ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
俺達は中庭に出て来た。
いつもなら色々な隊が稽古しているのだが、今は昼休憩に入っていて誰もいない。
そんな広い中庭の中央にテレビがある。
先ほど食事を一緒にしたメンバー10人が、テレビの前までやって来た。
そこには兵士の一人が見張り(?)をしている。
どうやら見張りだけは交代でやっているようだ。
「皆さま、お疲れ様です!」
「ああ。ご苦労さん」
兵士が挨拶したので、ミカエル様が返事した。
大きさはツヴァイク武闘会で使われたテレビの3分の1ぐらいか。
テレビには、ツヴァイク武闘会のリングが映されている。
当然、観客席もだ。
だが、とても普通に入れる大きさじゃない。
ダイビングするなり、スライディングするなり、とにかく体のどこかを折り曲げないと入るのは厳しそうだ。
「まだ誰も使っていないのですか?」
「ええ。皆、ミカエル様が使用されてからとの事です」
俺が兵士に尋ねると、兵士は淡々と答えた。
「全く・・。こんな時まで上司に気兼ねする必要など無いのに」
「おそらく、理由はミカエル様達と同じだと思います。未知の物に対する恐怖もあるのかと。誰か一人が試せば、皆利用するでしょう」
「ユウ、何故お前は武闘会の時、怖がらなかったのだ?」
「それが良く分からないのですよね。おそらく説明した人(タバタ)の説明の仕方がうまかったのだと思います。『そんな物か』って言う感じでしたから。さっきのガモリーも含めて、武闘会で知り合った奴らもそんな感じで、恐怖は全く無さそうでした」
「ふむ・・。そう言う物か」
「私達もツヴァイクの使者達が中に入って実戦を実践したのを見たのよ?それで片方が負けてこちらの世界に戻ってくる所も見たわ。それでも恐怖心は消えなかったけど・・」
「そう言えばさっきもそう仰っていましたね。そこは信頼できる存在かどうかの問題も出てくるかも知れません。まあ今は俺がいるので早速入りましょう。それを見れば、皆さんも恐怖心は無くなるでしょう」
と言う訳で、俺は早速テレビの中に入って行った。
ツヴァイク武闘会の会場と寸分の違いも無い。
本当にすごい技術だ。
小さいカメラが四方八方にある。
おそらく、このカメラの向こう側にミカエル様達がいると考えられる。
残念ながら、こちらから外の様子は見えない。
ここから外にいる人と会話できるのだろうか?
武闘会の時は向こうからの歓声が聞こえて来たし、中の会話も外に聞こえていたからな。
やってみよう。
「父上!聞こえますか?!聞こえたら返事してください!!」
俺はカメラに向かって大声で言った。
≪ああ!聞こえるぞ!!≫
ミカエル様の声が聞こえた。
「皆さんもこちらにいらっしゃったらどうですか?」
≪今行く!!≫
すぐに皆やって来た。
「これは・・。何と不思議な・・」
ラスタ様が周りを見回しながら言った。
「外の世界と何ら変わりない。空気もある。話も出来る」
「そして痛みもある・・か」
セト様が自分の頭を軽く叩いた。
何もそこまでしなくても・・。
「まさかここまでとはな・・。現実と何ら変わらないでは無いか」
「ええ、確かに」
ミカエル様の言葉に、カタリナ様が同意した。
「いかんな・・。何年振りかまるで覚えて無いが、何だかワクワクしてきた」
「あなたがそこまで興奮するなんて珍しいわね」
「フッ・・。そうだな」
ミカエル様が俺の方を見て来た。
「ユウよ。再度確認だ。ここで戦っても私達の本体は死ぬ事は無いし、ケガをする事も無い。そうだな?」
「はい。その通りです」
「よし。ではユウよ。私から提案がある」
「何でしょう?」
俺はミカエル様の次の言葉を待った。