その転生レッドは如何にしてアローラに伝説を作ったか   作:勇(気無い)者

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 チッ、なんかおもんないなぁ……(タイトル)


6.グリーンとミヅキの密談

 時間は少し遡り、授業が終わった直後のこと。

 グリーンはミヅキを引き連れて、人気のない場所に移動していた。

 

「ぁ……、……ぁの……グリーン、さん……?」

 

 ミヅキは、自分の心臓が爆発するんじゃないかと思うほどに早鐘を打っているのを感じていた。声も震えている。

 憧れの人に手を引かれ、こんな人気のない場所へと連れ込まれて。

 グリーンが背を向けている今の隙に、前髪が変になってないかと、手櫛で確認するぐらいには舞い上がっていた。

 が、不意にグリーンが振り向いたので、ミヅキは思わずビシッと気をつけの姿勢になってしまう。

 

「……ミヅキ」

「はっ……ひゃい!」

 

 緊張しっぱなしの噛み噛みなミヅキを他所に、グリーンは話を続ける。

 

「授業のとき、島めぐりに挑戦するつもりだって言ってたよな?」

「え……? あ、は、はい……」

「……その島めぐり、俺も同行させてくれないか?」

「え……? えぇっ!?」

 

 まさかの同行宣言に驚きを隠せないミヅキ。

 こんなポケモンバトルもまだやった事がない素人トレーナーに、なぜカントーのスーパーエリートトレーナーが付き添おうとするのか。

 その理由が、ミヅキには全く分からなかった。

 

「そ、その……どうしてグリーンさんが、私の島めぐりに……?」

「……君の才能を見込んで、頼みがある」

「頼み、ですか……?」

「ああ。君と仲の良い少女……コウミっていったっけか。島めぐりが終わった後、その子とポケモンバトルで真剣勝負してほしい」

「え……コウミちゃんと、ですか……?」

 

 ミヅキの表情が曇る。

 ポケモンバトルどころか、友達と喧嘩もした事がない彼女にとって、特に仲の良いコウミとのバトルは、やはり想像できないものだった。

 その心情を察しながらも、今は無視してグリーンは話を続ける。

 

「俺は君との島めぐりの間、今まで俺が培ってきたトレーナーとしての知識と経験を総動員して、君をトレーナーとして育てようと思っている」

「わ、私を、ですか……?」

「ああ、そしてレッドにはコウミの面倒を見てもらおうと思ってる」

「…………???」

 

 なぜそんな事をするのか、ミヅキには完全に理解不能だった。

 その心情も察しており、グリーンは順番に話していく。

 

「とりあえず全部説明する。それを聞いて、無理だと思ったら俺の頼みは断ってくれていい。少し条件も付けるしな」

「あ……はい、分かりました……」

「まず、島めぐりには俺と君の二人だけで行く」

「……………………えッ!? 二人だけっ……二人きりですかっ!?」

「ああ、すまないがコウミ達とは別行動に……どうかしたか?」

「はぇっ!? あ、なな、何でもないです! ええ、ほんと、えへへ……」

 

 二人きりで島めぐり━━それってもうデートでは?

 そんな事を考え、一瞬ながらその様子を妄想までした……そんな事は口が裂けても言えないミヅキである。

 不可解そうな顔をしながらも、グリーンはまあいいかと話を続ける。

 

「で、俺は基本的にポケモンバトルに関する事でしか口を出さない。島めぐりってのは、多分トレーナーとしての真価を試される試練みたいなもの……なんじゃねーかと俺は思ってる。だから、島めぐりの最中に起こるアクシデントなんかは、君が自分で考えて対処するんだ。俺が何でもやってたら、君の成長には繋がらないからな」

「わ、分かりました」

「それに、バトルの最中には口を出さない。直前のアドバイスか、終わった後に反省会するってのが基本になるだろう。これも君自身が色々と考えながらバトルしてほしいからだ。それが成長に繋がるからな」

「はい」

「あー……それで、俺が君を教えようとしてる理由なんだが……」

「……?」

 

 今まで澱みなく話していたグリーンは、なぜだか言いづらそうにしていた。

 

「えっと、つまりだな……俺は今までレッドと色々な勝負をしてきたけど、トレーナーの育成力を比べた事がなかったな、と思ってな」

「トレーナーの育成力……ですか?」

「ああ、ポケモントレーナーを育てて比べる事、なんだが……」

 

 そもそも、レッドは誰かを弟子に取ったり、トレーナーとして教えたりしたことはない。

 対して、グリーンはジムリーダーとして、ジムのトレーナーに教えたりなどしている。

 なのに、レッドが不利な勝負を挑もうとしているのだと思うと、少しばかり心に引っ掛かった。

 しかし、今レッドとポケモンバトルをやったところで、勝敗は目に見えている。

 こちらが六匹で向こうが三匹くらいのハンデを貰わなければ、勝負にすらならない。

 いや、その状態ですら勝てるか怪しい。

 バトル以外で勝負と考えた時に、グリーンは他人による代理バトル━━つまり、ミヅキとコウミに目をつけたのだ。

 しかし、気にしているのはそれだけでなく。

 グリーンは意を決して正直に話した。

 

「……まぁ、なんだ。つまり、俺はレッドとの勝負として、ミヅキとコウミを利用しようとしている」

 

