ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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ムサイ三連星③

「まあ、オレが好きなのは『オレと同い年ぐらいの名前が分からない人』なんだけどな」

「それじゃあ、その人を好きになった経緯と見た目を詳しく話してくれ。大体はネビユちゃんが言ってた事が正しいって認識で良いんだよな?」

「ああ。その認識で良い。二年前、オレは部下と一緒にスタンレーの町のパトロールに出かけた。けど、ただパトロールするだけじゃつまらないんでね。部下の目が別の方へ向かっている隙を狙ってその場を離れたんだ。やはり、自由に町を回るのは楽しかったよ」

「それは良く分かるな」

「だろ?」

「それはもしかして、自由に外には出られないって事?」

「そうだ。俺達に自由なんて無いんだ。まあ、暗殺者や誘拐犯から俺やルネを守るためって言うのもあるとは思うけど、一人で外を出歩く事が出来ないんだ。それが、第一王子の宿命なんだよ」

「そうなんだ・・。寂しいね」

「まあな。一般人は俺達が裕福で何不自由なく暮らせて良いなとか思ってるみたいだけど、冗談じゃ無いね。だったら代わってくれって言いたいよ。なあルネ?」

「間違いない」

「そっか・・。まあ、オイラは二人が羨ましいとかは特に思ってなかったから、何とも言えないけど・・」

「他の奴らも、お前みたいな考えなら良かったんだがな。まあとにかく、オレが一人で町を見ている時、遠くで一人の女子が男達に囲まれているの見つけた。オレは大急ぎで走ったよ。彼女を助けるためにな。けど驚いたよ。何せ、男達よりその女子の方が圧倒的に強かったんだからな。オレは手を貸す必要は無さそうだと思った矢先だった。今度は三人同時に襲い掛かった。単独では勝負にならないと悟ったんだろう。こうなると彼女一人では手に負えない。すぐに羽交い絞めにされてピンチになった。オレは何とか彼女がケガする前に間に合った。オレは彼女に『すぐに逃げろ』って言った。けど、彼女は逃げなかった。『コイツらは私の手で倒したい!』って言ってな。何だか理由がありそうだったが、理由を訊くのは後でも良いかと思って、『それなら一緒に倒そうぜ。トドメは全部任せるから』って言ったんだ」

「ルネは良い人だね」

「よせよウナガ。オレは良い人なんかじゃない。・・どうやら完全に落ち着いたみたいだな」

「うん。ゴメン」

「まあそう言う事もあるさ。オレも、好きな子がリーケルにナンパされたら自我を保てる自信が無い」

「・・俺ってそんなに信用無い?」

「人間的に言えば信用できるが、女性問題に関しては信用できんな」

「オイラも」

「とほほ・・。これは今後の行動で名誉挽回するしか無いな」

「そうだ。ぜひそうしてくれ」

「分かったよ。じゃあ続きをどうぞ」

「オレ達が協力すると、男どもはあっさり片付いた。そして、オレが何でこんな事になったのかその子に訊こうとした時、遠くに部下の姿を確認した。スタンレーの王子が一般人の争いに手を貸したとあっては、後に面倒な事になりかねない。だからオレは、女の子の名前も訊かず、自分の名前も告げずに慌ててそこを立ち去ったんだ」

「ネビユが言ってた通りだね」

「そうなんだよ。まるで見てきたみたいに言うからな。あの時はマジでびっくりした。彼女に惹かれた理由も完全に合ってたんだからな。オレは彼女の強さに惹かれた。男子にも負けない力の強さにも惹かれたけど、自分でやると決めた事は何が何でもやる。そんな強い心を持った彼女に惹かれた。次の日も彼女に会いたかったけれど、外に出してもらえなくなったので諦めた。そして、月日が流れて行った・・」

「・・・」

「月日が流れて行ったけど、彼女への想いは諦めきれなかった。会いたくても、彼女がどこに住んでいるのか分からない。スタンレーなのか?それとも別の町か?何も分からない。分かっているのは、彼女が『オレと同い年ぐらい』だって事と、『髪の色が茶色』って事ぐらいだ。これじゃあ何も分かって無いのと同じさ・・」

「ルネ・・」

「そう言えばネビユは最後に、『彼女の髪の色が水色だ』なんて言ってたよな。何であんな事を言ったんだろうか?あれのおかげでアイツの言ってる事が完全に正しいとは言えない事が分かったんだが・・」

 

三人は無言になった。

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