ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「ユウ、少し良いか?」
俺がヴァーチャルの世界から出て、戻ろうとした時にイドゥン様に止められた。
「どうかしました?」
「あの世界の中では話が出来ないだろうからな。今話しておく」
「ああそうか・・。あのお二人がいるからですか?」
「そうだ。と言っても、あまり戻るのが遅いと疑われるかも知れないからな。手短に言うぞ」
「はい」
「私が思うに、あの二人は『魔導士』から接触を受けたのだろう」
「どうしてそう思うのですか?」
「あの二人はゴドウィンの城でオトリ役をやった時に、自分の無力さを嘆いていた」
「まさか・・。『魔導士』が力を渡すために接触を・・?」
「そうだ。馬鹿みたいだよな。ゾーマはともかく、私は武器に助けられた所がかなりあっただけだと言うのに・・。まるで自分達は出来損ないみたいに言うのだからな」
「そうか!魔導士はお二人の心の中を読んだのですね?俺が魔導士に乗っ取られそうになった時と同じように」
「そうだ。私はお前のその話を聞いた時にピンと来たのだ」
「では・・、あのお二人はまさか・・」
「ああ。いずれは・・な」
「もしくは・・すでに・・」
俺はショックのあまり下を向いた。
「済まない。まだお前は戦いが残っているのに、迷いが生じるような事を話してしまった」
「いいえ、大丈夫です。むしろ理由が分かってスッキリしましたから」
「フッ・・。そうか。では私は先に行く。後で、先ほどの二人と同様に握手でもするか」
「分かりました」
イドゥン様は一足早くヴァーチャルの世界に戻って行った。
俺は今聞いた話の事が顔に出ないようにするため、一度大きく深呼吸してからヴァーチャルの世界に戻って行った・・。
「ユウ」
ヴァーチャルの世界に戻ると、イドゥン様はそれだけ言って俺に握手を求めてきた。
俺はその握手に応じた。
本当に余計な事は言わない人だ。
「さて、次は他の三人が一度も勝てなかったと言うゾーマが相手だ。覚悟は良いか?」
「もちろんです」
「よし。では二人ともリングに上がれ!」
ミカエル様に力強く言われ、俺とゾーマ様がリングに上がった。
俺はゾーマ様と向かい合うと言った。
「俺は、四天王の皆さんを尊敬しています」
「ああ」
「今まで厳しく指導していただき、ありがとうございました!」
「フッ・・」
「俺はあなた方に勝つ事が、一番の恩返しだと考えています」
「そうかもな。だが、簡単にはやらせないぞ。私も全力でそれに応えてやる」
「はい!」
「準備は良さそうだな。では始め!!」
俺の全ての力をぶつける!!
俺はゾーマ様に向かって突っ込んだ。
ゾーマ様の武器は大剣だ。
『大剣』と言えばガモリーだ。
ガモリーには剣の稽古で一度も勝てなかった。
つまり、俺がゾーマ様に勝つ事が出来たなら、ガモリーもゾーマ様よりも強い事になる。
何だか釈然としないな・・。
「フェザーシール!!」
ゾーマ様が朱鳥術を使用した。
すると、その場から姿が消えた。
俺は立ち止まった。
目を瞑り、ゾーマ様の気配を確かめる。
駄目だ!全然分からない!!
辺りが真っ暗な訳でも無いのに、何てステルス能力なんだ!
仕方なく俺は、ゾーマ様の攻撃をパリィ出来るように準備した。
その時、背後地面からジリジリと音がした。
地走りだ。
「剣閃!!」
俺は地走りをジャンプで回避すると、地走りが来た方向目掛けて攻撃した。
だが、何も反応が無い。
すでに移動した後か。
「うっ!?」
今度は右側から朱鳥術のエアスラッシュが飛んできた。
エアスラッシュが俺に見事に当たった。
しかも空中にいたのでクリティカルヒットだ。
地走りを使った後に姿が見えたはずだが、すぐにフェザーシールを使ったようだ。
そして今回も。
おかげで、移動した事に全く気づかなかった。
まるで、『振り逃げダイナミック』だな。
俺はエアスラッシュを受けたものの、何とかうまく着地する事が出来た。
さあ
これからどうする・・?
俺は周りを見回しながら、作戦を考えた。