 最も心に引っ掛かっているのは、それであった。

 ミヅキとコウミは友達同士である。

 だというのに、自分とレッドの勝負に付き合わせようとしている。

 悪い言い方をすれば、代理戦争をやらせるようなものだ。

 だから、グリーンは彼女たちを利用しているという事になる。

 もしも断られたら仕方ないと割り切り、潔く諦めるつもりだった。

 ……しかし、それはグリーン側の気持ちであり、ミヅキにとって大して重要ではない。

 それ以上のリターンが掲示されてしまったからだ。

 

「……君たちを巻き込んでしまってすまないが、もし良ければ力を貸して欲しい」

「分かりました!!」

「……えっ」

 

 思った以上に明るく乗り気な返事で、少し困惑した。

 授業の時には、コウミと良いライバルになれるだろうと言われて、ピンと来ない様子だった。

 だが、今は真逆のテンションである。

 

「いや……良いのか?」

「何がですか?」

「島めぐりが終わった後、コウミとポケモンバトルを━━」

「大丈夫です! コウミちゃんを倒して見せます!」

「えぇ……」

 

 更に困惑。お前ら友達同士じゃないのかよ、とツッコミたい気持ちになるグリーン。

 だが、ミヅキにとって、そんなものは本当に些細な事である。

 彼女にとって重要なのは、グリーンと島めぐりができて、()()()()()()()()()()()()()()()()()という部分。

 

 グリーンは基本的にトキワシティから出ることはあまり無く、公式試合の申し入れがあった時ぐらいなものだ。

 この世界では、ポケモンリーグだけが公式戦な訳ではない。

 ポケモンバトルを放映するテレビ番組なんていくらでもあるし、動画サイトだってある。

 グリーンもテレビ番組には何度も出演しているし、グリーン自身がバトルをする事もあれば、バトルの解説で呼ばれる事もあった。

 そして、グリーンは非常に整った顔立ちをしており、女性ファンは数知れず。

 動画サイトにはアカウントも存在しており、姉であるナナミと共同チャンネルではあるものの、登録者数は数千万人。

 

 彼はもはや、ポケモン界で知らぬ者は居ないほどの、世界的な有名人だ

 レッドもトレーナー達には有名だが、知名度で言えばグリーンの方が遥かに上である。

 ミヅキは、そんな彼からマンツーマンで指導を受けられるのだ。

 この先、二度とこんな幸運は起こらないと、ミヅキは断言できる。

 もしかしたら、一生分の運をここで使い果たしてしまい、近々死ぬのかもしれないと思っているほどだ。

 何より、コウミとバトルをするからと言って、それが不仲の原因にはならないだろう、と考える。

 なぜなら、友達同士でポケモンバトルをする者は、周りにいくらでも居るからだ。

 命を落としたり、コウミと絶交になるというなら、惜しみながらも断っただろうが、そんな事はない。

 だから、ミヅキは態度を百八十度改めた。

 

「グリーンさんこそ、良いんですよね? 一緒に島めぐりしてくれるんですよね?」

「ああ、それはまぁ……ただ、レッドとコウミが受けてくれるかどうかだけどな」

「コウミちゃんは私が死ぬ気で説得します!」

「お、おう……いや、説得はしなくてもいいぞ」

「ダメです! 断られたら、グリーンさんと島めぐりできなくなっちゃいます!」

「いや、言い出しっぺは俺だから、向こうが受けようが断ろうが島めぐりには付き合うぜ……」

「本当ですか!? やったー!!」

 

 大はしゃぎで飛び跳ねるミヅキ。

 そんな彼女の様子に、嫌われるかも知れないという覚悟まであったグリーンは、毒気が抜かれた気分になり、自然と笑みが溢れる。

 

「……レッド」

 

 親友であり、最大のライバルでもあるレッドの事を考える。

 

 今はこんな勝負方法しか思いつかないけど、いつか腕を磨いて追いついてみせるからな!

 覚悟して待ってろよ!




 はい、それぞれレッドとグリーンと共に、島めぐりをしてもらう。
 これがミヅキちゃんとコウミちゃんの二人を生み出した理由です。
 ぶっちゃけ、レッドどころかグリーンですら強すぎて大試練もクソもない訳ですが、ミヅキちゃんとコウミちゃんの面倒を見るなら話は別。
 つって、島めぐりを詳しくやるつもり無いですがね……。
 ロイヤルドームとエーテルパラダイス辺りしか話の構想できてないし……。この二つは早く書きたい。
 というか、こんな回想で一話使うとは思ってなかった。
 グリーンの心情をハッキリさせとかないと、グリーンがヤバい奴になってしまうのでね……。
 毎日投稿頑張ってるけど、明日は無理かも……。
 と◯る……と◯る……?
 以下Q&A。

Q.グリーンのポケモン。
A.ご意見ありがとうございます。
 ナッシー……なんで彼はナッシーを何度も手持ちに入れたんですかねw それだけで面白すぎるwたまなげ、さいみんじゅつ、ふみつけで戦わせようかな
 まぁ、真面目に戦うならギガドレインとか使わせますが、二足歩行だし蹴りとかさせたくなる
 いっそアローラナッシー……いや、その辺で捕まえたポケモンがピカ様に敵うわけないか

 ウインディ……カッコいいし可愛い。好き。
 いや、私の感想はどうでもいいな。炎タイプだとすぐフレアドライブやらせたくなる……ボルテッカーとぶつけたくなっちゃう。間違いなく押し負けるな、やめとこう……技から展開模索するの楽しいです

 バンギラス……こいつは私も使わせようか迷いました。じしん撃たせたくなるけど、小説でどうやって表現すればいいんだ……リングでじしんとか観客がやばいぞ……
 てか、でんきに突き刺さるのってじめんしか無いのね……くさドラゴンも受けが半減だけとは
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