ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

212 / 214
ユウ編 第二章⑤

当時、俺は『アイム』と呼ばれていた。

『アイム』・・か。

ツヴァイク武闘会で戦った時、ガモリーが呟いていた言葉だったな。

あの時はてっきり自己紹介でもするのかと思ったが・・。

ガモリーはあの時、この事を俺に伝えたかったのか。

おそらく、ガモリーから『アイム』の事を聞いた事が、俺の記憶を呼び覚ます最初のトリガーだったと思われる。

まさか、ガモリーは記憶が戻っているのか?

ちなみに、ガモリーは当時、『グレモリー』と呼ばれていた。

 

俺達二人は、『六磨貴族(ろくまきぞく)』のメンバーだった。

『磨』とは『磨く』と言う事。

俺達はそれぞれ『磨かれた特別な能力』を持っていたため、他の貴族からそう呼ばれるようになったんだ。

では、残りの4人とは誰か?

言うまでも無い。

この後『四魔貴族』となったアウナス、アラケス、ビューネイ、フォルネウスの4人だ。

 

俺達は、他の貴族とは一線を画していた。

俺達が他の貴族に手を出さなかったのと同様、他の貴族もまた、俺達には手を出さなかった。

そうして平和が保たれていた。

 

だが、ある時その平和が破られた。

俺達の能力を得るべく、他の貴族が襲い掛かってきたんだ。

どうやら扇動した奴がいたらしい。

『俺達を倒せば、俺達の能力が手に入る』とかほざいていたからな。

そんな訳あるか!

 

今後も襲われる事があるかも知れない。

そこで俺達は、メンバーのリーダーを決める事にした。

どんな時でもリーダーの指示に従う。

そうしておいた方が、色々と迷わなくても済むからな。

 

「さて・・と。リーダーに適任なのは誰だろうな?」

 

アラケスが周りを見回しながら言った。

 

「アラケスはダメだろう。何せ筋肉馬鹿なのだからな」

「悪かったなビューネイ!確かに、お前はオレと違って頭も良いし、実力もある。だが、お前は敵を舐めすぎる傾向がある。『あわれなムシけらども』とか言ってな。それは、リーダーには向いていないんじゃ無いか?」

「そうだな。それは否定しない」

「フォルネウスは幼すぎるから無理じゃろうて」

「それなら、アウナスは歳を取りすぎてダメだね!何でもかんでも『定め定め』って言って諦めてるんだからさ」

「ぐぬぅ・・。これも『定め』か・・」

「ほらね」

 

フォルネウスがお手上げのポーズを取った。

 

「・・と言う訳で、お前達双子のどちらかがリーダーになるのが良さそうだが」

 

ビューネイが他の4人の意見をまとめた形だ。

 

「私は、アイムがリーダーになるべきだと思います」

「俺はリーダーに向いていない。姉さんがやってくれ」

「そうでしょうか?」

「ああ。俺はいつも姉さんに剣の稽古で負けているし、すぐに熱くなるからな。姉さんのような冷静さがリーダーには必要だろう」

「ですが、私なんかが・・」

「皆に聞いてみれば良いんだ。姉さんがリーダーに相応しいかどうかを」

「皆さん、私なんかがリーダーで良いのですか?」

「異議なしだ」

 

ビューネイが頷いた。

 

「異議なしじゃ」

 

アウナスも同意した。

 

「異議なしだよ」

 

これはフォルネウスだ。

 

「異議なしだな」

 

アラケスも頷いた。

 

「だってよ。姉さん。これで自信が持てたんじゃないのか?」

「分かりました。それでは『六磨貴族』のリーダーとして、精一杯務めさせていただきます。皆さん、よろしくお願いします」

「よろしく頼むぜリーダー」

 

こうして俺達のリーダーはグレモリー(ガモリー)に決まった。

グレモリーの統率力はかなりの物だった。

そして能力値も。

 

腕力は三番手(一位フォルネウス、二位アラケス)

器用さも三番手(一位ビューネイ、二位アウナス)

俺に継ぐ素早さ。

体力は下から数えた方が早い(アウナスと同じ。最下位は俺)

圧倒的な魔力(二位は俺)

ちょうど6人の平均値の意志力(その平均値が高い)。

ビューネイと良い勝負の魅力(とは言え、どう考えてもビューネイの方が美人)。

 

と言った感じだ。

 

俺は姉をリーダーにして本当に良かったと思っていた。

あの時までは・・。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。