その転生レッドは如何にしてアローラに伝説を作ったか 作:勇(気無い)者
その後、授業はお開きとなって、レッドはポケモンスクールのゲストルームに案内された。
グリーンも呼ばれていたのだが、彼は用事があるとミヅキを連れて別のところへ行ってしまった。
ナリヤ博士も今日のところは授業どころではないと、ハウオリシティのホテルへ向かったので、この場にはレッドとククイ博士のみである。
「とても熱いバトルだったよ、レッド君!」
ククイ博士はお茶を出すと、先ほどのバトルについて興奮冷めやらぬ様子で語り出した。
技の威力もさることながら、特に感心したのは練度である。
技の特性をしっかりと理解し、度重なるトレーニングを行わなければ、あれ程までの洗練された技は繰り出せないだろう。
そんな風に語るククイ博士は、さすが技の研究者である。
何より、リザードンとバシャーモの戦いだけでなく、サーナイトの「ひかりのかべ」と「リフレクター」、そして「サイコキネシス」。
アレらがどれだけ高度な技術に基づくものだったのかについても見抜いていた。
しかし、レッドはどちらかというと反省をしていた。
何しろ、生徒たちを怯えさせてしまい、何人かは気絶するという事態にまで陥ったのだから。
「あー、そうだね……生徒たちには、ちょっと刺激が強すぎたかな」
気絶にまで追い込んだ時点で、ちょっとどころではないのだが。
そりゃあ、ポケモンスクールが無くなりかねない規模のポケモンバトルが、目の前でいきなり勃発したら誰だって怖いだろう。
ポケモンバトルを通り越して、怪獣大決戦である。
「あー、ところでレッド君。アローラには島めぐりという伝統儀式があってね」
何とも急な話題転換であるが、レッドは聞いたことがあると答えた。
聞いたことがあるどころか、前世の知識でよく知っているが。
「そうか。よければなんだが、レッド君も島めぐりをやってみないか?」
いきなりな提案であるものの、どうせ観光で全ての島を回る予定だったので、レッドにとって悪い話ではない。
それどころか、島めぐりの試練をクリアすれば、それぞれ対応するゼットクリスタルが貰えるので、むしろ一石二鳥である。
いっそレッドの方からお願いしたいくらいであり、二つ返事で快諾した。
「そうかそうか! ぼくとしても、レッド君がゼット技を使うところは是非とも見てみたい!」
これはククイ博士の本音である。
トレーナーとの絆が重要なメガシンカを、アレほど使いこなすレッドがゼット技を撃ったらどうなるのか。
そして、ロイヤルドームで互いの全力をぶつけ合えたなら、これ以上の事はない。
そんな心持ちであった。
……ロイヤルドームが消し炭にならなければ良いが。
「ああ、そうだ。これはぼくからのお願いなんだが……ちょっと問題を抱えてる子が居てね。もし良ければなんだが、君の島めぐりにその子を同行させてあげて欲しいんだ」
そう聞いて、レッドは一人だけ思い当たる少女がいたが、まだ確信は持てない。
何しろ、この世界はゲームのシナリオ通りに動いている訳ではない。
レッドが軽い気持ちで各地方を観光めぐりしていた時、本来は三年後に解体されるはずのロケット団残党に襲われたり。
現れるハズがないと思っていたカイオーガやグラードン、おまけにレックウザが怪獣大決戦を繰り広げていたり。
ディアルガとパルキアが両方出てきた割にギラティナが出てこないなど、ゲームの時とは違う不可解な事が多すぎた。
しかも、レッドが近くに行った時に限ってそういう事が起こるので、厄介事を引き寄せる特性が自分にあるのかと疑ったほどだ。
とりあえず、レッドは話の続きを促した。
「その子の名前はリーリエといって、バトルでポケモンを戦わせるのをあまり好まない性格でね。そのせいか、未だにポケモンを持っていないのは、スクールでもあの子だけなんだ」
レッドの予想はそのまま当たった。
教室に入った時、やたら目立つ見た目で真っ先に目に入り、スクールに居るのは既に知っていたのだ。
しかし、そうなるとこの世界はゲームよりもアニメ版に近い事になる。
エーテル財団代表のルザミーネも、ゲームのようなヒステリッククレイジーサイコママではない可能性が高い。
しかし、なぜリーリエを自分の島めぐりに付き添わせるのかと、レッドは疑問に思った。
「ああ、レッド君ほどのトレーナーについて行けば、何かしらの刺激を受けて考え方に変化が起こるかと思ってね。例えば、自分のポケモンが欲しくなったりとか」
