その転生レッドは如何にしてアローラに伝説を作ったか 作:勇(気無い)者
「……ピカ?」
レッドの足元で、リザードンとバシャーモのバトルをぼけっと見ていたピカチュウだったが、何かに気付いたように耳を立てた。
何を感じ取ったのか、そのまま森の方へ走り去ってしまうが、誰もそれに気づく事はなかった。
「くそっ……!」
一方、レッドのメチャクチャな行動を目の当たりにして、グリーンは苛立ちを隠せなかった。
「まるでメガシンカのバーゲンセールみたいに、軽々と乱発しやがって……!」
そう言葉にしながらも、本当にショックだったのは、自分とレッドの間に明らかな実力差があると分かってしまった事である。
メガシンカの件だけでなく、ポケモンの地力の方もだ。
メガシンカ前の戦いでさえ互角に渡り合えるかどうかだったのに、リザードンとバシャーモにとっては前哨戦でしかなかったのである。
そんなグリーンを他所に、レッドのポケモンたちはその力を
リザードンとバシャーモは互いに技と技をぶつけあい、自分の体に直撃してもお構いなしに攻撃を繰り出した。
殴って蹴って投げ飛ばし、地面に叩きつけた振動で大地を揺らし。
炎技を繰り出しては爆発を巻き起こして、爆音と暴風を撒き散らし。
メガシンカ前と比べて明らかにバトルの苛烈さは増しており、本来なら戦いの余波でポケモンスクールは消し炭になっていた事だろう。
そうなっていないのは、
メガシンカ前までは、「ひかりのかべ」と「リフレクター」によって博士や生徒たちを守っていた。
しかし、今はその二つの技を
とは言っても、そこは「ひかりのかべ」や「リフレクター」。
この二つの技は、あくまで特殊攻撃や物理攻撃を軽減する効果しかない。
格下相手の攻撃ならば完全にシャットアウトする事も可能だが、リザードンやバシャーモほどの実力になると、戦いの余波ですら完全に防ぐことは不可能だ。
そこで賢く器用なサーナイトは「サイコキネシス」を使い、戦いによって生じた衝撃波や炎を強引に捻じ曲げ、別方向へと受け流していた。
やっている事は完全に脳筋のそれだが、ベクトル解析に対する理解が無ければできないぐらいの賢さは要求される。
レッドはそんなものに理解などないので、少なくともサーナイトは自分のマスターより数倍以上は賢い。
もしかしたら、空気を圧縮してプラズマを生成、なんて事ができるのかもしれないほどに。
そんなこんなで数分近く戦っていたリザードンとバシャーモであるが、互いに距離をとって再び地上で対峙する。
そして、同時に「つるぎのまい」を踊り出した。
「つるぎのまい」は自身の物理攻撃力を大きく上昇させる技だ。
具体的に言うと、「つるぎのまい」を使ったポケモンは物理技の威力が倍になる。
デタラメな強さを誇る、リザードンとバシャーモの技の威力が倍になるのだ。
二匹は次の攻撃で勝負を決めるつもりである。
さすがにヤバいと思ったレッドは、サーナイトに指示を出した。
そして、リザードンとバシャーモは全力全開の「フレアドライブ」を繰り出して衝突し、爆発が巻き起こる。
……しかし、その規模は最初の「だいもんじ」による爆発よりも明らかに小さく、衝撃も弱いものだった。
ゆっくりと煙が晴れてゆき、そこには三つの影が。
「……っ!?」
「なっ……!」
「えぇっ……!?」
「なんと……!?」
誰もが驚きの声を隠しきれなかった。
爆発のあった中心地にはレッドが立っており、リザードンとバシャーモの頭をそれぞれ片手で押さえていたのだ。
つまり、二匹の「フレアドライブ」を同時にかつ、それぞれ片手で受け止めたという事になる。
とはいえ、さすがのレッドといえども、二匹の「つるぎのまい」によって威力が高められた、全力の「フレアドライブ」を受け止めることなどできない。
それができたのは、やはりサーナイトのおかげであった。
「サイコキネシス」でリザードンとバシャーモを押さえつけ、止めるには至らないものの、二匹の「フレアドライブ」の威力を削いだのである。
おかげでレッドはケガ一つなく、二匹の「フレアドライブ」を受け止める事ができたのだ。
まぁ、それでも並のポケモンの「フレアドライブ」ぐらいの威力はあったのだが。
それを示すようにレッドの袖が弾け飛び、ビリビリノースリーブ状態になっていた。
「……サナ〜」
ふと、サーナイトがフラフラとした足取りでレッドの方へと歩み寄る。
周りに被害を出さないよう、かなりの力を使っていたので、彼女もそれなりに疲れていた。
そのままレッドの目の前までたどり着くと、わざとらしくクルリと横に回ってからレッドに倒れ掛かった。
レッドはサーナイトを受け止め、サーナイトはレッドの首に腕を回して抱きつく。
彼女が疲れているのは確かだが、フラフラになるほどではなかったりする。
現にサーナイトは一瞬だけ「計画通り」とでもいうような顔をした後、レッドに頬をスリスリしていた。
……とても満足そうな笑みを浮かべながら。
サーナイトは甘えん坊な性格をしており、レッドにベタベタするのが大好きだった。
レッドもサーナイトが疲れてきったフリをしているのに気がついているが、好きなように甘えさせてやりたいので、優しく頭を撫でている。
そんな様子を見ながら、バシャーモは苛立ちながら舌打ちして。
「……シャッ!」
「ナ゛ッ!?!?」
サーナイトにデコピンをかました。
かなり痛かったらしい。サーナイトは涙目になりながら頬を膨らませ、ひとしきりバシャーモを批難するような声で鳴いた後、メガシンカを解いて勝手にボールへ戻っていった。
バシャーモはいい気味だとほくそ笑んだのち、こちらもメガシンカを解いて勝手にボールへ戻っていった。
残ったリザードンもメガシンカを解いたが、ボールには戻らずこの場に残る。
そもそもにして、カキのリザードンと戦う約束だったのだから。
━━さぁ、戦ろうか!
