ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「ふむふむ・・。なるほどなるほど・・。実に素晴らしい姉弟愛だ」
話を聞き終わり、伯爵が頷いた。
「伯爵が『全てを知る者』から得られた情報と比べていかがですか?」
「全て一致しています」
「そうですか」
「これで、あなたは全ての記憶を取り戻した事になりますか?」
「いいえ。実はまだ、戻っていない記憶があります」
「ほう?それはどのタイミングのですか?」
「俺が『アイム』の時の記憶では無くて、『今』の記憶なのです。魔導士が、俺が暮らしていたシノンの開拓村を襲ってきた辺りから、ミカエル様に助けてもらうまでの記憶がすっぽり抜け落ちているのです」
「ほほう!それはそれは」
伯爵が俺を興味深そうに見つめてきた。
「あなたは何かご存じなのですか?」
「あなたは何があったと考えているのですか?」
「俺の記憶から、この一部を消去したか封印したか、そんな所だと思います。誰がやったのかは分かりませんが・・・」
「残念ですが、あなた自身に起きた事は、流石の『全てを知る者』であっても分かりません。何故なら、『全てを知る者』は世界中に『根』を張っており、その根を通して世界中の出来事を見ているからです。そのため、あなた個人に根を張っていない以上、あなた自身に何が起こったのかは分かりません」
「そうですか・・」
『全てを知る者』とはいったい・・・・・・うごごご!!
とは思った物の、確かにその通りだなと思った。
「ですが、その時あなたの周りで何が起きたのかは分かっています」
「本当ですか?!一体何があったのでしょうか?」
「・・それは私からは話せません。おそらく来るべき時に、それをあなたに伝えるのに最も相応しいお方が話してくださる事でしょう。それをお待ちなさい」
「そうですか・・。分かりました。伯爵、色々とありがとうございました」
「いえいえ。どういたしまして。私も久々に楽しませていただきました。またいつでもお越しください『太陽の貴公子』」
「はい。それでは失礼します」
太陽の貴公子・・か。
強ち間違いじゃ無いのかも知れない。
俺は魔導士に、『魔太公アイム』と呼ばれたのだから・・。
となると、『月の女神』であるガモリーは、やはり『月』が関係している名前なのか。
俺はその場を後にした。
俺はツヴァイクまで戻った。
到着したのは夕方頃だ。
城の前まで着くと、門番にポドールイでの事を話そうとした。
すると門番が言った。
「ツヴァイク公が中でお待ちかねです。どうぞ」
「えっ?自分の身を危険に晒すかも知れないから、部下の誰かに言伝を頼めと言われたのですが・・」
「色々悩んだあげく、やはり自分で聞きたいとの事です。まあおそらく、部下にだけ危険な目に合わせる訳にはいかないと言う事でしょう」
「そうですか。それではそうさせていただきます」
俺は門番に案内され、ツヴァイク公の元へと向かった。