ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
私も、もう我慢する必要はありませんね。
「5人『だけ』ではありません!5人『も』です!!あなたが知らない赤の他人ならどんな目に合っても良いと仰るのですか!?」
「うっ・・」
「もし、あなたの大切な人が同じ目に合わされたら、あなたはどう思うのですか?悲しむのではありませんか?その5人の方達にだって、亡くなって悲しんでいる人がいるのですよ!?」
久しぶりに熱くなってしまいました。
私らしく無いですよね。
何だか最近、自分が少しずつ変わってきているような気がします。
原因は一体何なのでしょうか?
「私はピドナ軍の者です。ですから、この事を世界中に発信してあなたを裁く事も出来ます」
「そ・・それだけはご勘弁を」
「まあ、私もそこまではしません。そんな事をした所で、亡くなった方達は帰ってきませんから」
「・・何が望みだ?」
「大した事ではありません。有事になった際、キドラントの『鉄』をピドナに優先的に売ってもらいたいのです」
「確かにキドラントでは鉄が豊富に取れるが・・。それだけで良いのか?」
「もう一つあります。私をいけにえの穴に入らせてもらえませんか?」
「何故だ?」
「亡くなった方達の供養をしたいのです。おそらく、誰もやっていないでしょうから」
「良いだろう。だが、洞窟の前には大きな岩がある。一人では動かせんぞ?」
「動かせないなら壊すまでです。では、誰か案内を・・」
「案内ならオレ達がやる!」
ドアの陰から、先ほどのカップルが出てきました。
どうやら、途中から話を聞いていたようです。
「オレはいけにえ事件が起きていた当時ここにいなかったから知らなかったけど、ここまでとは・・。どこまで腐っているんだ町長!」
「私も間接的に関わっていたのですね。ショックです」
「ポール・・。ニーナ・・」
「お嬢さん、済まない。オレ達も亡くなった冒険者達を供養したい。良いだろうか?」
「お嬢さんでは無く、ガモリーです。もちろんですよ。では、案内をよろしくお願いします」
「ああ。任せてくれ」
「それでは行きましょう」
私達三人は、早速いけにえの穴に向かいました。
いけにえの穴はキドラントのすぐそばにありました。
町長が仰った通り、穴の前には大きな岩がありました。
確かに、これをどかすのは私一人では厳しそうです。
と言うか、3人でも厳しいかも知れません。
「これなんだけどな。実は真横に簡単にスライド出来るんだ」
「えっ?そうなのですか?」
「ああ。見せてやるよ」
そう言うと、ポールさんは岩を軽く押しました。
すると、簡単に真横に移動しました。
これにより、いけにえの穴の入口が姿を現しました。
「本当ですね」
「だろ?でも、コイツは真横以外には絶対に動かない。見てろ」
そう言って、今度は正面や斜めから岩を押しましたが、びくともしません。
「なるほど。岩の下に秘密がありそうですね」
「ああ、多分そうだろう」
「ポール、そろそろ行きませんか?」
「ん?ああ、そうだな」
「お二人とも、入る前に少しよろしいですか?」
「ああ」
「ええ」
お二人の返事がぴったり合いました。