「何となく作った。」⋯だと?貴様、覚悟は出来ているんだろうな?暇つぶしにこんなつまらん物を作りやがって⋯。
作ったんなら、最後まで書け。それが作者の定めだ。
最近、新しく発見されたアーティファクトがある。
それは⋯石、真っ白なのに先が見える透き通った三日月の石⋯でも、ただの石ではない。その石は、『願いを叶える』と言われている。だが、人々はその
当たり前だ。もし、そんな物があれば世界は終わっている⋯しかし、その石は存在している。それが確認されたのは、名の無き小さな村だった。
けど⋯その村はもう無い。名の無い村に願いを叶える
国の王は最悪の事態を恐れ直ぐに討伐隊を放ったが見つけられなかった⋯けど、王の予想とは裏腹に何も起きなかった。
それもその筈、石を奪った者はもしかしたら一度しか願いを叶えられないのでは?と思った。そういった事から
⋯少し時が経ち人々は全てが作り話だったのでは、と広がり徐々に
だが、人々は知らなかった⋯
シドside
僕は姉さんを誘拐した敵の大将を殺した。そして大将のペンダントを取って帰ろうとしたけど、足にコツンッと何かに当たった。それを確認すると『三日月の形をした石』だった。手に取って見ると⋯妙な魔力を感じた。
僕は石をポケットに入れ、その場を去った。
姉さんが王都へ出発した日の夜、僕はアルファを呼び出しそれとなく石について聞いた。
「アルファ、これが何か分かるか?」
石を弄びながらアルファに聞く。
「石?」
う〜ん、アルファも分からないかぁ⋯そうだ!
「⋯アルファ」
「?」
「これを調べてみたけど、僕は分かった。アルファたちにはこの石が何か分かるまで、預けようと思う」
「⋯!」
「けど、勝手はしちゃダメだよ?」
そう言ってアルファにいしを渡す。
「分かったわ」
石を受け取ったアルファは姿を消す。
⋯ふっ、僕は天才だ。自分は分かっていないのに、あたかも分かっている様に見せ掛け、部下に調べさせる。そして、どんな物か分かっても勝手はさせない。
⋯やはり僕は天才だ。
と思っていたのだが、数日後の夜⋯
「シャドウ、分かったわ」
「⋯え?」
え、早くない?まだ二日三日しか経ってないよ?
「シャドウ、この石はアーティファクトと呼ばれるものね」
「⋯」
アーティファクト?何それ?
「そしてこのアーティファクトは、願いを叶える物⋯そうよねシャドウ?」
「⋯へ?」
願いを叶えるだって?いやいや、アルファの嘘だろう。僕をここまで取り乱させるとは、アルファもやるねぇ。
「シャドウ、体調が優れないの?先程から声が」
「へ、へ〜アルファは僕が体調管理も出来ないって言うんだ」
「い、いえ、そんな事は⋯!?」
「⋯別に良いよ、本当の事だし」
「なっ⋯!?」
「それとアルファ、その⋯」
「?」
あ、アー、アーティスト?名前何だっけ?
「兎に角、それを返してくれないかな?」
「え、えぇ⋯」
石を返してもらった⋯。
「じゃ、僕は外の空気を吸ってくるよ。あ、付いてこないでね、一人になりたいから」
「⋯シャドウ、一ついいかしら?」
「良いよ」
「もし、願いを叶えられるのだとしたら⋯シャドウは何を」
「アルファ」
「ッ!?」
僕はアルファの言葉を遮り、声に少し圧を乗せる。
「今から言うのは僕の独り言だ」
「⋯」
「僕はね、時々思うんだ⋯死んだ人にまた、会えるのかなって⋯」
「まさか⋯!?」
「はい、独り言はこれで終わり!アルファも早く寝るんだよ」
僕は一瞬でその場から姿を消す。
ポツンと一人残されたアルファは呟く。
「⋯ごめんなさいシャドウ、デルタが勝手にアーティファクトに願い事をしたわ⋯でも、何も起きなかった。シャドウの願いは⋯叶わないかも知れないわ⋯」
僕はアルファと出会った時の小屋の屋根の上で寝そべっていた。
「今日は三日月かぁ⋯」
石と月を照らし合わせながら呟く。
「確か⋯彼と出会った時も三日月だったな⋯」
僕は前世の記憶を思い返す。
彼と初めて出会った日の事を⋯。
僕がまだ中学の頃⋯夜、いつもとは違う森の中で陰の実力者になる為の修行をしようとしたら、少し開けた広場に出た⋯その真ん中に、彼は居た。
そして彼は⋯目を閉じて舞っていた。そう、舞っていたんだ。
その光景に僕も最初は驚いたさ。けど、その事よりも目を見張る物があった。
それは⋯彼の舞い方だ。彼の舞いは、凄く洗練されていて、美しく滑らかで流れて行く様な無駄の無い動き⋯一言で表すなら⋯そう、『水』だ。
僕は彼の舞いを見た時どうしても
「⋯ッ、誰!?」
此処には誰もいないと思ったのだろう。彼が驚いているが僕はお構い無しに話し掛ける。
「君も陰の実力者にならないか!?」
「⋯え?」
「君のその舞に僕は心打たれた!汗一つ流さず、呼吸も乱さない、何より美しく滑らかで水の様に流れる舞⋯素晴らしい!」
「⋯えっと、ありがとう?」
「謙遜しなくていい、君の舞はそれ程素晴らしい物なんだ!」
「いや別に謙遜はしてな」
「それで、君は名前は?」
僕は話していて(?)気付いた⋯名前を聞かないと!⋯と。
「⋯いや、君こそ誰だよ」
逆に聞き返されてしまった、そこで僕も気付いた。
「確かに陰の実力者たる者、先に名乗らないといけない⋯ふっ、良いだろう僕の名は、名は⋯」
「ははっ、そういえばあの時はまだスタイリッシュ暴漢スレイヤーとして活動する前だったしなぁ⋯え〜っと、確かその後は⋯」
「⋯名前、言わないのか?」
「陰の実力者たる者、実名は名乗らない⋯!」
「⋯はぁ、俺は
「え、あ、うんよろしく?」
彼⋯麗が普通に名乗ったからびっくり、僕が言うのもなんだけど普通は名乗らないからね?
