ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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呼び醒まされた記憶④

「お前のその身のこなし、お前は軍人なのか?」

「はい。ピドナの軍人です」

「あっ!それを言っちゃやばいって!!」

 

ノーラが止めたが遅かった。

それを聞いたシャールの顔が、見る見る内に鬼の形相に変わっていった。

ミューズも表情を固くしている。

 

「貴様・・。私達の事をルートヴィッヒから何も聞いていないのか・・?」

「聞いています。ですから、敢えてピドナの軍人であると明かしました」

「何だと!?知ってて敢えてだと?!」

「はい」

「何のためにだ?!私達をからかうためか!?」

「そんな事、私がすると思いますか?」

「お前がどんな奴か知らないからな。そんな事、分かるはずも無い」

「私がどんな人間か分からないのなら、当然、私があなた方をからかうためだけに、こんな事をしたかどうかも分からないですよね?」

「ぐっ・・」

 

シャールは一瞬返答に詰まった。

 

「では、何故こんな事をしたのかを聞こうか?」

「あなた方はルートヴィッヒ様を憎んでいます。そうですよね?」

「そうだ」

「では、何故憎んでいるのでしょう?クレメンスさんが殺されたからですか?ですが、クレメンスさんを殺したのはルートヴィッヒ様ではありません。神王教団の人達です。違いますか?」

「・・違わない」

「認めると言う事は、この事で憎んでいる訳では無いのですね。あなたはルートヴィッヒ様に利き手の筋を切られただけで済んだ。辱めを受けたからルートヴィッヒ様を憎んでいるのですか?」

「・・違う」

「この理由でも無い・・と。では、一体どんな理由なのですか?」

「貴様には分かるまいよ」

「分からないから聞いているのです。私はそれが知りたかったので、敢えて自分の身分を明かしたのです」

「貴様が知る必要は無い」

「クレメンスさんが殺されたのはルートヴィッヒ様のせいですか?違いますよね?クレメンスさんが殺されたのは、クレメンスさんの脇が甘かったからです。つまり、クレメンスさん本人の責任です」

「黙れ!クレメンス様を侮辱するな!!」

 

シャールがそばにあった槍を取り、ガモリーに向けて構えた。

 

「貴様、一体どんな権限があってクレメンス様を侮辱するんだ?!」

「その言葉、そっくりあなたにお返しします。一体何の権限があって、ルートヴィッヒ様を侮辱するのですか?」

「な・・何だと?」

「ルートヴィッヒ様を憎む確たる理由も無いのに、ルートヴィッヒ様を憎み続ける。これがルートヴィッヒ様に対する侮辱で無くて一体何だと仰るのですか?」

「ぐっ・・!くっ・・」

「何も言い返せないでしょう。それは当然です。私が言っているのは全て事実なのですから」

「だ・・黙れ!!それ以上言うと、貴様を殺す!!」

「ずいぶん乱暴な方ですね。では、身にかかる火の粉は払わねばなりません!!」

 

ガモリーも大剣を抜く構えをした。

 

(うわっ!!!!)

 

(ガモリーのオーラの量が一気に増えた!!)

 

(これがガモリーの全力・・なの?)

 

ネビユは先ほどから口を挟めないでいた。

それほどまでに、二人の間に流れる空気が緊迫した物だったのだ。

しばらくの間、沈黙が続いた。

 

「シャール!やめなさい!!」

 

沈黙を破ったのはミューズだった。

シャールは戦闘態勢を解いた。

ノーラとネビユは緊張を解かれホッとした。

 

「ごめんなさいねガモリー様。あなたの気持ちも知らないで。私達にとってお父様が大切な人であるのと同じように、あなたにとってルートヴィッヒは大切な人なのですね?」

「そうです」

「それならば、これ以上の争いはやめましょう。シャール、それで良いですね?」

「はっ・・」

 

シャールは槍を元の場所に置いた。

 

「ノーラ様、これを」

 

ミューズは自分の薬指からクリスナイフを外してノーラに渡した。

 

「これで妖刀龍光を強化してください。そして、ネビユ様のお母様の魂を成仏させてあげてください」

「まあ、私がやるんじゃないけどね。とりあえず分かったよ」

 

ノーラがネビユとガモリーの方を向いた。

 

「二人とも、明日また私の工房に来ておくれよ。それまでに必ず妖刀龍光を鍛えておくからさ」

「お願いします」

 

そう言って、ノーラは出て行った。

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