ロマンシングサガ3-2 REVIVE OF THE SIX 作:日加利有亮
次の日の午前・・。
父の葬儀が執り行われた。
背後から剣で心臓を貫かれて即死だったそうだ。
痛みを感じなかっただけ、父は幸せだったのかも知れない。
ルネの父は『毒矢』で殺されたんだとか。
いや、正確に言えば『毒』では無いらしいが、似たような物らしい。
今朝、ルネから『ロボ鷹』が送られて来て、それで知った。
俺はその音で目が覚めた。
『ロボ鷹』が来なかったら寝坊していたかもしれない。
ルネに感謝だな。
これで、俺とルネは最初の冒険前の状態に戻った訳だ。
父が亡くなった事と、もう一つの事を除けば・・だが。
その『もう一つの事』が、俺を苦しめる事になるとは・・。
『ソイツ』は、父の葬儀が終わり、俺達(部隊の隊長格4人+メイドのクノちゃん)が玉座の間に戻って来た瞬間やって来た。
「よう王子様!元気だったか?」
「誰だアンタは?!」
いきなり変な奴が入って来たので、俺は声を荒げた。
歳は50代ぐらい、髪は茶髪、白いひげを蓄えた男だ。
その後ろから、門番が申し訳なさそうな顔をしてここにやって来た。
「おいおい!いきなり『アンタ』とはひどいな。オレはピドナから来た『ガリン中佐』だ。ファルスとピドナの間で交わされた契約の内容が詳しく書かれた契約書を持ってきてやったんだ」
そう言って、一枚の書類を俺に手渡した。
俺がその紙を読むと、それには以下の事が書かれていた。
『ピドナがファルスとスタンレーの戦いの停戦交渉を引き受けた代わりに、以下の事を要求する。
①今回の戦争に関してはノーサイドとする。
②本日から1日または2日間、ピドナの代表1名をファルスに滞在させる。
③ピドナが戦争に参加した場合、メインの戦闘に参加する必要は無い。ただし、陸路と海路から来る『援軍』を足止めする事。
④クロースヘルムを優先的にピドナ軍に売る事。なお、クロースヘルムは言い値で買い取る』
俺は紙から、ガリンの方に視線を移した。
「読んだか?先に報告を受けていた事と違う所はあるかい?」
「いや、無い」
「んん~?返事の仕方が悪いなぁ。こっちはお前達の『上司』なんだぜ?」
(誰が上司だ!!)
「・・いえ。ありません」
「OK。それでどうだ?何か言いたい事は?」
「何もありません。文句の付け所も無いです」
「そう言う訳だ。オレは『ピドナの代表者』だから門番は止めなかったんだ。門番を責めるなよ?」
「分かっています」
「その調子だ。ああそうそう。代表者1名と言ったが、オレの付き人みたいな奴も1人いる。まあ、大した奴じゃ無いから放っておいてくれ。それじゃあ、オレは自由にファルスを見させてもらおうかな?」
ガリンが引き上げようとした時、クノちゃんに気づいた。
ガリンはクノちゃんをじっと見つめた後言った。
「アンタ美人だな。オレの女にならねえか?」
ガリンがクノちゃんの肩に触れた。
俺だって触った事無いのに!!
クノちゃんは今、どんな表情をしているんだろう?
ここからじゃアイツの背中が邪魔で見えない!!
「いいえ。遠慮しておきます」
そう言って、クノちゃんはガリンの手を軽く払いのけた。
やばい!
奴が怒り狂って何かするんじゃ無いのか?!
俺を含めた、その場にいた男たちはガリンを止めようとした。
だが、ガリンは何故かあせった感じになった。
「フ・・フン・・。まあ良いだろう・・。今回は許してやる」
そう言って、玉座の間から出て行った。
一体何があったんだ・・?
「クノちゃん、大丈夫かい?」
俺達はクノちゃんの所に駆け寄った。
「ええ、大丈夫です」
そう言って、クノちゃんはガリンに触られた側の肩を手で払った。
「も・・申し訳ありません王子!あ、いや・・陛下!アイツが強引に・・!!」
門番が申し訳なさそうに言った。
多分、勝手に城に入られた事を詫びたのだろう。
「いや、君は何も悪くない。気にするな。それと、私はまだ正式に戴冠式を終えていないからな。王子のままで良い。皆もそのつもりでいてくれ」
「はっ!!」
「よし、とりあえず皆は持ち場に戻ってくれ」
と言う訳で、俺とクノちゃんを除いて、その場を離れた。
「良いんですか?アイツをあのまま放っておいて」
「えっ?どう言う事だい?」
「屈強な戦士が5人もいる前でも平気で女性をナンパする奴ですよ?町の女性がどんな目に逢うか分かりませんか?」
しまった!
そんな事、考えて無かった!!
「た・・確かに・・。だが、奴の付き人って奴がしっかりした奴なら・・」
「そうですね。確かにしっかりした人ではあります。でも、アイツを止められるかどうか・・」
「えっ?クノちゃん、ガリン中佐の付き人の事知ってるの?」
「うふふ・・」
クノちゃんは意味ありげに笑った。