「俺が名前を言ったんだ。君の名前も教えてくれよ」
「⋯
「影野、実⋯分かった。実、よろしく」
「あぁよろしく、麗。⋯所で麗も陰の実力者に」
「ならん」
「ば、バカな⋯この状況なら仲間になる、筈なのに⋯!?」
「いや知らないよ、なるなら光の実力者になるよ」
光の実力者⋯僕が陰の実力者⋯要するに。
「僕と対立するって事かな?」
「いや、対立じゃなくて『
「好敵手⋯確かに陰の実力者にもそれが必要かも知れない⋯」
「それに仲の良い好敵手だよ。あるだろ、好敵手同士で敵を倒す所とか?」
共に闘う好敵手⋯
「そうだな、共に歩もう⋯ようこそ、陰の世界へ⋯!」
僕は手を差し出す。そんな僕に麗は⋯。
「いやだから俺は⋯はぁ、分かったよ」
手を取った。
「ふんっ!」
「っ!」
瞬間、僕は麗に背負投をする⋯が途中で抜けられてしまった。
そして麗は僕から距離を取る。
「⋯実、最初からそのつもりで」
「⋯あぁそうさ、見た時は興味だけだったけど手を取った瞬間確信した⋯麗は強い、下手したら僕よりも⋯」
「⋯それで、続けるのか?」
続けるか、だって⋯?そんなの⋯!
「無論、続けるに決まってる!」
僕は麗に向かって走った。
そして⋯。
「はぁ⋯はぁ⋯どんだけ体力あるんだよ⋯!」
「はぁ⋯はぁ⋯まさか、これ程、とは⋯!」
僕たちはお互いに体力が尽きて倒れていた。
「はぁ⋯実、俺の動き、真似てただろ?それも攻撃に」
「あ、バレた?」
「当たり前だよ。あんな動きされたら流石に分かる」
僕は麗の動きを真似ていた。
麗は僕の攻撃を全て受け流していた。この時はまだ未熟だったけど、転生前でも勝てるかどうかは分からなかった。
そして、麗の受け流し方にある事を気付いた。それは舞だ。舞を『防』として使い、僕の攻撃を舞って、交わし、流された。そうなれば当然、僕は体勢を崩す⋯けど、麗は反撃はしてこなかった。
僕は思った⋯試されている、と。そこで僕は麗の舞を『防』ではなく、『攻』として真似た。
⋯案外簡単に出来たから楽だと思ったけど、それは最初だけだった。
徐々に身体が動かし辛くなっていった⋯右手左手、右脚左脚の四肢だけではなく、腰などの身体全体の速さが一つ一つ違う。だから一つの動作を間違えれば全てが遅れる。
この僕でさえ、この舞の習得は完璧には出来無いと思った。これを自然に出来ている麗は、どれだけ並外れた努力をしたのだろうか。
でも、一撃は与えられた。そしたら麗は「ふ〜ん」と言って、攻めに転じてきた。
麗は格闘術で攻撃してくるが⋯遅い、動きもぎこちない、好に舞を使って来ない⋯それなら避けれる。もしかしたら麗は、攻めが苦手なんだろう。
そうして、僕と麗はお互いに攻守を切り替えながら攻撃を当てられないまま、体力を擦り減らしていった。
⋯その結果、今に至る。
「⋯気になった事があるんだけど、良いかな?」
「どうぞ」
「攻撃は苦手?」
「⋯苦手だよ、それでも一般人には負けないけどな」
「そっか⋯麗は攻に舞を使える?」
「無理だな、幾ら練習しても乱れる。だから実が舞を使ってきた事には驚いたよ⋯それも攻撃に」
「⋯だったら、僕は攻の舞を貰っても良いかな?」
「貰うってなんだよ、さっき出来てたじゃないか?」
「いやぁ⋯何となく?」
「⋯はぁ」
「あ、溜め息付かないでもらえるかな!?」
「⋯実」
「?」
「一緒に⋯舞、練習してみるか?」
「いいの!?」
「あぁ、俺が守の舞、実が攻の舞⋯二人で一つ、これこそ好敵手だな」
「つまり⋯僕が矛、麗が盾⋯陰と光⋯いい、とても良いぞ!」
「いや、矛と盾は違う気がする」
「まぁまぁ細かい事は気にせず、ね?」
「実は⋯ぷっあっはははは!」
「えっ笑うの?⋯じゃあ僕も⋯あっはははは!」
