ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「隊の指揮が難しい場合、どんな役を任せるでしょう。それは、『国王の周りの守備』に他なりません。指揮官が倒されれば、軍隊のほとんどが生存していたとしても、士気が下がってしまい敗北は免れませんから。そのため国王の周りに、優秀な部下を置くのは当然の事となります。つまり、締め切り間近のタイミングで傭兵に応募する事で、戦争時に誰にも怪しまれる事無く、国王のそばにいられると言う事です」
「なるほど。で、国王のそばに潜入して、私達は何をするのですか?」
「両国王を暗殺し、速やかに撤退する事です」
「ほう・・」
「おっ・・!」
アルスとガリンが緊張したようだ。
だが、決して不安そうな表情はしていない。
むしろ嬉しそうな表情をしている。
「それは、オレ達の実力を信用しているからって事で良いかい?」
「ええ。その認識で大丈夫です」
「ククク・・。コイツは良い。昇進の大チャンスだな!なあアルス?」
「ええ。腕が鳴りますね」
「引き受けていただく・・と言う事でよろしいですか?」
「ああ」
「ええ」
「承知いたしました。それで両国王を暗殺するタイミングですが、その合図を出すのをグラフ中将にお願いします」
「ほう・・。何故俺に?」
「中将の声の大きさが素晴らしいからです。中将にはスタンレーとファルスが戦争している場所のちょうど中間辺りにある障害物に隠れて頂き、私の合図で全力で雄たけびを上げてください」
「なるほど!それで皆の注意を引き付けている間に、我々が国王を暗殺する・・と言う事ですか!」
「はい、少佐の仰る通りです」
「これは俄然面白くなってきましたよっ!」
アルスが目を輝かせた。
「う~む・・。俺も暴れたいんだがなぁ・・」
「中将は暗殺向きではありませんので、そこはご容赦ください」
「随分はっきり言うなぁ・・」
「済みません」
「がはは!気にするな。仕方が無い。なら、せめて思い切り叫ばせてもらおう」
「よろしくお願いします。中将の雄たけびで、その場にいる人の注意を引き付けている間に、中佐と少佐がスタンレー・ファルス両国の王を暗殺。速やかに撤退し、その後はメリア大尉とイード中尉の出番です」
「待ってました!」
「私達は何をすれば良いの?」
「騎馬5騎と共に大尉はスタンレーに、中尉はファルスにそれぞれ向かい、停戦交渉を持ちかけるのです」
「・・それだけ?」
「それだけではありますが、極めて重要な事です。時間をかければかけるほど、相手は落ち着きを取り戻してしまいますから。そうなると、こちらの思い通りに事が運ばなくなるかもしれません。ですので、素早く、かつ言葉巧みに相手を誘導してください。それはあなた達が適任だと、私は判断しました」
「信用されてるって事で良いんだな?」
「ええ。もちろんです」
「よし。姉貴、やってやろうぜ」
「分かったわ。ガモリー、具体的にはどんな風に話を進めれば良いかしら?」
「まだお互いの指揮官が倒された事を知らない状況です。ですので、『自分が交渉を有利に進める』と言う事をはっきりお伝えしてください」
「OKよ。ガモリーの期待に応えて見せます」
「よろしくお願いします。作戦会議は以上です」
「もう我々は出発した方が良いのか?」
「はい。中佐と少佐は変装をし、トランシーバーを持ったら早速出発してください。ガリン中佐にはファルスを、アルス少佐にはスタンレーをお願いいたします。まずは、傭兵に雇われた時点で一度報告をお願いします。次に、陣営が出来始めてから二度目の報告を。後は何か不測の事態が起こったら、随時トランシーバーで報告をお願いします。その都度、私が指示を出しますので」
「チャンネルは何番に設定したら良い?」
「中佐はチャンネル1に、少佐はチャンネル2にそれぞれ設定してください。私がトランシーバーを二つ持って対応します」
「了解」
「分かりました」
二人は珍しくご機嫌で玉座の間を出て行った。