ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
翌日・・。
俺は朝食の場でミカエル様に、話をしたいので朝食後に俺がお世話になった主要メンバーを全員玉座の間に集めてほしい旨を伝えた。
ミカエル様は二つ返事でOKしてくれた。
そして朝食後・・。
「では、話と言うのを聞こうか」
「俺、ロアーヌを出ようと思います」
お二人とも予想していたようで、驚きはしなかった。
でなければ、いきなり『主要メンバーを集める』なんて事、簡単に承諾する訳が無い。
「主要なメンバーをここに集めたのは、挨拶をするためか?」
「はい。もう帰ってこない訳では無いですが、それでも、お世話になった方々に挨拶したいのです」
「それは良い心がけだ。だが、突然こんな事を言い出すのには、ゴドウィンと戦った時に何か心境の変化があったと言う事だな?」
「はい。まずは、俺がまだ全然弱いと言う事。あそこまでゴドウィンに歯が立たないとは思ってもみませんでした」
「ふむ。そうだな」
「もう一つは、ゴドウィンがモンスターに変化する時に、不思議な言葉が聞こえた事です」
「ほう・・。それは?」
「『心配するな。お前達はモンスターなどにはならない。ただ我々の部下となり、我々のために働くのみだ』です」
「『お前達?』・・何だか意味深だな」
「はい。これは俺自身が経験した事なのか、それとも近くにそう言われていた奴がいたのか、その辺りは分かりません。でも、世界を旅すれば、何かヒントを得られるのでは無いかと思うのです」
「そうだな。それが分かったのも今回外に出たからだったしな。それで?どこに行くかのアテはあるのか?」
「いいえ、全然・・」
「ならば、まずはツヴァイクに行ってみてはどうだ?そろそろ武闘会が開かれるからな。強い奴もたくさんやって来るだろう。お前の現在の立ち位置がどの程度かも分かるはずだ」
「武闘会!良いですね。ではまずはツヴァイクへ向かいます」
「そうか。それでは私から一つ頼みがあるのだが・・」
「何ですか?俺に出来る事でしたら」
「そうか。それは助かる。これはモニカの事なのだが・・」
俺はチラッとモニカ様の方を見た。
モニカ様は俯いている。
しかもユリアン大臣まで。
何だかお二人とも申し訳なさそうな感じだ。
「モニカ様が何か?」
「実はな・・。モニカは7年前、私達が世界を救う前の話だが、ツヴァイク公の息子との縁談が決まっていたのだ」
「えっ?それって、モニカ様がツヴァイク公に嫁ぐ予定だったと言う事ですか?」
「そうだ。ツヴァイク公との縁談が決まれば、ロアーヌに強力な後ろ盾が出来るからな」
「じゃあ何故、ユリアン大臣と結婚しているのですか?」
「それは・・」
「そこからは、私からお話いたします」
モニカ様がキッとした表情で俺を見た。
「私はそれが嫌で、ユリアンにお願いしたのです。『ここから連れ出して』と」
「それで・・」
「ユリアンは『自分も行く』と言ってくださいました。私はその言葉を聞いて喜びました。何故なら、私はあの時からユリアンを愛していたから。もしかしたらユリアンも・・そう思うと・・」
「俺もモニカの事をあの時から愛していた。だから、ツヴァイクへの護衛を任された時、いっその事、モニカを連れて逃げようかと考えた。モニカも同じ気持ちだった。だから、すぐにモニカを連れて駆け落ちしたんだ」
「駆け落ち・・。な・・なるほど・・。それで・・?」
「当然、それは私達の知る所となった。それからどうするか思案した。とりあえず、モニカの影武者をモニカとしてツヴァイクに送る事になった。その後の事はそれから考えようと言う事になってな」
「な・・何て行き当たりばったりな・・」
「本当に。私がマスカレイドを探している時に、そんな事があったなんて何度聞いてもびっくりよ」
カタリナ様が首を振った。
「ああ、そうだろうな。まだ私も若かったのだな。あの時は何て無謀な事をしたのかと今は思う。だが、驚く事が起きた。偽モニカ達が乗っている船がモンスターに襲われて沈んでしまったのだ。そして、モニカは行方不明と言う事になった。それは当然だ。その船にモニカは乗っていなかったのだから」
「乗組員はどうなったのですか?」
「幸いと言ってはいけないだろうが、一人を除いて、偽モニカを含め全員無事だった。だが、モニカは行方不明と言う情報は広がったままだ。せっかくだからこの情報を利用させてもらう事にした。私としても、ツヴァイク公のバカ息子なんかに、大事な妹をやりたくなかったのでな」
「お兄様・・」
モニカ様が涙ぐんでいる。
ま・・まさかそれって・・。
ミカエル様が用意したモンスターだったり・・?
俺はそう思ったが口には出さなかった。