ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「そちらは?」
「町長に御用があるとの事でしたので案内してきました」
「あらそうですか。申し訳ありませんが、私は別件で忙しいので何のお構いも出来ません」
「大丈夫です」
「じゃあ、夫の所に案内しますね」
「ありがとうございます」
「お二人は先に準備をしておいて」
「はい」
と言う事で、奥様に案内されて町長の部屋にやって来ました。
奥様は私を案内すると、すぐにどこかに行ってしまいました。
ドアは開けたままになっています。
若い女性と二人きりになっているので当然ですね。
部屋の中もかなり豪華な造りになっています。
かなりお金をかけたのが分かります。
このお金はどこから来た物なのでしょうね?
「私が町長です」
何だか良く分かりませんが、すごくイライラします。
何故でしょう?
すごく町長を殴りたくなりました。
いけません。
落ち着かなくては。
すぐに、殴る以上に手痛いダメージを与えてやれるのですから。
「お初にお目にかかります町長さん。私は『ガモリー』と申します」
「フム。ガモリーさんですね?それで、今日は何の用でいらっしゃったのですか?」
「随分と羽振りが良さそうですね。調度品は高級品ばかりですし、部屋もかなり広いです」
「ははは。努力の賜物と言う奴ですよ」
「本当にそうでしょうか?」
「ん?どう言う事ですかな?」
「突然羽振りが良くなったのは7年前。そして、5年前にはキドラントはそこそこの町の仲間入りを果たしています。つまり、7年前に起こった事件のおかげで羽振りが良くなったのだと考えても、何もおかしくありませんよね?」
「7年前?果て・・?何があったか全く思い出せませんが・・」
「『いけにえ事件』がありました。あなたは報酬を約束して、冒険者に魔物退治を依頼しましたよね?わざわざ、『子供をいけにえに捧げねばならない』などと同情心を煽って。そして、魔物を退治しようと意気揚々と洞窟に出かけた冒険者を、洞窟に閉じ込めた」
「・・・」
「ちなみに魔物の正体は、ツヴァイクの西に住む教授が開発した天才ネズミ型ロボットと、そのネズミ型ロボットにまとめられたネズミの大群でした。ネズミは、あなたも知っていると思いますが、人を食べる事などほぼありません。あるのは、赤ん坊や高齢者がほんのごくまれに襲われるぐらいです。そのため、生贄を捧げる必要なんてこれっぽっちも無いのです。なのに何故あなたは、『生贄をささげねばならないから魔物を退治してくれ』などと嘘を吐いたのですか?」
「・・・」
「答えられないのでしたら、私が代わりに答えましょうか?それは、亡くなった冒険者の所持金を盗み、身に着けている武器や防具を売りさばくためですよ」
「・・・!」
「ここまで町を発展させたぐらいですから、かなりたくさんの人が犠牲になったのでしょうね。どんなに強い戦士でも、洞窟に閉じ込められて水や食料が尽きてしまえば、もうどうしようもありませんから」
「証拠はあるのですか?」
「あります。あなたが武器や防具を売った店を探して、それが見つかれば、売った武器や防具に付いている指紋と、いなくなった方達の指紋を照合します。あなたはそこまで調べられるとは思っていなかったでしょうから、証拠を隠滅していませんよね?」
「5人だ」
「えっ?」
「犠牲になったのは5人だけだ。その中の一人が貴族の息子だったようで、かなりの大金を持っていた。なので、ここまで発展させる事が出来た」
敬語を使わなくなりました。
全てバレたので吹っ切れたと言う事でしょうね。