ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「はい。セイマ様、どうぞ」
「あの霊魂を浄化できるかも知れない方法を一つ知っています」
「何ですかそれは?」
「『退魔神剣』です」
「退魔神剣?」
「はい。これは大剣使い以外の人には馴染みが無い技でしょう。僕は大剣使いなので知っているのですが・・」
「何故馴染みが無いのでしょう?」
「その技は、ある大剣でしか使う事が出来ないからです。それは『妖刀龍光』と言うのですが、滅茶苦茶弱いので基本誰も使いません。それも馴染みが無い理由の一つです」
「どこにあるか知っているのですか?」
「はい。ピドナの『レオナルド武器工房』に」
「ノーラさんのとこか」
「はい」
どうやらエレンさんもセイマさんも、『ノーラさん』と言う人の事は知っているようだ。
「じゃあアタシはピドナに行って、その大剣を買ってくるよ」
「でもそうすると、大剣使いはどうするんだい?『退魔神剣』は大剣素人では使えない技だよ?」
「セイマさんは・・」
「僕はこれから皆と別の所に行かなくちゃいけないからね」
「そうですよね・・」
「それなら、ネビユもあたし達と一緒に来る?少し先の話になるけど、ピドナにも行くからね。それなら、セイマもずっといるから」
エレンさんの申し出は魅力的だけど・・。
➡ ぜひお願いします!
せっかくですが・・。
「ぜひお願いします!・・と言いたいのですがやはりやめておきます。出来る限り早く母を何とかしたいので・・」
「そうだね。それが良いと思う」
エレンさんは少し残念そうだが、紙に何かを書き始めた。
そして、アタシにその紙を渡した。
「これは?」
「それはノーラさんへの紹介状だよ。それを見せればノーラさんが協力してくれるはず」
「はず?」
「まあ、確実とは言えないからね」
そう言って、エレンさんは笑った。
「それじゃああたし達はこれで。ネビユ、おじいさん、またね!」
「またね!」
「元気でね」
「はい!ありがとうございました!!」
アタシは三人とそれぞれ握手を交わした。
それが済むと、三人は次の目的地へと向かった。
三人は何度もこちらを振り返って手を振った。
アタシもそれに答えて、三人が見えなくなるまでずっと手を振った。
三人が見えなくなると、心の中がからっぽになった感じがした・・。
「行ってしまわれましたな」
「うん。まあ、アタシも明日朝一でピドナに向かうんだけどね」
「そうですね。寂しくなります」
「そんなに気を落とさなくても良いじゃない。別に永遠の別れでも無いんだからさ!」
「娘の時も・・そうだったのですがね・・」
「あっ・・」
アタシは言葉を失った。
そうなのだ。
じいやもお母さんが突然死ぬなんて思わなかっただろう。
「姫様、今日はもうゆっくりお休みなさいませ」
「うん、そうする。ありがとねじいや」
その日はそれで終わった。
次の日・・。
朝早く起きて、アタシはグレートアーチからピドナ行きの船に乗った。
1000オーラムはなかなかの痛手だったけど、じいやからいくらかもらったから何とか大丈夫だ。
じいやとの別れは何だかんだ寂しかった。
けど・・。
母を救えるのは自分だけだ。
そう強く思って出発した。
昼頃ピドナに到着して、すぐに『レオナルド武器工房』を訪ねた。
ノーラさんはいるか尋ねると、尋ねた女性がノーラさんだった。
助かった・・。
ノーラさんがいない事を想定していなかった。
まあ、アタシにはそう言う予感もあるので、それが無い時点で『ノーラさんはいる』って事になるけどね。
「で、私に何か用かい?」
ノーラさんは女性でありながら筋骨隆々としている。
武器や防具の開発をしているからだろう。
「これを・・」
「ん?何だ?」
アタシはノーラさんに、エレンさんからの手紙を渡した。
最初はつまらなさそうに読んでいたが、いきなり急に興味を持ち始めたようだ。
目がキラキラ輝いている。
「ふーん・・。あんた、エレン達と知り合いなんだ。『妖刀龍光』を売ってほしいんだって?」
「はい、そうです。あの、エレンさん達とはどう言った関係ですか?」
「な~に。昔、ちょっと一緒に旅をした仲だ。盗まれた『聖王の槍』を取り返すのを手伝ってもらったのさ」
「そうだったのですね」
「ああ。そう言う訳なんで、アイツらには借りがある。なんで、喜んで協力するよ」
「ありがとうございます!あの、それで『妖刀龍光』は・・?」
「心配無用さ。『妖刀龍光』は全然売れてないからね。なので、問題は大剣使いの方だな」
「誰かアテはありますか?」
「ああ。飛びっきりの使い手がね。ただ、今そいつはツヴァイクに行っていてね。おまけに何かと忙しい奴だから、協力してくれるかどうかは分からないがね」
「そうなんですね。そこは自分で何とかします。ところで、ツヴァイクで何かあるのですか?」
「ああ。もうすぐ武闘大会が開かれる。ソイツもそれに出るんだと」
「今から行っても参加できますか?」
「ああ。まだ間に合うだろうさ。ソイツはかなり早く出発したんでね。そう言えば、アイツもさっき出発したんだったか」
「えっ?」
「ああいや。こっちの話さ。じゃあちょっと待っててくれ」
そう言って、ノーラさんが奥に引っ込むと、すぐに大剣を一本持って戻って来た。
「ほい、これが『妖刀龍光』だ。値段は600オーラムだよ」
アタシは600オーラム支払った。
妖刀龍光は刃が逆さについており、普通の大剣とはまるで違う形状だった。
そう言えば、セイマさんが持っていたのと似てるな・・。
これが『刀』って奴なのか。
名前通り妖気を感じる・・。
アタシはとても扱えそうにないな・・。
「せっかくだから、アンタもツヴァイクの武闘大会に参加したらどうだい?自分の実力がどの程度か確かめたいだろう?」
「そうですね。その人にも会えるのなら一石二鳥ですからね。そうします」
「ああ。でもソイツやアイツと当たった場合、どっちを応援するか迷っちまうなぁ。アンタもかなり良い奴みたいだからね」
「あはは。ありがとうございます。もし、その二人にお会い出来たらノーラさんの事お伝えしておきますよ。名前を教えていただけますか?」
「ああ。『ソイツ』の名が『ガモリー』、『アイツ』の名が『ウナガ』だ。歳は多分、どちらもアンタと同じぐらいだよ」
「ガモリーさんとウナガさんですね。分かりました。それでは、行ってきます」
「おう!頑張れよ!!」
こうしてアタシは、ツヴァイクへと出発した・・。