そう語り掛けるかのような笑顔でレッドが振り向くと、視線の先ではカキが白目を剥いて立ったまま気絶していた。
彼だけでなく、他にも何人かの生徒たちが気絶しており、ビビってかなり遠くに離れている者や、すでにこの場から避難している生徒も出ている始末。
そして、カキのリザードンは既にボールから出て待機していたのだが、レッドと目が合った瞬間にどこからともなく白旗を取り出し、首を左右にブンブンと振っていた。
戦意喪失である。明らかにやりすぎであった。
最後まで立っていたのは、博士二人とグリーン、それにコウミとミヅキ。
と言っても、コウミとミヅキ、そしてナリヤ博士は目を丸くしていたが。
対するククイ博士は、今すぐにでもガオガエンを出して、バトルを申し込みたい気分であった。
さすがに大きな実力差がある事は承知しているが、彼はポケモンの技の研究者である。
あの技ならどうか、この技なら対抗できるだろうかと、考えが溢れて止まらないのだ。
とはいえ、自分がロイヤルマスクの中の人だという事は秘密にしているので、この場でバトルを申し込んだりはしない。
なんとかしてロイヤルアベニューのロイヤルドームに導く方法はないものかと、考えを巡らせたりはしているが。
残ったグリーンは、己の無力感に押し潰されそうになっていた。
ライバルだと思っている親友との力量差を、明確に見せつけられてしまったからだ。
三体同時メガシンカもそうだが、その後の戦いもまるで介入する余地がないと自覚した。
このままで良い訳がない。レッドに置いていかれる訳にはいかない。
そんな気持ちから、グリーンはある決心をするのだった。
めっちゃ関係ないんですが、この小説書くうえでウルトラサンムーンの話を振り返ろうと思い、確かまだ売ってなかったよなと家中を探すもソフトが行方不明。
じゃあ中古で買うかと店に行ったら、まさかの4480円税抜き。
た、高すぎる……! と思って断念しました。
このまま放っておいたら、いつかプレミアついて滅茶苦茶な値段になったりするのかな。
ウルトラサンムーン好きだったんですよね……今までやってきたポケモンと違って新鮮で。
というのも、ウルトラサンムーン触るまで、最後にプレイしたポケモンがファイアレッドだったんですよ。
だから等身あがって主人公を可愛く着せ替えたりできるという事に凄まじい衝撃を受けました。
今は某黒猫アイコンの有名実況者の動画見た影響でスカバイがやりたいです。
という自分語り、本当にどうでもいいですね。
リザードンとバシャーモによるトンデモバトルが展開されましたが、皆さんお気付きですか。
レッドさんはこのバシャーモとシロガネ山で殴り合いをしてたんですよ。
頭おかしいですね、ネジ飛んでますよ。ゴンさんほどじゃないけど。
以下Q&A。
Q.サーナイト「圧縮圧縮ゥ、空気を圧縮ゥ!」
A. くかきけこかかきくけききこかかきくこ(ry
サーナイトのサイコキネシスによるベクトル操作は、非常に難しい技術。
分かりやすく説明すると、HUNTER×HUNTERのGI編ドッチボールの時のキルアくらい難しい操作をしている。
……分かりにくい?
凡人が両手両足で同時に文字を書こうとするくらい難しいと思います(適当)
Q.リーリエについて。
A.バトルが始まる前から避難してました。
避難というか、バトルは直視できないので別の場所に。
でも、あまりの騒音にちょっとだけ見てしまってたりします。
Q.グリーンのピカチュウメタポケは?
A.決まらん……。
本当にどうにも決まらなかった場合、渋々ながらサンダースでいきます。
というか意見募集したいです。活動報告作ったので、何か案があればそちらにお願いいたします。
哀れな作者をお助けください……。