ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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呼び醒まされた記憶㉒

「ガ・・ガモリー・・。泣いてるの?」

「えっ・・?あっ、本当ですね・・」

 

ネビユは、ガモリーが涙を流しているのを初めて見た。

どうやらガモリーは、自分が涙を流している事に気づいていなかったようだ。

自分の頬を流れ落ちる涙に触れて、初めて気づいた。

 

(ガモリー)

 

(こんなにも)

 

(アイムの事を想ってたんだ・・)

 

(涙を流すほどに・・)

 

(本当の弟でこれだから)

 

(もし)

 

(二人が赤の他人になったら・・?)

 

「彼のどこに惹かれたの?」

「心の声が聞こえちゃいましたか・・」

「うん。ゴメン」

「いいえ、気にしないでください。私が悪いのですから。でも、少し恥ずかしいですね・・」

 

そう言うと、ガモリーはほのかに顔を赤く染めながら微笑んだ。

 

(うわっ!!)

 

(滅茶苦茶カワイイじゃない!)

 

(ガモリーにこんな一面があるなんて)

 

(これが『萌』ってヤツ?)

 

(羨ましい・・)

 

ネビユは少し悔しそうだ。

 

「そうですね・・。彼は間違いなく私の双子の弟です。でも、私とは正反対で、私に無い物をたくさん持っていました。感情が豊かで、何者にも囚われない自由な人で、優しくて・・」

「う~む・・」

「どうかしましたか?」

「私が復活した時に全力で喜んで、初めて行うトレードを全力で楽しんで、大切な人を全力で守って、野盗の活動に全力で怒って・・。これ全部ガモリーの事だよ?ガモリーも十分に『感情豊か』じゃ無い?」

「あれ?野盗の事って、ネビユさんに話しましたっけ?」

「甘いぞガモリー!今の私にはその程度の事は簡単に分かってしまうのだ!」

「そうですか・・」

 

それは、メリアとイードと三人でランスからヤーマスへ商品を運ぶ荷主の護衛をした時の話だ。

野盗が、「もう少し手加減してくれよ!俺達、同じ人間だろう!?」と言ったのに対し、ガモリーは冷たく、「私は、あなた方を人間とは思っていません。モンスターと同じ存在と見ています」と言った。

そして、逃げるリーダーを容赦なく殺した。

あの時、ガモリーの心の中は怒りで煮えくり返っていたのだ。

 

「私は、あなたの事を自由な人だと思ってる。そして、優しい人とも」

「・・・」

「つまり、今ガモリーが言った事は、全てガモリー自身にも当てはまるって事。それでも、彼と正反対だったの?」

「『グレモリー』だった時は、そうだったと思います」

「なるほど・・。それなら分かるかも。『グレモリー』は、何だか自分を主張する事が苦手だったっぽいから」

「はい」

「よし、その事は分かった。それじゃあ、あなたは実の弟を好きになって良かったと思ってる?それとも、後悔してる?」

「分かりません」

「だよね。色んな想いが入り混じってるみたいで、私にも分からなかったから」

「そうですね。『姉弟で良かった』と思う事もあれば、『どうして姉弟なんだろう?』って思った事もあります。でも、後悔はしてないかな?と思いますね」

「そっか」

「それにしても、そこまで心の中が読まれたなんて・・。以前、魔導士に心を乗っ取られそうになった時、咄嗟に心の中に入りこめないようにして以降、正確に言えば目覚めてからと言う事になりますが、他人に心を読まれないように自然と振舞えるようになっていたのですが、まだまだ甘かったと言う事です。まあこれは、アイムのおかげなのですけど」

「そっか。そう言えばアイムがグレモリーの名前を呼んで、それで・・」

「はい」

「まあとにかく、母が言った通りだったね」

「お母様は何と仰っていたのですか?」

「以前ガモリーは魔導士と接触した事があって、心の中に入りこまれそうになった時に、魔導士の力の一部がガモリーの体の中に入りこんだ。だからガモリーには、霊体の母の声が聞こえたって」

「それはつまり、ネビユさんのお母様と私が同じ能力を持っているから聞こえたと言う事ですか?」

「そう。私達『秘女』の一族は、アイツらの子孫なんだって。もっとも、直系では無いけど。だってアイツらは、あなた達が封印したんでしょ?」

「はい。私とアイムと、それから四魔貴族の4人を合わせた『六磨貴族』が、です」

「6人は『磨かれた能力』を持っていたから『六磨貴族』なんだよね?」

「はい、そうです。説明しなくて済むのは助かりますね」

「四魔貴族が倒されてしまったから、その4人が封印した魔導士が復活してしまったって事で良いんだよね?」

「はい。その認識で大丈夫です。ですので、『太陽』と『月』の魔導士はまだ復活していません」

「つまり、あなたとアイム・・いや、ユウが倒されたら・・」

「はい。その二人も復活します」

 

(1人1人が私達の手に負えない奴らなのに)

 

(また2人も増えたら大変だ)

 

(何とかしなきゃ!!)

 

(けど、別の問題も・・)

 

ネビユは頭をかかえた。

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