ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「ふう・・。やっと話せるよ」
ウナガがのっそりと現れた。
「何か邪魔しちゃまずいかなと思って。けど、なるべく早く話がしたかったから、話が終わるまで盗み聞きしてしまった。まずかったかな?」
「いや、別に構わないけど。俺に何か用かい?」
「うん。あのさ・・」
「済まないウナガ。俺に先に話をさせてもらっても良いか?すぐに終わるから」
ユウもウナガとリーケルの所にやって来た。
(何だ何だ???)
(もしかして俺は)
(男にモテる境遇なのか?!)
リーケルはショックを受けた。
「う~ん・・。本当にすぐ終わる?」
「ああ」
「なら良いよ。オイラの話は長くなりそうだし」
「ありがとう」
「な・・何だ?俺に訊きたい事って・・?」
「何故そんなに緊張している?」
「だってさ、お前みたいなタイプは俺の周りにいなかったもんで、どうやって話をしたら良いか分からなくて・・」
「普通に話せば良い」
「そ・・そうか・・。で、何だ?」
「簡単な事だ。アイツの力はデータ通りだと思ったか?」
「いやまさか!あんなデータまったく参考にならんよ!彼女はあのデータの全ての能力+5ぐらいの能力だと思っておいた方が良い!」
「な・・何だって!?+全能力+5?!」
「お・・おう・・。お前も驚くんだな・・。ちょっと意外だ」
「俺を何だと思っていたんだ?ロボットじゃ無いんだぞ?・・まあ良い。お前が実際に戦ってそう思ったのならそれが事実だろう。ありがとうリーケル」
「よっしゃ!!どういたしまして!!あのさ、俺からも一つ質問良いか?」
「ん?何だ?」
「客観的に見て、俺が彼女に勝つ可能性はあったと思うか?」
「勝つ可能性はあったさ。それは誰にだって言える事だが。可能性が0の奴なんか、最初から諦めている奴以外いないからな」
「つまり可能性は極めて低かったって事か?」
「俺が思うに、『宝くじで一等賞を当てる』のと同じぐらいの確率だったろうと思う」
「そうか~・・。まあ、そうだろうな~・・」
「あまり悔しそうでは無いが、何故だ?」
「予想してたからな。彼女は滅茶苦茶強かった。もしかしたらハリードさんよりも・・」
「そう!そのハリードさんだよ!オイラが訊きたいのは!!」
「お・・?な・・何だ急に?」
「ユウ!もう良いよね?」
「ああ。俺の話は終わった。助かったよウナガ」
ユウはその場を離れた。
「それで話と言うのは?」
「う~ん・・。確かに、ユウと話してた時とは大分違うね。まあオイラとしてはそっちの方が助かるけど」
「お前は話しやすそうだからな」
「ユウだって話しやすいよ?」
「まあ、それはさっき話してみて分かった。で、早く話をしてくれないか?」
「ああ、ゴメン。リーケルはさ、ルネと一緒にハリードさんと会ったのかい?」
「会ったよ」
「どこで!?」
「ルネは何て言ってた?」
「『リーケルと一緒に話す』って」
「じゃあそうした方が良いか?でもなあ、アイツが武闘会で勝とうが負けようが、どちらにしろ話すのは困難になりそうだからな~」
「負けたらって言うのは分かるけど、何で勝っても『話すのは困難』になるの?」
「『気が散るから話しかけるな!!』って言いそうだからな」
「あ、ありうる」
「って訳で、これは俺の判断で話す事にするよ」
「ありがとう!!」
「俺達がハリードさんと会ったのは、スタンレーの近くにある洞窟でだ」
「ハリードさんは何をしてたの?」
「最初は『トルネード』って名乗って俺達に接近してきたんだけど・・」
リーケルは、それから起きた事をかいつまんで話した。
「で、別れる前に自分の本当の名前を教えてくれて、『世界を守る役に俺達を選んだ』って言ってたよ。実際、稽古もつけてもらったしな。主に先生にだが・・」
「先生?」
「ランスの聖王廟で・・かくかくしかじか・・」
「ふむふむ・・。何だか面白そうだ!オイラも受けられないのかな?」
「う~ん・・。あの時はハリードさんがいたから受けられた感じだったからな。ちょっと厳しいかも」
「そっかぁ・・」
ウナガは残念がった。
「俺が話せるのはこんな所だな」
「ありがとう!」
「それじゃあ今度はウナガの番だ。何でそんなにハリードさんの事が気になるんだ?」
「そうだね。話しておいた方が良いよね。実はオイラは・・」
ウナガは、自分がゲッシア王朝の生き残りである事、そして、ハリードと『カムシーン』を賭けて戦わなければならない事を話した。
「そうか・・。それは辛いな・・。ハリードさんの事、別に恨んでいる訳じゃ無いんだろう?」
「うん」
「それでも、戦う事は避けられそうに無い・・か」
「・・うん」
「にしても、お前も貴族なんだな。確かに、体から溢れるオーラみたいなのは感じたが・・」
「そうなんだ!王子に言われると説得力があるね!でも、何か続きがありそうだけど・・」
「ああ・・。何か田舎者って感じもしたんだよな~」
「何だって?!・・って言いたい所だけど、否定できないんだよなぁ・・。ずっとピドナに住んでるのに、何でだろう?」
「ははっ!そうか。自分自身でもそう思っていたのか」
「まあ・・ね」
何とか場の空気を明るくしようと試みたが無駄だった。
「なあウナガ」
「うん?」
「もしお前が良かったらだが、この大会が終わったら、俺達と一緒に来ないか?」
「えっ、良いの!?むしろオイラから頼みたかったんだけど」
「ああ」
「リーケルは良いとして、ルネはどうだろう?OKしてくれるだろうか?」
「俺がOKさせるさ」
「何かこう言う時のリーケルって妙に男らしいよね」
「そ・・そうか?」
「うん。それが女の子に出来るなら、かなりモテると思うんだけど」
「ははは・・。似たような事をさっきも言われたような・・」
「何かもったいないね」
2人が声を出して笑った。
「さて・・と。じゃあそろそろルネとネビユちゃんの試合が始まる頃かな」
「だね」
2人はテレビに注目した。