ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
≪実は・・、ファルスの王子がスタンレー陣営に来てまして・・≫
「ファルスの王子が?」
≪ええ・・。どうやら、この戦争を止めるために説得に来たみたいです≫
「なるほど・・」
そう来るとは思いませんでした。
流石は意外性NO.1ですね。
ガモリーは微笑んだ。
「それでは、トランシーバーを送信状態のまま音量も最大にして、ファルスの王子とスタンレー国王の会話が聞こえるように少し近くに寄っていただけますか?会話が終ったらすぐに終了して構いません。なお、返事は結構です」
ガモリーが言った通り、アルスは返事をしなかった。
その代わりに、トランシーバーからリーケルとジェイスンの声が少しずつ大きく聞こえ始めて来た。
≪良いだろう。君の話を伺おう≫
≪ありがとうございます≫
≪この戦争を止めると言ったな?具体的な策はあるのか?≫
≪はい。戦争をするように仕向けたのはピドナの部隊です。それは間違いありません。 これは、トルネードさんも仰っていた事です。ですので、その部隊の一人を捕らえて連れてくるのです≫
≪トルネード・・。七英雄の一人、ハリード殿の事だな。あの方は前回のファルスとの戦争の時に、我々スタンレー軍団にとっては、まさに英雄そのものの働きをしてくれた。その人の言葉を無下には出来ん。が、どうやってその部隊を見つける?そして、どうやって捕らえる?≫
≪見つけるのは簡単です。彼らは一週間ほどピドナに戻っていません。そんな部隊がいくつもあるはずがありませんから≫
これは痛い所を突かれましたね。
≪なので、ピドナの情報通の人なら絶対に知っているでしょう。その人からオーラムを握らせて聞き出すのです≫
≪ふむ。では、どうやって捕らえる?≫
≪これは本当に力技です。どんなに優秀な部隊でも、 何らかの弱点を持つ落ちこぼれが一人はいます。その人物を特定し、呼び出して気絶なりさせる。そしてここに連れて来て、自分達が戦争を仕向けた事を自白させるのです≫
私の部下にそんな人はいません。
・・と、自信を持って言えませんね。
7人の選抜メンバーとは言え、
もう少し部下の事を見ておくべきでした。
趣味や特技までは知りませんからね。
自由すぎる上司も問題かも知れません。
≪確かに力技だ。だが、絶対に不可能とは言えない。良かろう。君に託そう≫
≪ありがとうございます!!≫
≪ただし猶予は一日だ。明日戦争を始める予定だったが、明日一日は待つ事にする。後、スタンレーは一切協力しない。君達二人でやるんだ≫
≪大丈夫です!もともとそのつもりでしたから≫
≪フッ・・。そうか。私の息子も君のように優秀だったら、どれだけ良かった事か・・≫
≪ルネは優秀ですよ。私は彼に一目も二目も置いています≫
≪そうか・・。ありがとう。ルネの父親として、礼を言わせてもらおう≫
≪どういたしまして。では、私はこれで≫
≪待ちたまえ。馬をお貸ししよう。少しでも、時間は大切にしなければな≫
≪ありがとうございます!それでは、失礼します≫
≪ファルスの斥候に伝えろ!戦闘開始は明後日まで延期と!≫
≪はっ!!≫
馬の足音が遠ざかって行った。
それから、トランシーバーの通信も切れた。