ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「なるほど。良く分かりました。つまりガモリーも、何かしらの理由があって伯爵を訪ねたと言う事ですね?」
「そうです。そして、その時の私は、彼女の質問に答える事が出来ませんでした。ですが今なら分かります。『全てを知る者』を支配下に置き、彼に全てを訊いたのですから」
『全てを知る者』?
「ガモリーはあなたに何をお聞きになったのですか?」
「『太陽の貴公子』と同じですよ。彼女も、自分が何者か分からなかった。なので、500年以上この世界に生きている私を訪ねた。当然ですね。私は500年以上生きており、魔王とも面識があります。さらに私は、その間に出会った存在は全て記憶しているのですから。ですが、そんな私でさえも、彼女が何者かが分かりませんでした」
「それはつまり、ガモリーは、伯爵がこの世界に生まれる前の存在である・・と?」
「何を他人事みたいに仰っているのですか?あなたもそうなのですよ?『太陽の貴公子』」
「な・・何だって!?」
確かに違和感はあった。
例えば、ガモリーを『姉さん』と呼んでいた記憶がある事とか、ガモリーと剣の稽古をして、剣では一度も勝てなかった記憶がある事とか。
後は、謎の人物達に『心の中に入られそうになった事』とか・・。
《心配するな》
《『お前達』はモンスターなどにはならない》
《ただ》
《『我々』の部下となり》
《『我々』のために働くのみだ》
・・思い出してきた。
あの時、『奴ら』は『俺達』の心の中に入って来ようとした。
『俺達』の心の中に入り込み、俺達を完全に支配しようとしたんだ。
それに気づいた俺は、皆に『心の中に入られないよう注意しろ!』と助言した。
だが間に合わず、俺と姉だけが残ったんだ・・。
あれ以来、俺は他人に心の中を読ませないように意識してきた。
弱みを握らせるのも嫌だったからな。
まさか、ガモリーも・・?
またネビユに会えたら訊いてみないとな。
『ガモリーの心の中は読めたのか?』と。
それにしても、
俺とガモリーは本当に姉弟だった・・のか?
「ふうむ・・。ショックではある物の、ある程度予想していた。そんな表情をしていますね」
「そうですね。色々記憶が無くなっているので、おかしいとは思っていました。まだ所々、記憶の中に靄みたいな物が残っていますがね」
「まだ完全には記憶が戻りませんか」
「はい」
「では、あなたが今日ここに来た目的に対する答えを順番に話していきましょう。それで、記憶が蘇るかも知れませんし」
「お願いします」
「では一つ目。『ミカエル王から、私が元気かどうかを確認するよう頼まれた』。見れば分かりますよね?私は元気です。ミカエル王に、そのようにお伝えください」
「分かりました」
「二つ目。『ツヴァイク公から、私が悪さをしているかどうかを確認するよう頼まれた』。あなたはここに来る時に狼のモンスターに襲われましたが、あれは私の責任ではありません。彼らは亡くなったばかりだったので、私には支配下に置く時間がありませんでした。申し訳ありませんでした」
「いいえ。謝罪の言葉はいりません」
「そう言って頂けると助かります。ツヴァイク公が言う『悪さ』が、『死んだ動物や植物をモンスターに変える事』であるようなので、それをしたのは私では無いと断言しておきましょう」
「あなたは、それが誰の仕業か知っているのですか?」
「もちろんです。そのために私は、『全てを知る者』を支配下に置いたのですから」
「さっきもその名前を聞きましたが、『全てを知る者』とは?」
「この世界が始まった時に存在した者。すなわち、特別な一本の『木』の事です」
「木・・」
木とも話せるのか。
この人(?)は・・。
「私は別に、木と話せる訳ではありませんよ?ただ情報を抜き取っているだけです」
「な・・何故俺の考えが分かったのですか・・?」
「あなたの表情から、あなたが何を考えているのかが分かりました。それだけですよ」
やられた!!
俺がネビユにやった事を
こうもあっさりと!!
俺を見て、レオニード伯爵が口角だけ曲げて微笑んだ。