ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

270 / 270
呼び醒まされた記憶⑰

「デッドリースピン!!」

 

ブラックはネビュラの周囲を旋回しながら、頭から足の先まで全身の至る所を連続で切り払った。

ネビュラにはダメージが無かったが、攻撃している間は動きを封じる事が出来た。

 

「すごい・・」

「喝!!」

 

ブラックの攻撃が終わった瞬間、ネビユの祖父が叫ぶと、動きが止まっていたネビュラをその場に留める事に成功した。

 

「じいや、今のは?」

「姫様が儀式で戦って来たモンスターは、こうやって確保してきたのです。動きを完全に封じ、そして式神の札に封印するのです」

「そうなんだ・・」

「ガモリー様!今です!!娘に止めを!!」

「分かりました!お二人とも離れてください!」

 

これを聞いて、ノーラとブラックがネビュラから離れた。

そして、ガモリーが妖刀龍光・改を自分の顔の前に掲げた。

 

「退魔神剣!!」

「ああああああああ!!!!!」

 

ガモリーが退魔神剣を使うと、ネビュラから魂のような物が大量に出て来て、妖刀龍光・改へと向かった。

そして、ネビュラが絶叫する所までは前回と同じだ。

 

「さて、今回は負けませんよ・・!!」

 

必死に退魔神剣を振りほどこうとするネビュラを、ガモリーの強い意志力で押さえつけているように見える。

なお、退魔神剣が当たると同時に、ネビユの祖父は術を解除していた。

これ以上苦しむネビュラを見るのが忍びなかったのだろう。

 

「ああああ・・」

 

ネビュラは明らかに弱まっているように見えた。

それから、ネビユの方によろよろと歩いて行く。

 

「の・・呪われ・・し・・い・・いちぞ・・く・・」

「お母さん・・?」

 

魂を吸い取られながらも、ネビュラはネビユに近づいて行った。

 

「ネビユ危ない!離れて!!」

「いいえ!大丈夫ですノーラ様!!」

「えっ?どう言う事だい?」

「娘は姫に力を継承させるのです。姫もそれは分かっているはず!」

「その通りだよじいや。これは儀式の続きなんだから」

 

ネビュラはネビユに手が届く位置まで来た。

 

「あ・・な・・たで・・終・・わり・・に」

「うん!分かった・・!!」

 

ネビユがネビュラを抱きしめると、ネビュラの体からとてつもない光が発せられ、消えて行った・・。

 

ネビユは呆然と佇んでいる。

 

「おいネビユ、どうしたんだ?」

「ネビユ!しっかりするんだ!!」

 

ブラックとノーラの言葉も、ネビユの耳には届いていないようだ。

 

「そろそろですね・・」

「えっ?」

 

ネビユの祖父が意味ありげな言葉を語るのを、ガモリーは聞き逃さなかった。

 

「う・・うぐ・・」

 

突然、ネビユが苦しみ始め、しゃがみこんだ。

 

「う・・うあああああああ!!!!!!!」

「ネビユさん!どうしたのですか?!」

「ネビユ!!」

「ネビユ!しっかりするんだ!!」

「皆さん!これが『秘女の儀』を受けた者に起こる事なのです!」

「これが・・?」

 

ガモリーがネビユの祖父とネビユを交互に見た。

 

「そうです。『秘女の儀』とは、それまでの『秘女』の記憶と能力を全て受け継ぎ、人としての生を終え、『秘女』として生まれ変わる事なのです。これにはかなりの苦痛が伴います。本来なら体と心がその苦痛に耐えられないので、18歳になるまで『秘女の儀』を受ける事は許されないのです」

「ネビユさんは確か17歳では・・?」

「はい。ですから、姫はこの状況を乗り越えられるのかどうか・・」

「どうしてそんな無理をしてまで・・?」

「『町の人々のため』です。グレートアーチに住む一部の人は、代々秘女のお告げを聞いて今後の生き方の指標にしてきました。姫はそんな人達が喜ぶ顔が見たかったのでしょう。それで・・」

「それで、自分を犠牲にする道を選んだ・・と?」

「簡単に言えばそう言う事です」

「そんなのって・・!!」

「人が良すぎるよ全く・・」

 

ガモリーとノーラが憤りを露わにした。

ブラックも無言で地面を蹴った。

その間にも、ネビユは苦しみ続けている。

 

「私達は一体どうすれば・・?」

 

ガモリーがたまらずネビユの祖父に尋ねた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。