ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
当時、俺は『アイム』と呼ばれていた。
『アイム』・・か。
ツヴァイク武闘会で戦った時、ガモリーが呟いていた言葉だったな。
あの時はてっきり自己紹介でもするのかと思ったが・・。
ガモリーはあの時、この事を俺に伝えたかったのか。
おそらく、ガモリーから『アイム』の事を聞いた事が、俺の記憶を呼び覚ます最初のトリガーだったと思われる。
まさか、ガモリーは記憶が戻っているのか?
ちなみに、ガモリーは当時、『グレモリー』と呼ばれていた。
俺達二人は、『六磨貴族(ろくまきぞく)』のメンバーだった。
『磨』とは『磨く』と言う事。
俺達はそれぞれ『磨かれた特別な能力』を持っていたため、他の貴族からそう呼ばれるようになったんだ。
では、残りの4人とは誰か?
言うまでも無い。
この後『四魔貴族』となったアウナス、アラケス、ビューネイ、フォルネウスの4人だ。
俺達は、他の貴族とは一線を画していた。
俺達が他の貴族に手を出さなかったのと同様、他の貴族もまた、俺達には手を出さなかった。
そうして平和が保たれていた。
だが、ある時その平和が破られた。
俺達の能力を得るべく、他の貴族が襲い掛かってきたんだ。
どうやら扇動した奴がいたらしい。
『俺達を倒せば、俺達の能力が手に入る』とかほざいていたからな。
そんな訳あるか!
今後も襲われる事があるかも知れない。
そこで俺達は、メンバーのリーダーを決める事にした。
どんな時でもリーダーの指示に従う。
そうしておいた方が、色々と迷わなくても済むからな。
「さて・・と。リーダーに適任なのは誰だろうな?」
アラケスが周りを見回しながら言った。
「アラケスはダメだろう。何せ筋肉馬鹿なのだからな」
「悪かったなビューネイ!確かに、お前はオレと違って頭も良いし、実力もある。だが、お前は敵を舐めすぎる傾向がある。『あわれなムシけらども』とか言ってな。それは、リーダーには向いていないんじゃ無いか?」
「そうだな。それは否定しない」
「フォルネウスは幼すぎるから無理じゃろうて」
「それなら、アウナスは歳を取りすぎてダメだね!何でもかんでも『定め定め』って言って諦めてるんだからさ」
「ぐぬぅ・・。これも『定め』か・・」
「ほらね」
フォルネウスがお手上げのポーズを取った。
「・・と言う訳で、お前達双子のどちらかがリーダーになるのが良さそうだが」
ビューネイが他の4人の意見をまとめた形だ。
「私は、アイムがリーダーになるべきだと思います」
「俺はリーダーに向いていない。姉さんがやってくれ」
「そうでしょうか?」
「ああ。俺はいつも姉さんに剣の稽古で負けているし、すぐに熱くなるからな。姉さんのような冷静さがリーダーには必要だろう」
「ですが、私なんかが・・」
「皆に聞いてみれば良いんだ。姉さんがリーダーに相応しいかどうかを」
「皆さん、私なんかがリーダーで良いのですか?」
「異議なしだ」
ビューネイが頷いた。
「異議なしじゃ」
アウナスも同意した。
「異議なしだよ」
これはフォルネウスだ。
「異議なしだな」
アラケスも頷いた。
「だってよ。姉さん。これで自信が持てたんじゃないのか?」
「分かりました。それでは『六磨貴族』のリーダーとして、精一杯務めさせていただきます。皆さん、よろしくお願いします」
「よろしく頼むぜリーダー」
こうして俺達のリーダーはグレモリー(ガモリー)に決まった。
グレモリーの統率力はかなりの物だった。
そして能力値も。
腕力は三番手(一位フォルネウス、二位アラケス)
器用さも三番手(一位ビューネイ、二位アウナス)
俺に継ぐ素早さ。
体力は下から数えた方が早い(アウナスと同じ。最下位は俺)
圧倒的な魔力(二位は俺)
ちょうど6人の平均値の意志力(その平均値が高い)。
ビューネイと良い勝負の魅力(とは言え、どう考えてもビューネイの方が美人)。
と言った感じだ。
俺は姉をリーダーにして本当に良かったと思っていた。
あの時までは・・。