、アレでも手加減をしている。

 シロガネ山で何度も組み手をしていたので、あの程度の力でレッドがどうにかなるような玉ではないと知っているから。

 そして、暴れん坊気質とは言っても、誰かを傷つけるのが好きな訳ではなく、ただ単純にバトルが生き甲斐なだけだ。

 ここしばらく出番がないから、自分に戦わせろと勝手に出てきたのである。

 

 対するリザードンは、あの少年は自分をご指名なのだから、お前はすっこんでいろと態度で示していた。

 睨み合う両者。何とも言えない緊迫感が場を支配し、誰もが動けないでいる。

 そんな中、レッドはカキに対して少し待ってほしいと伝えると、グラウンドのど真ん中に移動した。

 二匹もそれを察してか、同じくグラウンドのど真ん中に移動し、ある程度の距離を置いて対峙する。

 

 レッドは少し離れた場所で二匹の中間に立ち、更に追加でポケモンを繰り出した。

 エスパー・フェアリータイプのほうようポケモン、サーナイトである。

 出てくるや否や、サーナイトはレッドに抱きついて頬ずりし始めた。

 が、レッドはリザードンとバシャーモ、そして背後の生徒たちを指差し、たったそれだけでサーナイトは現状を理解。

 生徒たちの前に立ち、「ひかりのかべ」と「リフレクター」を発動した。

 

「レッド君……? 一体、何をするつもりなんだ……?」

 

 ククイ博士の問いには答えず、レッドは小石を拾って高く放り投げる。

 放物線を描いて落下し、地面にボトリと落ちた瞬間━━リザードンとバシャーモがぶつかり合った。

 互いに頭をぶつけ合い、掴みかかって手四つの体勢に。

 

「シャアアアァァァァァッ!!」

「グルアアアァァァァァッ!!」

 

 全力で相手を押し合い、二匹の口から炎が漏れる。

 

「きゃっ……!」

「ひえぇ……!」

「す、すごい迫力だ……!」

「ちょっと、怖いかも……」

 

 あまりのプレッシャーに怯える生徒も居たが、ほとんどはその戦いを食い入る様に見つめていた。

 中でもコウミは特に集中して見ている。

 彼女は以前からレッドの行ってきたバトル中継を録画して、何度も繰り返し見てきたのだ。

 彼のポケモン同士が戦うバトルを生で見られて、見た目とは裏腹に内心では非常に興奮していた。

 録画できないのが残念だと思うほどに。

 

 十数秒ほど動かなかったリザードンとバシャーモだが、二匹の中心点で大爆発が巻き起こる。

 互いに「だいもんじ」を放ったためだ。

 バシャーモは後方に飛び退き、リザードンは上空へと逃れた。

 そのままリザードンは炎を纏って「フレアドライブ」による突撃を敢行。

 対するバシャーモも同じく「フレアドライブ」で迎え撃ち、ぶつかり合った末に両者とも吹き飛んだ。

 

 体勢を立て直したのは同時だが、次に仕掛けたのはバシャーモ。

 両拳に電撃を纏わせた「かみなりパンチ」によるラッシュを放つ。

 しかし、リザードンは重量級とは思えぬ軽やかな動きで攻撃を回避。

 それだけでなく「ドラゴンテール」による反撃を繰り出した。

 避ける間もなく直撃したバシャーモだが、咄嗟に「かみなりパンチ」による裏拳で反撃しており、両者吹き飛んで仕切り直しに。

 あまりにも素早い二匹の攻防を目で追えたのは、ククイ博士とグリーンのみであった。

 

「お、おぉ……!」

 

 ククイ博士は魂が震えるようなバトルを前に、ロイヤルマスクとして試合をする時の様に気持ちが昂っていた。

 今すぐにでもマスクを被って、彼のポケモンとバトルがしたい━━そう思ってしまうほどに。

 

 対して、グリーンは冷や汗が頬を伝うのを感じていた。

 今まで彼は、トキワジムで所属トレーナーの面倒を見ながら挑戦者の相手をしつつ、いつかレッドに勝つためにポケモンたちを鍛え続けてきた。

 決して遊んでいた訳ではないし、用事のない日は一日中ポケモンの事を考えていたほどだ。

 しかし、いざレッドのポケモンが戦っているのを目の当たりにすると、やはりこの二年間で彼も強くなっていた事を実感した。

 あの時から━━カントーのポケモンリーグで戦った時から、互いの実力差は開いてしまったのではないかと疑うほどに。

 

「……いや、そんな筈はねぇ」

 

 誰にも聞こえない小声でグリーンはつぶやいた。

 まるで、自分に言い聞かせるかのように。

 しかし、バシャーモとリザードンは、意図せずしてグリーンに更なる追い討ちを掛けてしまう。

 

「……バシャ!」

「……グルゥ!」

 

 リザードンとバシャーモは同時に構え、全身に力を入れた。

 すると、レッドの体から光が溢れ出し、二匹の方へと流れてゆく。

 虹色の光を身に纏い━━眩い光を放つと、二匹はその姿を変容させた。

 メガシンカである。

 バシャーモは体色に黒が加わり、後ろ髪のように靡いていた部分が翼のように広がった。

 対するリザードンは、赤い体色が黒色に変わり、青い炎を纏っている。

 

