ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
「ジェイスン様、どうしました?!あっ!背中に矢が!!」
スタンレーの兵士達がジェイスンの周りに集まって来た。
「し・・死んでる・・!」
「ば・・馬鹿な!!」
「い・・一体誰が!?」
兵士達は辺りを見回したが、スタンレーの兵士以外は誰もいなかった・・。
その時、馬の足音がした。
その足音は、こちらにどんどん近づいて来た。
「私はピドナ軍大尉のメリア!スタンレーとファルスの戦争を止めるためにやって来ました!!」
メリアがスタンレー陣営に向かって叫んだ。
スタンレーの兵は呆然としてメリアの方を見ている。
「あら?何かあったの?」
メリアは部下達を停止させ、自分だけ馬から降りて人が集まっている所に向かった。
「あっ!スタンレー国王!!」
メリアは、ジェイスンが倒れている事に気づき、驚いた振りをした。
「亡くなっているのですか?」
「・・ああ」
「何て事・・」
メリアは口元を押さえた。
「副官はどなたですか?」
「私だ」
先ほどメリアの質問に答えた50歳ぐらいの男が答えた。
「指揮官が亡くなってしまった以上、戦争どころではありません。一刻も早く停戦交渉を行う事をお勧めします。今ならファルスに、スタンレー王が亡くなった事を気づかれていないでしょうから」
「し・・しかし・・」
「私が仲介します。停戦交渉を有利に出来るよう働きかけます。いかがですか?もちろん、今後ピドナに協力してもらう事になりますが、悪いようには決して致しません」
「わ・・分かった。よろしく頼む」
「承知しました」
(これで良いのよね、ガモリー?)
メリアはうまく説得に成功した。
一方のファルスでも、同じような騒ぎになっていた。
こちらからだと、雄叫びはスタンレーの方から聞こえたので、スタンレーに何かあったのか?と思われていた。
「一体誰が、何のためにこんな雄叫びを・・?」
ファルスのクラックス王がテントから出て来て呟いた。
(お前を殺すためだよ!!)
ガリンがクラックスの背中から剣を突き刺した。
「ぐおっ!!」
剣は背中から心臓を見事に貫いていた。
(やったぜ!!)
ガリンは混乱に乗じて、その場から急いで姿を消した。
「ク・・クラックス様!!」
ガリンが姿を消して少ししてから、ようやく兵士がクラックスの異変に気づいた。
「し・・死んでる!!」
「誰だ!!一体誰がこんな事を?!」
ファルス兵が混乱している時、馬の足音が聞こえて来た。
「俺はピドナ軍中尉のイード!ファルスとスタンレーの戦争を止めるためにやって来た!!」
イードがファルス陣営に向けて叫んだが、ファルスの異様な雰囲気に気づき、イードだけ馬を降りて人の集まっている所に向かった。
「その人はまさか・・ファルス国王か?」
「そうだ・・」
「死んでいるのか?」
「ああ・・」
「何てこった・・」
イードは首を振った。
「指揮官がいなくなれば戦争どころでは無くなるが、停戦交渉は行っておいた方が良いな。幸いと言っては何だが、スタンレーはファルス国王が死んでいる事にまだ気づいていないだろうからな」
「停戦交渉と言ったって、一体どうすれば・・?」
「俺が何とか交渉してみる。なるべく有利に出来るようにな。元々兵力で上回っているのだから十分に可能だろう。その代わりに、今後ピドナに色々と協力してもらう事になるが・・」
「それでも構わない。私が副官だ。王が亡くなり、王子がいない今は、私が決める」
「分かった」
(なるほどな)
(ガモリーが言ってた通り)
(王子への信頼度はかなりの物らしい)
イードは感心した。
(とりあえず)
(これで約束は果たしたぜ)
イードも無事説得に成功した。