タグとタイトルにもありますが、オリカが大量に出ますので(少なくとも融合、S、X、は全部)苦手な方は閲覧注意となっております。
もしそういうのが大丈夫でしたら、どうか暖かい眼で見守っていただけると幸いです。
かつて、この世界は全て一つであった。
全ての始まりであるスタンダード。
モンスターを合わせることでより強力な力を得る融合召喚。
小さな光だとしても、束ねることで強くなることを証明したシンクロ召喚。
絆を重ねることで全てを圧倒するエクシーズ召喚。
4つの世界に別たれたこれらは、かつて一つの世界に集約されていたのだ。
だが、全てはたった一人のあり得ざる五つ目の可能性を得た
彼はただ他者の期待に応えただけであったが、そのあまりにも強すぎる力は、世界を滅ぼしてなお余りあるものであった。
結局彼を完全に倒すことは出来なかったが、ある少女の決死の覚悟により、世界を滅ぼす力を持った彼は4つに別たれ、世界と少女、そして元凶たる男もまた4つに別れた。
それが今の世界、最早ごく一部の者を除いて誰にも知られることのない真実だ
だが僕は知っている...この世界の真実を。
そしてその先に待つ結末を。
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・3年前『エクシーズ次元』
「なぁ遊姫、お前また他校の生徒からデュエル申し込まれて断ったんだって?」
「ハハハッ、まじかよ遊姫ぃ」
ここは四つあるハートランドが運営するデュエル・スクールの一つ『ハート校』通っている者の殆どが極度のデュエルバカだ。
だからこそ、申し込まれたデュエルは断らないのが暗黙の了解みたいになっているんだけど、僕からすると大会前に自分の手の内を明かすようなこいつらのほうが頭おかしいと思う。
「うるさいなぁ、僕だって色々考えがあるんだよ」
「どうせ手の内見せたくないとかそんな感じだろ?、お前わかりやすいからなぁ」
こいつらの言いたいことも勿論わかる、この学校はプロデュエリストを育成するための施設だ。
そんな施設なのに求められても一切デュエルをしない僕は彼らからすると異端なのだろう。
だからといって苛められているわけじゃないし、この現状に特段不満もない、ただ一つ言わせて欲しい。
毎日のように校門で待ち伏せしてデュエルを申し込んでくるのはおかしいだろう!?。
「だってさぁ、もうすぐホームルーム始まる時間だからって焦ってる時に限って狙ったように校門でデュエルを仕掛けてくるんだよ?、断るに決まってるじゃん」
「まぁわからんでもないけどさぁ、一回くらいデュエルしてやっても良いんじゃねぇの?、黒咲とかいったっけ例の校門待ち伏せ男」
そう、よりにもよって僕に毎日デュエルを申し込んできているのはあの黒咲 隼なのである。
やだよ、先行RR*1に正面から突っ込むの。
「そう、うちと同じデュエルスクールの一つ『スペード校』の生徒だよ、というか皆も知ってるでしょ?、大会じゃ毎回上位常連の有名人なんだから」
「あぁ...俺らあんまりそういうの知らなくてさ」
「デュエルで楽しむことしか考えてねぇから誰が上とか全く覚えらんねぇんだよなぁ」
前述の通り、こいつらは極度のデュエルバカではあるがエンジョイ勢だからあまり大会には出ていない、まさか大会上位の有名人すら知らないとは思いもしなかった。
でも、それなら僕のデッキや使うテーマも知らなそうだし何とか
そう思った瞬間その時は来た。
「なぁ皆、あれなんだ?」
「スペード校のほう、あれなんか燃えてねぇか?」
僕はその言葉を聞いて全てを悟った。
「(とうとう始まってしまったか)」
そう、僕にはわかっていた...わかっていたのに誰にも言わなかった。
全てはあるべき道筋から外れぬために、己というイレギュラーが世界の行く末を変えてしまわぬように、僕はずっと目立たないよう行動してきた。
でも、もうそれも終わり...この世界にお別れする時が来たのだから。
「皆、取り敢えず避難用のシェルターに急いで向かって!」
まずは、クラスメイトたちを避難させなくては、少しでも犠牲を減らすためにも。
「でもよう遊姫」
だが、僕は彼らを見誤っていた。
「なんだよ!」
彼らは僕に言った。
「俺たちだけ逃げて良いのか?、他校の連中にも声かけて一緒に逃げたほうが...」
「そんなこと言ってる場合じゃないんだよ、もしかしたらここにいる全員死ぬかも知れないんだぞ!!!」
そう、僕は彼らの善性までは計算に入れず、考慮すらしていなかった。
彼らは確かにデュエルバカでそれ以外は全てどっかに置いてきてしまったようなやつばっかりだが、人としての善性はしっかりと持ち合わせていた。
それが今自分たちだけ逃げることへの罪悪感という枷となり、彼らの行動を阻害してしまっている。
「...他校の人たちには僕が声をかけて回るよ、どうせおじさんたちの所にも声をかけに行かなければいけないからね、ついでに街中の人たちにも声をかけてくる」
仕方なく、彼らを納得させるための嘘をつくことにした。
流石に彼らもこう言っておけば避難を始めるだろうと、僕はそう思っていた。
まぁ、結局それも無駄になったんだけど。
「俺たちも手伝っ!」
「それはダメだよ、ほら...もうあんなに火が燃え広がってる、大人数で行ったりしたら二次被害で余計に犠牲者が出っ...おい待てよ、もうここまで来たのか奴らは...!」
