ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
三階上ると景色が変わったが、次の階では再び同じ景色になった。
まさかこれは幻術か何かか?と思われたが、再び三階分階段を上ると、そばにドアがあった。
「どうやらこのドアの向こうに人がいるみたいだね」
「そうですね。人の気配がします」
ガモリーはそこのドアをノックした。
「ウンディーネさん、いらっしゃいますか?」
「開いてるわよ」
と、小さな声が聞こえた。
「何だ、ちゃんと対応してくれるじゃん」
「失礼します」
ガモリーがドアを開いた。
ウンディーネは入って右奥にあるテーブルに突っ伏していた。
まるで授業中に眠っている生徒のようだ。
「あのー・・。少しよろしいですか?」
ガモリーが言ったものの、返事が無い。
かと言って、ただの屍では決して無い。
眠ってもいなさそうだ。
「ネビユさん」
「ん?」
彼女の心の声が聞こえますか?
と心の中で訊かれたので、ネビユは目を瞑った。
(この靄みたいなの・・)
(ルートヴィッヒの時と同じ・・?)
ネビユは今の状況が、ルートヴィッヒの心を読んでいる時と同じ状況だと気づいた。
(だから何?)
(って感じではあるけど・・)
そう思いながら、ガモリーに対して首を振った。
「何か靄みたいなのがかかってて・・」
「そうなのですか?」
「確かこの人って、高名な術士だよね?それが原因かも知れない」
(『高名な術士』・・?)
(まさかルートヴィッヒもそれが原因で・・?)
ネビユは自分が言った言葉に引っかかったため、考え込んだ。
「仕方が無いですね。ウンディーネさん。フルブライトさんからあなた宛ての手紙を受け取りました。読んでいただきたいのですが」
「フルブライトからの手紙・・?」
ウンディーネが顔を上げた。
二人はギョッとした。
ウンディーネの顔色があまりにも悪かったのだ。
目の下のクマもかなりすごい。
ほとんど寝ていないのだろうか?
そのせいか、まだ40代前半のはずだが、少し老けすぎている印象も受ける。
「これです」
「どれ・・」
ウンディーネはガモリーから手紙を受け取り、読み始めた。
しばらくすると目をカッと見開き、顔に生気が戻ったような感じになった。
「あなた達が問題を解決してくれるの?」
「はい。おそらく」
「ぜひお願い!私もどうしたら良いか皆目見当がつかなくて、路頭に迷っていた所なの!あのフルブライトが言うのだから間違いないわね。信じてるわ!!」
「は・・はあ・・」
ガモリーとネビユは顔を見合わせた。
先ほどまでの弱々しい感じはどこへやら。
ウンディーネは完全に若返った感じだった。
「それでは、今の状況を教えていただけますか?」
「分かったわ」
ウンディーネは一度深呼吸した。
今まで失った力を取り戻そうとしているかのようだ。
「フルブライトから概ねの話は聞いていると言う事でよろしいかしら?」
「はい。私が聞いたのは・・」
ガモリーはフルブライトから聞いた話を要約した。
「ボルカノの事は何か聞いてる?」
「フルブライトさんからは何も聞いておりませんが、町の人から少々。何でも行方不明だとか・・」
(早速情報を得たのが役に立った!)
(流石はガモリーだね)
ネビユは感心した。
「ええ。実は私の部下達が彼を軟禁しているの」
「軟禁ですか?監禁では無くて?」
「ええ。彼は建物の中では割と自由に動けるみたい」
「それならば自力で逃れる事も可能なのでは?ボルカノさんも高名な術士のはずですよね?」
「それがダメなのよ」
「何故ですか?」
「建物内に強力な結界が張ってあって、術は全く効果が無いの。だからボルカノは外に出る事が出来ないでいるのよ」
「何故あなたの部下がボルカノさんを軟禁しているのでしょうか?」
「それが全然分からないのよ。フルブライトがトレードで勝利して、これで彼を解放してくれるのかと思いきや、全然解放してくれない。私の話も聞いてくれない。顔を見てもくれない。仕方なく術で応戦しようとしたけど、さっきも言ったように結界のせいで術は役に立たない。でも、戦士を雇って物理で殴れば良いと言う訳でも無さそうだったから、それはやめたわ」
「賢明な判断です」
「ありがとう」
ウンディーネがやっと笑顔を見せた。
「せめて彼らが何を考えているのかが分かれば良いんだけど・・」
「そこはお任せください。私達が何とかします」
「よろしくね。それじゃあ私が案内を引き受けるわ。結界のせいでループする所もあるから、そこは私が何とかします」
「はい。よろしくお願いします」
と言う事で、ウンディーネも加わり、ボルカノとウンディーネの部下がいる建物へと向かう事にした。