ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「ネビユさん、ありがとうございました」
ウンディーネの仕事場を出ると、ガモリーが言った。
「やはりあなたを連れて来て正解でした。本当に助かりました」
「いやあ、それほどでも」
ネビユは照れた。
それから二人は話ながら歩き始めた。
「ところで、あの方達の心の中は何故読みにくかったか分かりましたか?」
「ちょっとだけだけど分かったよ。何かね、変な靄みたいな物が邪魔してた。多分、あの人達が『術士』である事が関係あるんじゃ無いかな?」
(多分)
(ルートヴィッヒも・・)
「術士である事が?彼らが術で心を読みにくくしていると?」
「う~ん・・。けどなあ、ウンディーネさんの弟子の人達なんかは、落ち着いてからは完全に読めるようになってたから、ただの術士と言うよりも、『優秀な術士』だけが出来る事なんじゃ無いかなって思うんだ」
「つまりウンディーネさんの弟子達は自らそうしたのでは無く、操っていた何者かが心を読ませないようにしたと言う事ですか?」
「そうそう!そんな感じ」
「なるほど・・。確かに、彼らは心の隙間が大きかったですね。その心の隙間に入られ、彼らは操られていたと言う訳ですか」
「ん?何か知ってるの?」
「まだ完全に思い出した訳では無いのですが、心の隙間に入りこみ、人を自由自在に操る者達がいるのです」
「そんな奴がこの世界にいるのだけは思い出したって事だね?」
「はい」
「十分だよ。これからも少しずつ思い出していけば良いんだからさ」
「ありがとうございます」
二人はエルブール山脈を右に見ながら北に進んだ。
「バンガードってさ、もし元の位置に戻っていたとしたら、ここからだと多分、最北端の財宝の洞窟からモウゼスまでと同じぐらいの距離だよね?」
「そうですね。そう思います」
「となると、昼少し過ぎたぐらいに着く訳だ。昼ごはん、ちゃんと食べられるかなぁ?」
「ああ・・確かに。バンガードが混乱しているとしたら、昼食を摂る事が出来ないかも知れませんね。これは盲点でした」
「その時は昼ごはん抜き?」
「いえ。問題をすぐに解決して昼食を摂ります」
「あ、でも、元々バンガードが無かったら食べられないか」
「大丈夫です。バンガードはあります」
「あはは!すごい自信。でも、そう言われると本当にそんな気がしてきた」
「そうでしょう?」
その言葉にネビユが愉快そうに笑うと、ガモリーもつられて笑った。
ネビユが言った通り、昼少し過ぎにバンガードがあるはずの所にたどり着いた。
「ちゃんとあるね」
「はい。あります」
バンガードはすでに、元の位置に戻っていた。
「見た感じ、混乱してるようには見えないけど・・」
「心の声はどうですか?」
「う~ん・・」
ネビユは目を瞑って集中した。
しばらくすると目を開けた。
「うん。何かホッとしてる人が多いね。『やっと暴走が止まった』って」
「それはバンガードが暴走していた事ですね。他には?」
「何か船の事を心配してる人がいるみたい。『さっき沈めた船の乗組員は大丈夫だろうか?』って」
「船を沈めたのですか?」
「みたいだよ。詳しい事は本人に聞いてみよ。後は・・」
「何ですか?」
「この人はちょっと・・と言うか、かなりやばいね。何か同じ言葉を繰り返してる。『アビスリーグ万歳!』って」
「それは・・。確かにやばい人ですね。その人がエージェントなので、その人をどうにかすればアビスリーグを壊滅できるでしょう」
「そうなんだ。よし!そうと決まればレッツゴー!!」
二人は注意しながらバンガードに入って行った。