これが、僕がエクシーズ次元で出来た友人たちとの最後の会話になった。
この直後、僕たちの学校は街を火の海に変えた奴らによって地獄と化した。
後に次元戦争と呼ばれる長い長い戦いの始まりである。
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・3年後 スタンダード次元『遊勝塾』
「FA-クリスタル・ゼロ・ランサーでダイレクトアタック」
「防げるカードがねぇ、俺の負けだ」
「すっげぇ!、夏彦お兄ちゃんがまた勝った!!!」
ここは遊勝塾、スタンダード次元にあるデュエル専門の教育施設だ。
元はかなり有名で入塾希望者も多かったらしいが、何年か前に先代塾長が試合の直前にいなくなったことで敵前逃亡した臆病者呼ばわりされ、そのせいで新しく入る者もほぼいなくなってしまったそうだ。
「ねぇ皆、遊矢君はまだ来ないのかい?、彼とデッキ構築について色々話し合う約束してたんだけど」
「遊矢お兄ちゃんならカードショップに寄ってからくるって言ってたよ」
この僕、遊姫 夏彦は結局のところ誰ひとりとして救えなかった。
いくら僕が
数の暴力の前では、僕が
「そっか、それじゃ僕が迎えに行こうかな」
僕はそっとデッキケースを撫でながら、この世界で初めて遊矢たちに出会った時のことを思い出した。
3年前 スタンダード次元
「何とか逃げられたけど、僕以外は全滅か...わかってはいたけどかなり厳しい状態だね」
融合次元の奴らと戦った結果、僕は力を使って何とか生き残れたけど、他の友人たちは全員カードにされてしまった。
たまたま手に入れた融合次元のデュエルディスクがなかったら逃げきれなかっただろう。
「でもここってスタンダード次元だよね、つまり後々奴らがくるってことだから、安全とは言えないなぁ」
デュエルディスクの画面にはここがスタンダード次元であることが映し出されており、そこから察するに僕が倒した融合次元の奴らはエクシーズ次元への進攻が終わったらスタンダード次元に向かうつもりだったのかもしれない。
「これからどうしようかな、一応融合次元の奴らから奪ったカードを換金して生活することもできるけど、最終的にはそれも尽きるから、どうしたものかなぁ」
「やぁ、君どうしたんだい?」
「えっ?あっすいません、通行の邪魔になってましたか?」
どうやら道をふさいでしまっていたらしい、早くどかないと。
「いや、どうやら困っているみたいだったから声をかけたんだが」
「アハハッ、恥ずかしながら宿無しでしてね、今日泊まるところを探していたんですよ」
まじで恥ずかしいことに今日泊まる場所を決めていないのである。
「それならうちに来ないかい?」
「えっ?良いんですか?」
「おう!困っている若者を放っておくわけにはいかんからな!」
「ありがとうございます!...あっ、お名前をお聞きしても?」
「おう!俺は柊 修造、遊勝塾というデュエル塾で塾長をしている者だ!」
これが遊勝塾の塾長『柊 修造』との出会いであった。
「ここが遊勝塾だ!」
「ここが」
僕はこの場所を、この世界のことをよく知っている。
かつて、まだこの世界に生まれ変わる前のこと。
僕は前世の友人たちと一緒に動画サイトで期間限定で無料配信されていた遊戯王のアニメを見ていた。
その名も『遊戯王ARC-Ⅴ』
悪名高きペンデュラム召喚を世に送り出し、地獄の環境を作り出したアニメとして名高いあれである*2。
「ちょっと前に色々あって塾生が結構減っちまったが、そんなことでへこたれてるわけにはいかねぇからな!ここからまた駆け上がろうって残ってくれた塾生たちと頑張ってる最中なんだ!」
「柊さん、これも何かの縁ですから僕にもお手伝いさせていただけませんか?」
「いいのか!?」
「はい、微力ながらお力になれればと」
「よし!じゃあこれからよろしく頼む!」
こうして僕の『遊勝塾講師』兼『柊家の居候』としての生活が始まったのである。
・現代『スタンダード次元』
「う~ん、カードショップっていってもこの町には無数にあるからなぁ、遊矢君はどのショップに寄ったのかな?」
遊勝塾でデュエルをしながらこの世界で出来た新しい友人を待っていたのだが、一向に現れないので自分から探すことにしたのだ。
そんなこんなで探し回っていると。
「おーい!」
「あっいたいた」
なんと尋ね人のほうからやってきたのだ。
「探したよ遊矢君」
「ごめん!俺のデッキと相性の良さそうなカードがないか見て回ってたらつい待ち合わせ時間を過ぎちゃって」
「構わないよ、それにそういことなら先に言ってくれたら良かったのに、君のデッキと相性の良いカードなら幾つか候補をピックアップしてあるんだから」
「本当か!ありがとう夏彦!」
「わわわ!抱きつくなバカ!」
言い忘れていたけど、この僕『遊姫 夏彦』は...女である。
いかがでしょうか?今回は本当に始まりも始まり、バトルも殆どないのでオリカも出てきませんが存在だけは仄めかしています。
おそらく次回以降にはなりますが、昔作者が友人たち(今は仲違いして関わりがなくなった)と見せあいっこをしたオリカの数々(作者の作品のみ)が沢山出ると思います。
それでは次回もどうかよろしくお願いします。