ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「お前はこの短期間でかなり成長した。肉体的にも精神的にもな」
「ありがとうございます」
「そこで・・だ。ここでロアーヌ四天王と戦ってみる気は無いか?」
「えっ・・?」
正直言って戦いたい。
四人は俺の憧れだからだ。
「私はユウと戦いたいです!」
「私も・・です」
俺が返事をする前に、ゾーマ様とイドゥン様が返事をした。
ラスタ様とセト様はお互いの顔を見合っている。
やはり何かが引っかかる。
そう言えば、二人からは以前は感じなかった違和感を感じる。
以前、どこかで感じたような気もするが・・。
「ラスタ、セト。お前達はどうなのだ?」
「戦いたい・・よな?」
「イドゥン・・」
イドゥン様に言われて、二人も腹が決まったようだ。
「も・・もちろんです!私もユウと戦いたいです!」
「私もです」
「分かった。では後はユウの気持ち次第だな。四人に日頃溜まった鬱憤を晴らすチャンスだぞ?」
「そんな物ありません!ある訳が無いです。もちろん父上や母上、ユリアン大臣、モニカ様、ラドム将軍に対してもです。皆、俺に良くしてくれています。本当に感謝しています。その感謝の気持ちを込めて戦います!」
「そう言ってもらえると、私達も嬉しい。な、皆?」
ミカエル様の言葉に皆が頷いた。
嬉しいのはこちらも同じだ。
「よし!では早速始めようとしようか。ルールは簡単。一対一で、どちらかが消える、もしくは降参するまで戦う事。ただし、ユウが負けたらそこで終わりだ」
「ミカエル様」
「どうしたイドゥン?」
「ゾーマは我々の中では実力が頭一つ抜けています。ユウがゾーマに勝てば、我々は確実に勝てないのでやる意味が無くなります。ですので、ゾーマは最後にしてください」
「相性とかもあるかも知れないぞ?」
「いいえ。ゾーマには我々は一度も勝った事がありません。それほどの差が(サガ)あります」
「イドゥンがそこまで言うとはな。良いだろう。では、まず三人で順番を決めるが良い」
「ありがとうございます」
「順番はどのように決めるのだ?」
「じゃんけんで決めます」
「じゃ・・じゃんけん?」
俺とミカエル様が同時に言った。
じゃんけんなんて、四天王に似合わないと思う。
特にクールなイドゥン様には。
「ま・・まあ良い。そこは任せる」
「はい。では良いか二人とも。じゃんけんで勝った奴から順番に戦う。良いな?」
「じゃんけんなんて初めてですね」
「私もだ。だが、望む所だ!!」
ラスタ様は冷静に、セト様は熱く返事をした。
「じゃんけん・・」
俺達は、結果を固唾を呑んで見守った。
「ぽん!」
結果、セト様→ラスタ様→イドゥン様の順になった。
「よし!私からだな!!」
すっかり元のセト様に戻っているように見える。
だが、無理をしているようにも見える。
イドゥン様やゾーマ様の表情を見ると、後者の方らしい。
「ではユウとセトを除き、リングから降りるのだ」
ミカエル様の言葉を聞き、俺とセト様以外がリングから降りた。
「これは見ものですな。成長著しいユウ君が、四天王相手にどこまでやれるのか」
「そうですね」
ラドム将軍の言葉に、ユリアン大臣が頷いた。
大臣の隣にいるモニカ様も無言でリングを見つめている。
「ミカエル、あなたはどちらが勝つと思っているの?」
「さあな。予想がつかん。だが、部下が全力で戦うのを見るのは楽しみだ」
「ふふ・・。楽しみなのはそれだけ?」
カタリナ様が意味ありげな目でミカエル様を見つめた。
ミカエル様は少しニヤリとしただけで何も言わなかった。
「手加減は無用だぞユウ」
「もちろんです」
俺達は武器を構えた。
「ん?」
「どうした?」
「その武器、長弓では無いですね?」
「ああ。お前がツヴァイクに向かった後、部隊で外に出たのだが、その時に『ドビー』と言うモンスターに出くわしてな。ソイツを倒して手に入れた『ドビーの弓』だ。攻撃力は長弓の倍近いぞ?」
「残念ながら、このヴァーチャルの世界では武器の強さは比例しません。『ブロードソード』も『ドビーの弓』も同じ攻撃力になります」
「そうなのか?それは残念だ。だが私は、ドビーの弓の扱いに慣れたのでね。油断するなよ?」
「油断なんてしません」
「それもそうか」
「二人とも準備が出来たようだな。それでは、始め!!」
ミカエル様の合図を受け、俺達は同時に動いた。