ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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ツヴァイク武闘会 予選㉙

(くそっ!!)

 

(何て重い一撃なんだ・・)

 

(確実に急所を狙ってきやがった)

 

(だが)

 

(おかげで突破口が開けそうだぜ)

 

ルネは何とか気絶せずに済んだ。

 

(それにしても)

 

(これって本物の水中じゃ無いんだよな?)

 

(どう見ても本物だが・・)

 

(まあ良い)

 

(とにかくまずは)

 

(傷の手当をしないとな)

 

(生命の水!!)

 

ルネは聖なる水によって回復した。

それから辺りを見回し、コブンゴを探した。

コブンゴは水中で慌てふためいている。

 

(まさか)

 

(泳げないのか?)

 

(今なら楽に勝てるが)

 

(このまま勝っても夢見が悪いよな)

 

ルネはコブンゴに近づき、コブンゴのさらに下にもぐりこんだ。

 

(双竜破!!)

 

ルネが双竜破を放つと、コブンゴが上へと押し出されていった。

そして、見事に地上に出た。

 

「何だ!?いきなりコブンゴ選手が水中から飛ばされてきたぞ!そして地面に叩きつけられた!」

「あぐ・・ぐ・・」

 

コブンゴが背中を痛めたようだ。

その時、ルネが泳いで水中から出てきた。

 

「どうやら名も無き少年も無事なようだ!」

「何で・・俺様・・助けた・・?」

 

ルネが地上に上がってくると、コブンゴが立ち上がってから呟いた。

 

「俺様、泳げない・・。お前分かったはず。なのに、何で助けた?」

「そんな状況で勝っても何も嬉しくないんでね。オレは自分の力を試すために出場したんだ。勝つのはそれのついでさ」

「お前、俺様に勝てない」

「確かに、さっきまでのオレならな。だが、さっきのお前の攻撃で閃いた事があってね」

「何だそれ?」

「すぐ分かるさ。じゃあ行くぜ!!」

「名も無き少年が、コブンゴ選手に向かって突っ込んだ!さて、一体どうなる?!」

 

ルネがコブンゴに向かって走ったが、途中でジャンプした。

 

(狙うのは急所だ!!)

 

(新しい技をお見舞いしてやる!!)

 

「活殺獣神衝!!」

 

ルネはコブンゴの頭上から下りて来て、コブンゴの気管支系の急所を突いた。

これにより、コブンゴの呼吸中枢を狂わせ、内部からダメージを与えた。

 

「う・・うが・・が・・」

「これなら、お前の体もクソも関係無いだろう?」

 

コブンゴが倒れて消えて行った・・。

 

「どうだ見たか!!」

 

ルネは自分の左手のひらを右手の拳で叩いた。

 

「コブンゴ選手もやられた!!今年はまるで超新人(スーパールーキー人)のバーゲンセールだな!!」

 

観客達が笑った。

 

「この少年も後で名前を確認しておく!とにかく素晴らしい槍の使い手だぜ!!今はとりあえず、最後のEブロックに注目だ!!」

 

ついにテレビ画面に映っているのが、Eブロックのみとなった。

 

 

 

Eブロック スタンレー

 

(素晴らしい槍の使い手?)

 

(しかも少年???)

 

(まさか・・)

 

(ルネか?!)

 

リーケルはタバタの言葉を聞いてそう思った。

 

「今勝利したのは、坊ちゃんだと思いやせんでしたか?」

 

ゲンパチがリーケルに尋ねた。

 

「ええ。では、あなたも?」

「そう思いやす。ですから聞いたんですがね」

「そうですか・・」

「ついでに、もう一つ聞いても良いですかい?」

「はい、何でしょう?」

「坊ちゃんとリーケル王子、どちらが強いんですかい?」

 

一瞬たりとも迷わなかった。

 

「ルネの方が圧倒的に強いです」

「そうですかい」

「ですので、もし私に負けるような事があれば、あなたよりもルネの方が確実に強いと言う事になります」

「それも悪くは無いですね。弟子が師匠を超える・・。こんなに嬉しい事はありやせん。ですが、あっしもそう簡単に負けるつもりはありやせんがね!!」

 

ゲンパチがかざぐるまの体勢を取った。

 

(あれはかざぐるまか!)

 

(ルネは先生と戦っている時に憶えたから)

 

(ゲンパチさんに教わった訳じゃ無いけど)

 

(構えはそっくりだよな)

 

(ならばこちらは・・)

 

「大震撃!!」

 

リーケルが地面にバトルハンマーを叩きつけた。

 

「むおっ!!」

 

ゲンパチはかざぐるまの体勢を解いた。

 

「やりやすね・・。あっしの構えを解くなんて・・」

「ありがとうございます」

「そう言えば、ここでは武器の性能は関係無いですが、普段から『バトルハンマー』を使用しているんですかい?」

「ええ、そうですが、それが?」

「いえね。坊ちゃんもね。ずっとそうだったんですよ。スタンレーに『アーメントゥーム』が売っているのに、ずっとロングスピア使ってて。で、あっしが『何故アーメントゥームを買わないんですかい?』って尋ねたら、『オレは武器の性能じゃ無くて、自分の実力で勝ちたいから』と言ってました」

 

(そうだったのか・・)

 

(てっきりお金が無いんだとばかり・・)

 

「ですが、今日坊ちゃんの姿を拝見したら、何と『アーメントゥーム』を持っているじゃないですか!心は変わるもんだなぁと思いやしてね。それに比べて、あなたはりっぱだ」

「あ、いえ・・。実はですね。私がバトルハンマーを使っているのは、それよりも強い武器が見つからないだけでして・・」

「なんだ、そうでしたか」

「それとですね・・。ルネが使っている『アーメントゥーム』は、私がプレゼントした物でして・・。ある時から、父上からお小遣いがほとんどもらえなくなったらしいので、てっきりお金が無いとばかり思って・・。済みません」

「ああ・・なるほど・・。それで・・」

 

ゲンパチは他の事に合点がいったみたいだ。

 

「そうか・・。それであんなに大事にアーメントゥームを扱っていたんですか。あなたからプレゼントされた物だから」

「えっ?ですが、ルネは元々物を大切に扱う奴ですが・・」

「確かに坊ちゃんは普段から物を大切にする人でした。あっしもそれは承知しています。ですが、あのアーメントゥームは全く刃こぼれしていやせんでしたし、汚れもほとんどありやせんでした。手入れも毎日きちんとされているんですね」

 

(そう言われてみると)

 

(納得できる事がいくつかあるな・・)

 

(ルネ・・)

 

(ありがとう・・)

 

リーケルは目を瞑った。

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