ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
俺は4人と別れた後、ポドールイにたどり着いた。
雪が降り注いでいる。
もう辺りは暗くなっている。
静かな夜だ。
とは言え、真夜中と言うほどでも無い。
それなのに、外には人っ子一人見当たらない。
あまりにも静かすぎる
と、俺は思った。
その時、どこからか不思議な旋律が聞こえてきた。
俺は耳を澄ませた。
夜の静けさを思わせる旋律だ。
少し寂しさがあるが、悲しくは無い。
そして苦しくも無い。
テンポがそれほど遅くないからだろうか。
この旋律を作曲した人は、どんな風にポドールイの事をイメージしたのだろう?
興味が湧いた。
旋律が聞こえなくなった。
俺はとりあえずパブに向かった。
酒を飲むためじゃ無いぞ?
俺は酒が嫌いなんだ。
酒の匂いを嗅いだだけでも・・うう・・気持ち悪くなる。
とりあえず腹ごしらえをするためだ。
「いらっしゃい」
パブのマスターが俺に言った。
「何か飲みますか?」
「ホットティーと、あとハムサンドを」
「はい」
マスターがホットティーとハムサンドを作り始めた。
客は俺を含めて4人。
皆、一人で静かに飲んでいる。
俺は静かな所が好きだ。
なので、こうした静かすぎる場所でも全然苦にならない。
ホットティーとハムサンドが来た。
俺はまずゆっくりとホットティーを飲み始めた。
体が温まる。
心も落ち着く。
やはりコーヒーでは無く紅茶に限るな。
そしてハムサンドを食べる。
なかなかうまい。
こんなにゆっくり食事をしたのはいつぶりだろうか。
軍に所属していると、どうしても食事は早くなりがちだ。
「ごちそうさま」
「500オーラム頂きます」
俺は500オーラムをカウンターに置いてパブを出た。
いよいよ、レオニード伯爵との面会だ。
気合を入れていくぞ。
・・と思ったが、今日は流石に時間が遅い。
今日はここで一泊して明日朝一で向かう事にしよう。
明日の朝なら、町の外に人が出て来てるかも知れないしな。
次の日・・。
俺は朝早く起きて部屋を出た。
朝になっても、人は一人も出てきていない。
この町は一体どうなっているんだ?
パブには人はいたが、ここには子供の姿が見当たらない・・。
何か理由があるのだろうか?
俺は諦めて伯爵の城へと向かう事にした。
伯爵の城は、ポドールイの北の山にある。
つまり、また少し歩かなければならないと言う事だ。
この辺りは、多少道が整備されている。
伯爵のためと言うよりは、城にやって来る人のために整備したようだ。
階段を上ったり橋を渡ったりして進んでいくと、5匹のモンスターに道を阻まれた。
4匹は普通の狼(地狼 獣LV1)で、後ろに、群れのリーダーと思われる銀色の毛並みの狼(天狼 獣LV4)がいる。
「お前達も死んだ後、モンスターにされたのか」
俺の言葉は狼に届いている訳も無く、警戒しながらゆっくりとこちらに近づいてくる。
そして、リーダーを除く4匹が、俺に襲い掛かって来た。
「モンスターとは言え、狼を斬るのは忍びない。『デイブレーク』!!」
俺は、次元の狭間を作り出してモンスターを引きずり込む術を使った。
まずは襲い掛かって来た4匹が術に飲み込まれた。
リーダーの狼は何とか堪えていたが、やがて次元の狭間に飲み込まれていった・・。
モンスターを飲み込むと、次元の狭間が消えて行った。
お前達の犠牲は無駄にはしない。
俺は狼達のために祈った。