ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
俺がツヴァイクホテルで一泊した次の日・・。
始発の船でロアーヌへと向かった。
早く出発したので、ロアーヌの玄関口ミュルスに着いたのは、まだ昼前だった。
昼食の時間までには城にたどり着けるだろう。
「おお!あなたはユウ殿!!」
門番の一人が俺を見て興奮した口調で言った。
「ただ今戻りました。他の皆さんはお元気でしょうか?」
「それはもちろんです!わざわざ私ごときに敬語を使わなくとも・・。あなたは私よりも立場が上なのに・・」
「いえ。俺よりもあなたの方が年上で、ここでは先輩ですからね。敬語を使うのは当たり前です」
グレモリーに似て来たのかもな。
俺は苦笑いをした。
「そうですか。それならばこれ以上は何も申しますまい。どうぞお入りください」
「ありがとうございます」
俺は城内へと入って行った。
「ユウ!!帰って来たか!!」
「お帰りなさい、ユウ!!」
「ただ今戻りました。父上、母上」
俺は玉座の間に行き、ミカエル様とカタリナ様に挨拶をした。
全くお変わりない。
まあ、三日しか経っていないのだから当たり前か・・。
「あんな別れ方をしたので、本当はもう少し戻らないでおいた方が良いかとも思いましたが、色々と分かった事がありますので・・」
「武闘会はどうだったの?」
「レオニードは元気だったか?あと、お前自身の事は何か分かったか?」
「ちょ・・ちょっとお待ちください!」
お二人に矢継ぎ早に質問されて、俺は慌てた。
「あ、いや済まない」
「ゴメンナサイねユウ」
「いいえ。とんでも無い事です」
「そう言えば昼食は摂ったのか?」
「いいえ、まだです」
「では、メインのメンバーを集めて昼食にしよう。そこで色々話を聞かせてもらおうか」
「ええ、喜んで」
と言う訳で、ミカエル様、カタリナ様、ユリアン大臣、モニカ様、ロアーヌ四天王、ラドム将軍、そして俺の計10名が集まって食事を摂った。
まさに、最初にゴドウィン男爵の城に侵入したメンバーとオトリメンバーが集まったと言う訳だ。
位置は入口から見ると、左奥にミカエル様、その右隣にカタリナ様、俺、朱鳥隊隊長のゾーマ様、蒼龍隊隊長のイドゥン様が座り、ミカエル様の正面にユリアン大臣、隣にモニカ様、ラドム将軍、玄武隊隊長のラスタ様、白虎隊隊長のセト様が順番に座った。
俺がツヴァイクへ行ってから三日しか経っていないのだが、何故かロアーヌの食事が物凄く懐かしく感じた。
あと、大勢で食事を摂ると楽しいと言う事も、改めて分かった。
一通り世間話をした後で、俺はツヴァイク武闘大会で優勝した事を話した。
その場にいる全員が驚いた。
「それはすごいな。お前が出発する時に話したが、もう私を超えて居るのかも知れないな」
「いや・・。それはまだまだだと思います。俺は実際は準決勝で負けていたと思いますから」
「ほう・・。その話気になるな」
「もしかして、相手は手加減をしていたとか・・か?」
朱鳥隊隊長のゾーマ様が言った。
やはり、この人はロアーヌ四天王の中で頭一つ抜けている感じだ(実力だけでなく頭の良さも)。
「流石ですねゾーマ様。その通りです」
「でも、その彼、なのか彼女なのか分からないけど、どうしてそんな事をしたのかしら?だって、ツヴァイク武闘大会って、ヴァーチャルリアリティーの世界で戦うのだからケガとかはしないのでしょう?」
「はい、その通りです。良くご存じですね母上」
「ああそれは、ツヴァイクの使者がやって来て、ヴァーチャルの世界の技術を少し分けてくれたのよ。『もうすぐ戦争が起こりそうだから、稽古のために使ってくれ。これは武闘大会でも使われている優秀な技術だから』って。その時に色々と説明してもらったの」
「それってテレビですか?」
「そうそう!結構大きなテレビで、テレビの中の世界で戦えて、しかもケガもしないから全力で戦えるって言ってた。テレビなんて、まだ普及し始めたばかりなのにびっくりよね」
「もう試したのですか?」
「それがねえ・・。どうしようか悩んでて・・。一応、テレビを持ってきてくれた人が中に入って実践(実戦)してくれたんだけど、なかなか皆乗り気になれなくて・・」
「だが今は話が別だ。ユウがいるのだからな。ユウがすでに経験した以上、我々も恐れる事は何も無いと言う事だ」
ミカエル様がそう言った。
どうやらロアーヌのメンバーは、意外と新しい世界に対する恐れみたいな物があるのかもしれない。
いやむしろ、俺は何でヴァーチャルの世界を恐れなかったのか。
これが分からない。