ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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待ち受ける何か ユウ編⑬

あれ?

 

気づいたら俺は、城のトイレの個室にいた。

確かに、ここなら安全だが・・。

もし、四天王も負けた後に同じ場所に来たんだとしたら、どうやってあんな短時間で戻って来たんだ???

まさかテレポートか?

 

・・そんな事より、俺がここにいるって事は、負けたって事か・・。

まあ、悔やんでも仕方がない。

ベストは尽くしたんだ。

胸を張って帰ろう!

 

 

 

約5分後に、俺はヴァーチャルの世界に戻って来た。

ミカエル様はそこにいた。

つまり、俺は間違いなく負けたって事だ。

 

「お帰りなさい、ユウ」

 

カタリナ様が優しく俺を迎えてくれた。

 

「ただ今戻りました」

「良い戦いだったわよ」

「私もそう思う。良い戦いが出来た。ありがとう」

 

ミカエル様が右手を差し出してきた。

俺も右手を出して握手した。

頼りがいのある大人の男性の手だ。

 

俺達は手を離した。

 

「良い戦いであっても、負けは負けです」

「そうかしら?正直言うと、あれは引き分けだったように思うけど・・。ねえ?」

 

カタリナ様が、ミカエル様以外に同意を求めると、皆が頷いた。

 

「どう言う事でしょう?」

「あなたの『黄龍剣』もミカエルには致命傷だったって事。でも、ミカエルは食いしばった。ただそれだけの話」

「く・・食いしばった???」

 

良く分からないな・・。

だが、ミカエル様もそれに同意しているようで、困った表情をしている。

 

「実はそうなのだ。あれは間違いなく引き分けだった。私も完全にやられたからな。だが私は、『負けたらロアーヌ王を引退する』と言う気持ちで戦っていたから、あの時食いしばる事が出来たのだ」

「つまり、気持ちで勝ったと?」

「簡単に言えばそうなるかな」

「それならば納得できます。俺は『後悔しないよう全力を尽くす』としか考えていませんでしたから」

「結果はどうだ?満足できたか?」

「はい。俺の全ての力を出せました」

「そうか。ならば訊きたいのだが、私とガモリー、どちらが強い?」

「!!そうですね・・」

 

そんな事聞かれるなんて思わなかったな。

だが、実際どちらが強い?

ガモリーの実力が武闘会の時の実力なら、間違いなくミカエル様だ。

だが、ガモリーはまだまだ力を隠している。

それがどの程度か分からない以上、簡単には答えられない・・。

 

「そうか・・。答えられないほど、ガモリーは強いと言う事だな?」

「・・はい」

「分かった。ならば今まで以上にしっかり鍛え上げねばならんな」

「えっ?」

「闘志は伝染する物だ。他の者も見てみるが良い」

 

俺は他の人達を見た。

 

「今日からこの場を使ってきっちりトレーニングしないとな!」

 

ゾーマ様がひどくやる気だ。

 

「ならば、各隊ごとに時間を決めてやろうでは無いか」

「そうですね。二部隊が同時に入れば、私達四天王もきっちり訓練が出来るのでは?」

「ふむ」

 

セト様、ラスタ様、イドゥン様も先を見据えて話し合いをしている。

 

「ラドム将軍、暇な時で良いので、私と剣の稽古を頼めますか?」

「大臣自ら私を誘ってくださるとは・・。喜んでお引き受けいたしましょう。私もあんな戦いを見せられたら黙ってはいられませんから!」

「カタリナ・・。お願いがあるの」

「分かっていますよモニカ様。久しぶりに剣の稽古をしましょうか。ですが以前とは違い、あなたも強力な戦士の一人です。なので、こちらも手加減は無しですよ?」

「ありがとうカタリナ!!」

「モニカ、たまには俺とも稽古をしよう」

「ユリアン、望む所ですわ」

 

ラドム将軍、ユリアン大臣、モニカ様、カタリナ様の4人も気合が入っている。

 

「フッ・・。モニカまでもか。これは予想以上の結果になったな」

「そうですね」

「ユウよ。これからも定期的にお前と稽古をしたいが、良いだろうか?」

「もちろん!望む所です!!」

「武器防具は、ピドナには全く歯が立たないからな。ならば肉体と技術を鍛えるのみだ」

 

こうして俺達は、毎日ヴァーチャルの世界を使った訓練に明け暮れた。

時間はどんどん過ぎていったが、俺は気づいていなかった。

 

ファルスとスタンレーの戦争が、始まる前から終っていた事に・・。

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