リーリエは自分のポケモンを持っていなかった。いや、持とうとすらしていない。
ククイ博士の考えでは、リーリエが自分のポケモンを持たないのは、ポケモンバトルがあまり好きではないから。
ポケモンを持っていたらバトルを挑まれる事もあるので、それならいっそポケモンを持っていなければバトルする事もない━━そういう考えなのではないか、と。
「まぁ、本人に聞いた訳じゃないから、ぼくの予想でしかないんだけどね。でも、もしそうなら勿体ないと思う。バトルに興味を持ってほしい訳じゃないけど、自分だけのポケモンと過ごす内に学べることも色々あるからね」
というのがククイ博士の考えらしい。
なるほど、理にかなっているとレッドは思った。
しかし、アニメ版に準拠するなら、リーリエは催眠術によって記憶を一部消されており、そこから悪い方に記憶が補完されてポケモンに触れなくなった。
……というような経緯ではなかったかと、レッドは自分のうろ覚えな記憶を振り返る。
まぁ、全く初対面のレッドがそんなことをベラベラ喋る訳にもいかないので、リーリエという子が望むなら一緒に行く、と伝えた。
「そうか、ありがとうレッド君! 早速、リーリエにも伝えておくよ!」
そう言ってククイ博士は席を立ち、レッドも続いて席を立つと、二人は部屋を後にした。
★
レッドはククイ博士と別れて校舎を出ると、先ほどまで別行動していたグリーンとばったり出会した。
ミヅキも彼と一緒であり、ここに居ないのはコウミだけ。
……と思いきや、コウミはたまたま三人の姿を見つけて、なぜか物影に隠れて様子を窺っていた。
「……レッド」
たった一言でグリーンの様子がいつもと違う事にレッドは気がついた。伊達に幼馴染みをやっている訳ではない。
どうかしたのかとレッドが訪ねようとしたが。
「ピカピカァーーー!!」
ふと、今までずっとどこかに行っていたピカチュウが戻ってきた。
そのままレッドの足元まで駆け寄ってきて、その直後━━ピカチュウがやってきた方向の茂みから影が飛び出し、もの凄いスピードでレッドに迫る。
あまりに唐突だったので、レッドは防御行動で咄嗟に左腕を突き出した。
が、高速で動くそれはレッドのすぐ横を抜けてゆき、すぐに背後を振り返るも見当たらない。
「ピカァ!」
ピカチュウがレッドを指差し━━否、正確には左腕を指差しており、レッドが腕に視線を移すと、先ほどまではなかった白い腕輪が装着されていた。
「あっ……! ゼットリング……!」
「なに……!?」
ミヅキが声をあげ、グリーンが驚く。
ゼットリング━━トレーナーとポケモンが一体となって放つ全力攻撃、ゼット技を撃つのに必要なアイテムだ。
レッドはさらにゼットリングをよく見てみると、黄色い結晶が嵌まっている事に気がついた。
ゼットクリスタルである。これが嵌まっていないと、ゼット技を撃つことはできない。
そして、黄色いゼットクリスタルという事は、電属性を備えた電気ゼットである。
「あーーーーーっっ!!」
再びミヅキが声をあげた。
レッドが視線を上げてみれば、そこにはメレメレ島の守り神と呼ばれるポケモン、カプ・コケコの姿が。
人前に姿を見せることはほとんどないので、ミヅキは驚きのあまり大きな声をあげてしまったのだ。
「カプゥッ!」
カプ・コケコは、何だか挑発でもするような構えだ。
もしかしなくても、ゼット技を撃ってこいと言っているのではないか、とレッドは考える。
そういう事なら吝かではないと、レッドは構えた。
転生前の記憶のお陰で、ゼット技を撃つためのゼンリョクポーズは覚えている。
何でそんなもの知っているのかとグリーンに問い詰められそうだが、本を読んで知ったとでも言っておけば恐らく問題ない。
レッドのゼットリングから、眩いばかりの光が溢れ出す。
「すごい……!」
ミヅキはアローラに来てから、ゼット技を何度か見る機会があった。
レッドのゼットリングの光は、彼女が今まで見てきたどのトレーナーよりも明らかに力強く、倍以上に大きい。
そして、レッドが電気属性のゼンリョクポーズをやろうとして━━ゼットリングが破裂した。
「……えぇっ!?」
「……ッ!?」
見たこともない現象にミヅキは驚きを隠せない。先ほどから驚いてばかりである。
グリーンも同様に驚いていたが、すぐにレッドのもとに駆け寄った。
「レッド! 大丈夫か!?」
先ほどまでの自分の心理状態など忘れて、親友であるレッドの心配をしていた。
そして、グリーンがレッドの顔を覗き込むと、彼が今まで見たことのないような顔をしていた。
━━?????