「なにぃー!?」

「そんなバカな……!?」

 

 ナリヤ博士とククイ博士が声をあげる。

 手持ちのポケモンを二匹同時にメガシンカさせる━━そんな離れ技をやってのけるトレーナーは、この世に一人も居なかった。

 そもそもにして、メガシンカには専用アイテムが必要であり、これを手に入れられるトレーナーが限られる。

 更にトレーナーとポケモン同士に強い絆が必要であり、それらの条件を満たせる人間自体が稀な存在なのだ。

 それを維持して戦うにも、アローラに伝わるZワザと同様にトレーナーの体力や精神力を消費してゆくので、一度使えばしばらく使用は不可能。

 だからこそナリヤ博士もククイ博士も、常識を打ち破るレッドのポケモンたちに驚愕していた。

 

「…………」

 

 一方で、グリーンは冷静にその光景を見ていた。

 なぜ彼が驚かないのかといえば、二匹同時にメガシンカ自体は()()()()()()()()からだ。

 とはいえ、一匹だけのメガシンカとは比べ物にならないほど体力も精神力も消費するので、もって数分程度。

 そのままバトルするなら、維持できる時間は更に短くなる。

 しかも、精神をかなり集中させる必要があるため、レッドのポケモンのように一瞬でメガシンカさせることもできない。

 だから、内心では僅かに動揺したものの、顔には一切出さなかった。

 しかし、そんなグリーンに対して、レッドは無自覚にトドメを刺す。

 

 レッドはやれやれとばかりに、顔を手で覆って空を振り仰いだ。

 そもそもの話だが、レッドはリザードンとバシャーモにメガシンカの指示など出していない。

 二匹はマスターであるレッドの許可もなしに、()()()()()()()()()()のだ。

 なぜそんな事が可能なのかと言えば、レッドがシロガネ山での特訓中に、とある漫画の主人公と同じ特訓方法をポケモンたちに実践させたのがキッカケだった。

 それは、メガシンカさせたままの状態で生活を送るという、とんでもない修行方法である。

 最初こそ長くは持たなかったものの、日に日にメガシンカしていられる時間は増えてゆき、同時にメガシンカできる数も増えてゆき。

 そして今日、メガシンカを自然体に使いこなす、デタラメポケモンたちの万国ビックリショーがアローラで開催されてしまう事になった。

 レッドはサーナイトに指示を出す。

 再びレッドの体から光が溢れ出して、サーナイトの体を包んでゆき。

 

「まさか……! そんなバカな……!!」

 

 グリーンは明らかに狼狽した。

 なぜならサーナイトがメガシンカし、前代未聞の三匹同時メガシンカというふざけた芸当を目の当たりにしたからだ。




「オレは後ろで見ていたんだ…ふざけやがって…!! なにが3体同時メガシンカ(スーパーメガシンカ3)だ…!! いちいち勘にさわるヤローだぜ!! そんなヤツと観光なんてできるか!!」

 ふざけた真似するレッドに対して、ベジ◯タ化してしまうグリーンの図。
 まるでメガシンカのバーゲンセールだな……。

 次回、グリーン(の心)死す! バトルスタンバイ!

 あ、これで険悪になったりとかはしないので悪しからず。
 グリーンさんはそんな胆っ玉の小さい男ではないのだ。

「オレだって傷はつくからね?」

 グリーンさん、ごめんなさいなのだ……。
 許してヒヤシンス!
 年齢バレそうなので以下Q&A。


Q.グリーンは今のレッドのレベルを知らない?
A.グリーンが最後に見たのはシンオウリーグのバトル中継です。
 なので、シロガネ山で修行しすぎてイカれた強さになったレッドのポケモンに、まだ気づいてません。
 ついでに、レッド本人もイカれた強さになってる事にも気付いてません。

Q.なんでリザードンX?
A.かっこいいから!
 という訳ではなく、前にポケットモンスターtheオリジンでリザードンがメガシンカしたのを見て、その印象が強かったから。
 いや、かっこいいとは思ってますけどね。てか、かっこいいですよね。しかも、かっこいいですよね。さらに、かっこいいですよね。ついでに、かっこいいですよね。おまけに、かっこよすぎますよね。
 ……結局かっこいいからじゃねーか!

Q.二匹同時メガシンカの難易度は?
A.右手と左手で文字を書きながら会話するレベル。
 レッドは三匹同時なので、他の人から見れば「両手と右足で文字を書きながら会話している」ぐらいのことをやっている。変態。
 とはいえ、修行によってメガシンカを自然な状態にまで持っていったので、レッドからすれば「立って歩くレベルで簡単」なこと。変態。
 しかし、あまりにも自然に使いこなすため、ポケモンたちが勝手にメガシンカするようになった。変態。
 というか、Aの難易度をクリアしたグリーンもまた変態であった……。
 あ、とある漫画修行法はド◯ゴンボ◯ルのセル編からです。
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