ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX   作:日加利有亮

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新たな悪夢の始まり②

「今回の件は、新たな敵の仕業だと思われます」

 

そのゾーマが口を開いた。

ゾーマは赤い長髪を後ろで一つにまとめている。

 

「人間でもモンスターでも無い、新たな存在ですね」

「モンスターはもう存在しないからな」

「ええ。それに、もしいたとしても結果に阻まれて村には入れないはずですからね」

「シノンの村には確か『奇面草』だったな」

「はい。そうです」

 

と、この質問にはシノンに詳しいユリアンが答えた。

 

奇面草とは、ツヴァイクの西にある森に住んでいる教授(天才)が作ったペットの内の一匹で、ミカエル達が『破壊するもの』を倒した後、モンスターの襲撃を防ぐための結界の力を埋め込んだ。

いつ何時、モンスターが復活しても対応できるようにするためだ。

教授のペットだけでなく、伝説の武具やアイテムなどにも同じように力を埋め込んだ。

分かりやすいのを例に上げると、ロアーヌの『マスカレイド』、ピドナの『聖王の槍』、ランスの『王家の指輪』などだ。

力を埋め込んで以来、カタリナはマスカレイドを持って出かける事をやめた。

 

「ゾーマよ。人間でもモンスターでも無い、新たな存在。それはどんな存在だと思う?」

「そうですね・・。最初は洪水で村が流され、次は何かに建物が押しつぶされ、今回は爆発。もし次が竜巻で吹き飛ばされたとしたら・・」

「したら?」

「各術に特化した存在だと言えるでしょう。今まで使われたのは玄武術の『テンペスト』、白虎術の『超重力』、朱鳥術の『クリムゾンフレア』。使われた術はそんな所かと」

「では次は何だと思う?」

「蒼龍術の『トルネード』の可能性があるかと思います」

「どれも高難易度の術では無いか。そんな術を使う存在が本当にいるのか?」

「この世界では我々4人と七英雄ぐらいですかね」

 

ゾーマが言う七英雄とは、『破壊するもの』を倒した7人、ユリアン・ノール、トーマス・ベント、ミカエル・アウスバッハ・フォン・ロアーヌ、ハリード、エレン・カーソン、カタリナ・ラウラン、モニカ・アウスバッハの7人の事だ。

彼らの事を勝手に『七英雄』と語ったのは吟遊詩人だ。

詩人が世界中で彼らの事を語っているので、今やそれが彼らの代名詞となった。

7人は勝手に英雄などと呼ばれている事に文句の一つも言いたい所なのだが、詩人はサラ・カーソンの事はうまく伏せて語っている。

そのため、7人も詩人の語る事を黙認しているのだ。

 

「それならば犯人は我々の中にいると言う事になりますよ?」

「だな」

 

玄武隊隊長のラスタの言葉に白虎隊隊長のセトが頷いた。

ラスタは誰にでも敬語を使う穏やかな性格の持ち主で、セトは逆に熱血タイプ。

ラスタは青色のおかっぱ頭、セトは銀色の短髪だ。

 

蒼龍隊隊長のイドゥンは無口なタイプで、重要な時しか話さない。

髪は緑のロングのストレートヘアだ。

今回の会議でも一言も話していない。

全てゾーマに任せていると言う事のようだ。

 

「ラスタ。そう言う冗談はよせ。誰もお前達の誰かがやったとは思っていない」

「失礼いたしました」

「分かれば良い。ではゾーマよ。無くなった遺体についてはどう思う?」

「村を襲った奴が何かの目的で持ち去ったと思われます」

「その理由は何だと思う?」

「それに関してはまだ何とも・・。情報が少なすぎますので」

「そうだな。ではそろそろ今後の対策について話すことにしよう。もうこれ以上、犠牲者を出さないためにもな」

 

これを聞いて、ユリアンの表情が変わった。

 

「私とカタリナ以外の、ここに集まってもらった者達にはそれぞれ部下20名を連れて、残っているシノンの村に赴いてほしい」

「えっ?それは俺・・私も良いと言う事ですか?」

「当たり前だユリアン。お前の故郷の事に、お前が対応しなくてどうする?」

「あ・・ありがとうございますミカエル様!!」

 

ユリアンは頭を下げた。

それを聞いたモニカが立ち上がってミカエルの方を見て言った。

 

「私も・・私もユリアンと一緒に!!」

「そう言うと思っていたよモニカ。だからお前もこの会議に参加させたのだ」

「えっ・・」

「お前はもう足手まといにはならない。お前もりっぱな『七英雄』の一人なのだからな」

「お兄様・・。ありがとうございます」

 

モニカも深々と頭を下げた。

 

「ただし、村の中には入るな。兵士がいると村人は安心できないだろうからな。何かあればすぐに駆けつける事ができるぐらいの範囲にいるようにしてくれ」

 

それから向かう村を割り振って行くことになった。

シノンはユリアンの故郷の村を中心に8つの新しい村が出来上がっていた。

その内の3つが正体不明の存在にやられた。

つまり、残り6つと言う事になる。

その6つの村を、ユリアン+モニカ(中心の村へ)、ラドム将軍、ゾーマ、ラスタ、イドゥン、セトの7人で担当する場所をそれぞれ決めた。

 

「では、皆にはこれを渡しておく。何かあればすぐに私に知らせるように」

 

そう言って、ミカエルはモニカ以外の6人に『トランシーバー』を渡した。

これも教授が作った物で、破壊するものを撃破後、ツヴァイクと同盟を結んだ時にサンプルとして一つもらった。

そして、その使い勝手の良さに満足したため、いくつか購入したのだ。

 

「ユリアン。モニカを守ってやってくれ」

「はい!」

「では皆の者、よろしく頼むぞ!」

 

こうして会議は終了し、ミカエルとカタリナ以外は会議室を出て行った。

 

「一体これから何が起こるのミカエル?」

「分からん。神のみぞ知る・・だな」

 

会議室に残ったミカエルとカタリナが少し話をした。

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