目を丸くして固まっていたのである。まるで、何が起こったのか全く理解できず、フリーズしてしまったかのように。
そんな二人をよそに、カプ・コケコはレッドのゼットリングを外し、マジマジとそれを見つめている。
「……カプゥーーーコッコッ!!」
突然、一際甲高い雄叫びのような鳴き声をあげると、カプ・コケコはその場から飛び去ってしまった。
何とも言えない沈黙が場を支配する。
一体、カプ・コケコは何がしたかったのか。
「何事だッ!?」
ふと、ククイ博士がスクールの中から慌てて飛び出してきた。少し遅れてリーリエも現れる。
それから三人は先ほど起こった事を全て話した。コウミは相変わらず物影から見ていたが。
「なるほどな……」
ククイ博士は冷静そうに言うが、内心は焦っていた。
理由は分からないが、レッドはゼット技を撃つことができなかった。
もし仮にもう一度ゼットリングを手に入れたとしても、同じ事になるかもしれない。
そうなると、レッドが島めぐりをして大試練に挑戦する意味が無くなってしまう。
つまりは、アーカラ島のロイヤルアベニューに行く理由が無くなってしまう。
……本当にそれだけしか考えていない訳ではないが、思考の隅でそんな考えはチラついていた。
「……レッド!」
ふと、グリーンが意を決したように声をあげる。
そして、ミヅキの肩を抱き寄せた。
「ひゃっ……!?」
唐突な行為に、ミヅキは顔を真っ赤に染めて固まってしまうが、グリーンは気にせず続ける。
「俺はミヅキの島めぐりに付き合う事に決めた! その間、この子に俺が今までトレーナーとして磨いてきた知識と経験を余す事なく教えるつもりだ! だから、レッド!」
ビシッと、グリーンは隠れているコウミに指差した。
「お前はそっちの子━━コウミの面倒を見ろ! そして、島めぐりが終わった時、ミヅキとコウミにバトルしてもらう」
我ながら意味不明な事を言っているな、とグリーンは思った。
この事はミヅキと相談して決めただけで、レッドとコウミは全く事情を知らないのだ。
だから、こんな提案は受けてもらえないかもしれない。
しかし、レッドの実力を知ってしまった今、止まる事などできない。
グリーンはライバルとして、そして親友としてレッドと対等でありたいのだから。
「これは俺とお前の勝負でもある、レッド!」
レッドはポカンとして聞いている。グリーンは構わず続ける。
「受けて、くれるよな……!」
最後には、懇願するような、感情を絞り出すような声だった。
それから数秒の沈黙の後、レッドは背を向けて歩き出す。
その方向には、コウミが隠れていた。
レッドはグリーンと同じようにコウミの肩を抱き寄せて。
「ひゃっ……!?」
ミヅキと全く同じ反応で固まるコウミをよそに、獰猛な笑みを浮かべながらこう返した。
受けて立つ━━と。
タイトル舐めてんのかよ、と怒られても文句言えないね。なんか思いついたら変えときます、ごめんなさい。マジで何も思いつかなかったんです。
ところで、また自分語りいいスカ。
小説書くためにアニメ版を振り返ってたんですけど、おとなのおねえさんいいねぇ!
バーネット博士……ロイヤルマスクのファンでミーハーなところ可愛い。旦那さんのククイ博士大好きなところも可愛い。最初の問題出す時の「ブイブイブイ〜!チョキチョキチョッキン!」可愛い。
ビッケさん……おっとりお姉さん可愛い。大人っぽさを感じさせない若い声が絶妙に可愛い。アローラの大人からやる気なくなってザオボーを怒鳴り呼びした時の声可愛い。眼鏡外して可愛い。外さなくても可愛い。
ルザミーネ代表……さすがにアニメではマズイと思ったのかヒステリッククレイジーサイコママから変貌してただの可愛いお姉さん可愛い。この見た目で40歳超えてるとか絶対石仮面か波紋決めてるだろ可愛い。全年齢ゲームにこんな美魔女出すとかゲーフリ最高。一番好き。可愛い。
ククイ博士……バーネット博士が惚れるのも分かるイケメン。「サトシたちには内緒に〜」ってガオガエン投げてからのハイパーダーククラッシャーカッコ良すぎるだろ!!濡れるッ!!やっぱククイ博士が一番好き。カッコいい。
えっ、ライチさん? ライチさんは美人やろがい!
いや、ドジっ子可愛いな所もあったけど……。
ただ、もっとタケシといっぱい絡んで欲しかったんだよなーマジで。
まぁ……。
ダカラ『ドーダコーダ』言ウワケデハナインデスガネ。
以下Q&A。
Q.ハウオリシティにホテルなんてあった?
A.そんなもの、ウチには無いよ。
無いなら作(ry
空港あるのにホテル無いって意味不明なので、あってもいいですよね。
Q.レッドのピカチュウに対するグリーンのメタポケモン。
A.まだ募集してます。
あえてラッタという意見、面白かったです。死んだと思われていたヤツが戻ってきてピカチュウと戦う……。
……あいつって本当にお亡くなりになったんですかね?
永遠の謎。
沢山のご意見お待ちしております……。