僕たちは意味も分からず笑った⋯いや本当何で笑ったんだろう、今も分からない。
そして、笑い終わったら麗が話し掛けてくる。
「ふぅ⋯実、一週間に一度また此処で会わないか?」
「そうだねぇ、僕も麗と戦いたいし」
「それもあるかもだけど」
「え⋯!?」
「さっきも言ったけど、一緒に舞を練習したいから」
「⋯分かった」
僕たちは同時に起き上がる。
「なら⋯毎週土曜日の夜、此処に集合な!」
麗は、拳を突き出す。それに僕は⋯
「あぁ⋯僕は陰の実力者になる為のさらなる高みへ!」
拳を突き返した。
⋯その時、月に掛かっていた雲が晴れて麗の顔が良く見えた。
「!?」
「どうかしたか?」
「いや、何でもない⋯」
「ならいいけど⋯あ、やっべ、もうこんな時間じゃん!?」
「え、ちょ⋯!?」
「またな実!」
麗は走って、森の中に消えていった。
僕は一人そこに立っていた。
「あれは、一体⋯」
自分の目元を触れる⋯。
「でも⋯」
一瞬、ほんの一瞬だけ見えた、麗の目⋯。
「とても、美しかった⋯」
僕は空にある三日月を見上げ、そう言った。
「⋯似てるなぁこの石と⋯真っ白なのに、奥が見える様な透き通る麗の目と⋯」
次の週、麗とあの場所で会ったけど⋯麗の目は茶色になっていた。驚いてその事に付いて問いただしけど、元からこの目の色だと言う。
僕があの時見たのはなんだったのだろうか、幻覚⋯なのだろうか?いや、そんな筈ないと思い修行そっちのけで、麗と話し合った。(何故かは分からないけど『みの君』と呼ばれる様になった?)
結局、目の事は分からずその日は話しだけで終わり⋯次の週また会おうと言った⋯。
けど、次の週会う事は無かった⋯麗は来なかった。約束したのに⋯けど、知ってからは悲しかった。
麗は死んでしまった。学校で起きた原因不明の火事によって⋯麗は一人の少女を助けて其の儘、逝ってしまったようだ。
僕はその事実に⋯一ヶ月は寝込んだ気がする。それ程までに麗は僕にとって、大きな存在だったんだろう。
彼は⋯麗は僕の好敵手で、同じ⋯とは言わないけど、高みを目指す実力者で、最高の⋯。
「っ⋯」
「ははっ⋯願いを、叶える⋯か⋯」
アルファが言ってた事を思い出す。
もし、僕の願いが叶うなら⋯。
「彼に⋯西沢麗に⋯もう一度、会いたい⋯」
「⋯」
「⋯」
「⋯はっ、当たり前だよな⋯願いなんて、叶うわけ⋯ん?」
突然石が光り出して僕の手から離れ宙に浮かぶ。更に上昇して月と重なり、黒い影となる。
その瞬間、石は姿を変え、人の形になっていく。その様子を僕はただ見るだけ。
完全に人の形になった石?は、ゆっくりと降りてくる。それを僕は抱える。
「⋯麗」
僕は彼の名を呼ぶ。
⋯もう、会えないと思っていた彼が僕の手の中にいた。
「でも⋯」
それよりも気になる事がある。
何で⋯なんで⋯。
「裸で小学生みたいな姿なんだろ?」
ッ、痛いなぁもう。あんな強く殴らなくてもいいじゃないか!?
「知らん、お前が悪い」
えぇ⋯ま、いいや。
⋯皆様どうでしたか?面白かったですか?
これ、気分で書いたので好評なら続きます。
(あれ、これ好評稼ぎ?⋯大丈夫かな、消されない?)
「⋯もう一発殴らせろ」
え、ちょ、まっ(殴)
「我は言ったぞ『最後まで書け』とな⋯はぁ、いつもならこいつが言うが⋯今回は我が言おう⋯」
「誤字、指摘、感想、評価、良かったら宜しく頼む。次回があれば、また会おう⋯」
「我は問う。この小説を『短編』と『連載』どちらが良いか⋯さぁ選べ」
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「連載!」
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「短編!」