ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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別れの言葉はいらない⑤

「オイラはウナガ。出身地はゲッシア王朝で、現ピドナのクラウディウス家の養子だよ。家族構成は・・、本物の両親以外の事は分からない」

「じゃあクラウディウス家の事を紹介してよ」

「分かった。母役はミューズ・クラウディア・クラウディウス様、父役はシャールさん。オイラがこう言う理由は、二人はまだ結婚していないから」

「二人はどんな人?」

「ミューズ様の名前は、『女神』を意味するんだって。まさにその名前の通り美人で、性格もおっとりしてる女神様なんだ」

「シャールさんは?」

「シャールさんは元近衛軍団の軍人だから、稽古の時とかは物凄く厳しいんだ。でも普段は物凄く優しい人でもあるよ」

「へえ~。何だかお似合いのカップルって感じ」

「おお!分かってるねネビユ!!そうなんだよ。本当に二人はお似合いでさ。早く結婚してほしいな~って思ってる」

「近いうちにそうなるよきっと」

「本当かいネビユ?」

「うん!アタシが保証する」

「よし!信じるよ」

「ありがと」

 

ネビユもウナガも気分が良さそうだ。

 

「よっしゃ!じゃあ今度は兄弟について教えてくれ」

「兄のゴン、妹のミッチの二人。もちろん皆、血は繋がってない」

「どんな経緯があって養子になったんだ?」

「オイラ達三人は、赤ん坊の時にピドナの旧市街に捨てられてたんだ。もちろん、別のタイミングでだよ。で、孤児院でしばらく一緒に過ごしたんだけど、ゴンが10歳、オイラが8歳、ミッチが6歳の時に、三人で旧市街地に探検に行ったんだ。そうしたら、ミューズ様が住む家からオーラみたいのが見えてさ。それで、その家を恐る恐る訪ねたんだよ」

「そしたら?」

「最初はシャールさんに滅茶苦茶怒られたよ。『ここはお前達のような薄汚い子供が来る所じゃ無い!』ってね」

「ひどい言われようだな」

 

ルネが憤慨した。

 

「オイラも当時はそう思った。けど、シャールさんが怒ったのには理由があったんだ。当時はミューズ様の正体を知っていて、命を狙う奴が結構いたんだ。で、もしかしたらオイラ達もそうなんじゃ無いかって思たんだってさ。確かに、オイラ達みたいな貧しい身なりの子供達が、理由も無く知らない人の所にやって来たんだから、そう思われても仕方が無いって思った。子供相手なら油断するだろうしね」

「なるほどな。けど、結局は信用してもらえたって事か」

「うん。武器なんて持ってなかったし、後は『目を見た』って言ってたよ」

「目?」

「子供が嘘を吐いた時は目を見れば分かるってシャールさんが言ってたんだ」

「なるほどな。ところでウナガ」

「なんだいルネ?」

「お前達は普段、どんな風に暮らしているんだ?」

「別に普通だよ。何日か武器や術の稽古をやって、一日休みって言うような感じ」

「じゃあウナガの朱鳥術も教わった物なの?」

「うん。シャールさんが朱鳥術を得意としてるからね。オイラも朱鳥術の資質があったみたいだったから、ちょうど良かったんだ」

「危なかったよ・・。もしウナガと対戦してたら、アタシは火が苦手だからさ。すぐに負けちゃったと思うんだよね」

「それはどうかな?やってみないと分からないと思うよ」

「ふふ・・。そうだよね」

 

(ウナガって)

 

(普段から明るいから気づかれないけど)

 

(本当はすごく辛い想いをしてきてるんだ)

 

(ここにいる中で一番辛い想いをしているのは)

 

(間違いなくウナガだろうな)

 

ネビユは笑顔のウナガを見ながら、そう思った。

 

「あ、そうそう!稽古で思い出したんだけど、昔は勉強もしたよ!ミューズ様とシャールさんに教わったんだ。オイラ達は当然学校なんて行って無いからね。最初は読み書きすらままならなかったんだ」

「学校は俺も行ってないな。ルネはどうだ?」

「オレも行ってないぜ」

「アタシも行ってない。だから、普通の子供達の生活が羨ましかったなぁ」

「そうか・・。何だかんだオレ達って、特殊な存在なんだよな・・」

 

ルネの言葉に全員がシュンとした。

 

「えっと・・。じゃあ次は特技だね。オイラの特技はずばり、『存在を消す事が出来る能力』だ」

「は・・?」

 

三人はポカンとした。

 

「オイラ達兄妹三人にはそれぞれ綽名があってね。『悪ガキのゴン』、『泣き虫のミッチ』、『影薄のウナガ』って呼ばれてたんだ。影が薄いだなんて失礼しちゃうけど、実際オイラって時々存在感が無くなる時があると思うんだ」

 

(自覚・・あったんだな)

 

リーケルが思った。

 

「今の所、この能力がかくれんぼ以外に役に立った事は無いけど、いつか必ず戦闘で役に立たせたいと思ってるんだ」

「確かに、その能力はかなり役に立ちそうだよな」

「だよね?」

 

ルネの言葉に、ウナガは喜んだ。

 

「あとは趣味か。かくれんぼとか、鬼ごっことかかな。良く三人でやったからね。ちょっと子供っぽいかな・・?」

「別にそんな事無いと思うよ?それらの事を趣味だと言えるって事は、良い思い出があるって事だよね?」

「まあね。だけど、悪い思い出もあるけどね。例えば、かくれんぼで見つけてもらえずに放っておかれたとか、ゴンがミッチを見つけられず、魔王殿まで探しに行って帰って来られなくなったり・・」

「な・・なるほど・・。まさに特技が役に立ってるって事なのかな・・?」

 

ネビユが呟いた。

 

「オイラの自己紹介は以上だよ」

「よっしゃ!じゃあ準備運動は終わったな。さあ、どんどん話をしていこう!」

 

リーケルが気合を入れた。

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