ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
(うっ・・)
(こ・・これは・・)
(かなりキツイぞ・・)
ネビユはウンディーネの弟子達の心の中を読んで、そう思った。
「どう?そろそろ何か分かった?」
弟子とのやり取りを一旦中断して、ウンディーネがネビユに尋ねた。
「あ、はい・・。その・・。色々と・・」
「それで、どうしたら良い?」
「これからアタシが何を言おうと、怒らないでくれますか?」
「えっ?それ、どう言う事?」
「おそらくそれで、彼らは立ち直ると思います」
「・・良く分からないけど、良いわ。やって見せて」
「ありがとうございます。では・・」
ネビユが前に出た。
「何だお前は?」
「アタシの事は気にしないでください。そんな事より、もっと素直になったらいかがですか?」
「な・・何だと?一体何を言ってるんだ?」
「あなた達がウンディーネさんの顔を見れないのは、『ウンディーネさんが年を取って醜くなったから』では無いですか?」
「・・・!!」
ウンディーネの弟子達が全員驚きのあまり目を見開いた。
ウンディーネ自身も当然驚いている。
「あなた達はウンディーネさんの事が好きだからこそ、ウンディーネさんにこれ以上醜くなってほしくないと思ってる。でも、『人は年を取る』のです。それは、あなた達だって例外じゃありません」
「し・・知った風な口を利くな!!」
「知っているから言っています。では、ボルカノさんを軟禁している理由も言いましょうか?ずばり、嫉妬です。ウンディーネさんとボルカノさんが親しくなり、恋人に近い感じになってしまったからです」
「うっ・・」
ウンディーネの弟子達は言葉が出なくなった。
「ですがそれとは逆に、二人の関係を応援してもいます。ですからボルカノさんに素直になるように諭してもいたのですね。自分が素直になれていないのに、他人には素直になれとはこれ如何に?」
「ううっ・・」
弟子達は会心の一撃を受けた!
「この問題はウンディーネさん側にも問題があります。ボルカノさんと恋人関係になりたい。でも、いつまでも弟子である男性を手元に
置いておきたい。これでは行けませんね?その中途半端な態度が弟子を暴走させたのです」
ウンディーネは痛恨の一撃を受けた!
「うぅ・・。そうなの?皆?」
ウンディーネが小さい声で尋ねた。
弟子達は頷いた。
ウンディーネはため息を吐いた。
「そうだったの・・。皆ごめんなさいね。私の我がままのせいで・・」
「いえ・・。そんな事は・・」
弟子達はすっかり落ち着きを取り戻していた。
「私がいけないの。いつまでも若いつもりでいるから。もう40過ぎてるものね・・。良い加減、前に進まなきゃ・・」
「ウンディーネ様・・」
「あなた達、本日をもって私の弟子の任を解きます。後は自由にしなさい。今までお疲れ様。そして、ありがとうね」
「ウンディーネ様・・。さらば!!」
三人の弟子達は部屋の反対側へ走って行った。
それと同時に、さっきまでそこにはいなかった弟子が、ボルカノを連れてやって来た。
ボルカノは特に憔悴してはいなかった。
ある程度の自由はあったのだろう。
「話は全て聞きました。ボルカノ様はお返しします」
「あなた・・」
「不思議な物ですね・・。あんなに不満が溜まっていたのに、今はすっかり気分がスッキリしています。まるで何かの呪縛から解けたかのようです」
「ごめんなさいね、本当に・・」
「いいえ!あなたからの呪縛ではありません。実は、ボルカノ様を軟禁する少し前の記憶が無くなっているのです。そもそも、ボルカノ様を軟禁する気など毛頭無かったのです。確か、何者かと出会った気がするのですが・・」
まさか・・。
『彼ら』の内の誰かですか?
「それじゃあ、まさかソイツが?」
「ええ、おそらく。実際、先ほどバンガードを動かしている仲間達にテレパシーを送った所、『自分達も記憶が一部抜けている』と言っていました。私達が何かから解放された事によって、彼らもまた何かから解放されたため、今はバンガードを元の位置に戻している最中との事です」
「そうなの」
グループ全体の心の隙間に入り、
その心を操ったと言う訳ですか・・。
一人でも解放されれば
他の者も解放される。
狙いは
『アビスリーグ』の復活ですね。
「分かったわ。とにかく、あなたも今から自由よ。今まで本当にありがとうね。そしてお疲れ様でした」
「はい!色々とありがとうございました!!」
最後の弟子も同じように部屋の反対方向に走って行った。